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Multicenter Contraceptive Efficacy Trial of Injectable Testosterone Undecanoate in Chinese Men [endojournals.org]
今後のタレコミのために探し方
今回発表されたのは第III相試験(商品として発売可能になる手前ということ)で、全文はお金払わないと見えないようですが、以前に同じグループがやっている第II相試験の結果(2003年)については、論文が全文無料で閲覧可能でした。http://jcem.endojournals.org/cgi/content/full/88/2/562 [endojournals.org]まあ似たようなメソッドでの試験のようですので、こちらで代用して、かいつまんで読んでみました。要点↓
・308人が試験に参加し、9人は数ヶ月の準備投与期間中に精子が減らなかったためドロップ。3人は精子が減るのを確認するまでの準備投与期間中にうっかり妊娠させてしまったためにドロップ。296人が実際に精子の減少を確認し次のフェーズ(避妊確認フェーズ)へ。・避妊確認フェーズ中に296人中6人が、投与しているにも関わらず精子量がリバウンドしたためドロップ。別の10人は、その他の理由(明記されていない)でドロップ。296人中280人(95%)が完遂。・避妊確認フェーズ中では、精子量がリバウンドした1名のみで妊娠。その他の精子抑制に成功したカップルの、合計143(人×年)で、妊娠は1例もなし。・最も多かった副作用は注射した部位に2日間ほど続く圧痛や不快感。・21例でニキビ出現。性欲変化は様々だが、大多数は性欲亢進(減退でなく)を自己申告。・攻撃性の亢進などの性格変化を申告した人はいなかった。・平均2kg程度の体重増加が出現、投与終了後に戻った。その他深刻な副作用なし。
10名がドロップした理由は明記されていませんが、一般的にこういう試験は被験者の自由意思で理由も述べずに辞退できる、というのが倫理的に鉄則なので、中華がどうとか深読みするほどの話ではないと思います、多分。
他のグループでは、2008年にヨーロッパの共同研究グループが、354人の健康成人男性に対する二重盲検試験(本人も調査する人も、本物の薬なのかプラセボなのか知らされていない)を行い、有意な副作用は体重増加、気分変化、ニキビ、発汗、性欲変化。妊娠の有無については調査対象外としていたが精子量低下は確認。http://jcem.endojournals.org/cgi/content/abstract/93/7/2572 [endojournals.org]
個人的には「いったん効きはじめれば素晴らしく優秀だけど、効かない人が数%いる上、効き始めまで時間かかりすぎ」「ピルのように毎日飲むものではないにせよ、毎月注射というのはちょっと」という感じがします。男らしくなる系の副作用は、イヤなら止めれば戻るだけのようですが、長期的には前立腺癌の発生率とかが気にはなります。
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds
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Multicenter Contraceptive Efficacy Trial of Injectable Testosterone Undecanoate in Chinese Men [endojournals.org]
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Re:論文 (スコア:2, 参考になる)
今回発表されたのは第III相試験(商品として発売可能になる手前ということ)で、全文はお金払わないと見えないようですが、
以前に同じグループがやっている第II相試験の結果(2003年)については、論文が全文無料で閲覧可能でした。
http://jcem.endojournals.org/cgi/content/full/88/2/562 [endojournals.org]
まあ似たようなメソッドでの試験のようですので、こちらで代用して、かいつまんで読んでみました。要点↓
・308人が試験に参加し、9人は数ヶ月の準備投与期間中に精子が減らなかったためドロップ。3人は精子が減るのを確認するまでの準備投与期間中にうっかり妊娠させてしまったためにドロップ。296人が実際に精子の減少を確認し次のフェーズ(避妊確認フェーズ)へ。
・避妊確認フェーズ中に296人中6人が、投与しているにも関わらず精子量がリバウンドしたためドロップ。別の10人は、その他の理由(明記されていない)でドロップ。296人中280人(95%)が完遂。
・避妊確認フェーズ中では、精子量がリバウンドした1名のみで妊娠。その他の精子抑制に成功したカップルの、合計143(人×年)で、妊娠は1例もなし。
・最も多かった副作用は注射した部位に2日間ほど続く圧痛や不快感。
・21例でニキビ出現。性欲変化は様々だが、大多数は性欲亢進(減退でなく)を自己申告。
・攻撃性の亢進などの性格変化を申告した人はいなかった。
・平均2kg程度の体重増加が出現、投与終了後に戻った。その他深刻な副作用なし。
10名がドロップした理由は明記されていませんが、一般的にこういう試験は被験者の自由意思で理由も述べずに辞退できる、というのが倫理的に鉄則なので、中華がどうとか深読みするほどの話ではないと思います、多分。
他のグループでは、2008年にヨーロッパの共同研究グループが、354人の健康成人男性に対する二重盲検試験(本人も調査する人も、本物の薬なのかプラセボなのか知らされていない)を行い、有意な副作用は体重増加、気分変化、ニキビ、発汗、性欲変化。妊娠の有無については調査対象外としていたが精子量低下は確認。
http://jcem.endojournals.org/cgi/content/abstract/93/7/2572 [endojournals.org]
個人的には「いったん効きはじめれば素晴らしく優秀だけど、効かない人が数%いる上、効き始めまで時間かかりすぎ」「ピルのように毎日飲むものではないにせよ、毎月注射というのはちょっと」という感じがします。男らしくなる系の副作用は、イヤなら止めれば戻るだけのようですが、長期的には前立腺癌の発生率とかが気にはなります。