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ここのコメントを見ると, やっぱり流体力学ってのは難しいってことを再認識させられます(私も学生のときに単位を落としましたし).
まず, タイトルの「羽のない扇風機」というのがまず間違っています. リンク先のリング断面図を見れば一目瞭然ですが, 羽は実はリングそのものです. つまり「羽がない」のではなく「固定翼」の扇風機(送風機)というのが正しいのです. さらに空気に運動量を与えるのも, 通常のジェットポンプの様に作動流体の運動量を直接転化するというわけではありません. ジェットポンプに似ているのは, ジェットポンプでの吸い込みの原理である「流体を高速化すると圧力が低下する」(ベルヌーイの定理 [wikipedia.org])というところと, リングから十分に離れた場所での巻き込み流ぐらいですね.
実際どういう原理で動いているかといえば, リング翼の内側前方に設けられたスリットからリング翼の内側に沿って噴出されるジェットがミソです. このジェットはベルヌーイの定理で周囲に比べ低圧ですから, 周囲からこの低圧部に向けて空気が流れ込みます. ここでリングの形状が前後対称なら話は終わっちゃうのですが, 前縁が丸く後縁が尖った翼断面形状になっているので剥離なんかの関係でよどみ点がずれ, 結果として前縁からリングの内側を通って後端から今度は外側を通って前に戻るという循環流(ベクトル解析的な意味での流れ)が生じ, それによって前方から後方へという方向性が生まれるってことですね. 航空機で言えば, 高揚力機構だけで飛ぼうとするようなものです. 究極の軸流ファンというか, 流量はあってもヘッドの上昇はごく微量でしょうね
とまあ, 物を見てしまえば定性的な原理を説明することはできるのですが, 最初にこういう構造を考え付くのは只者じゃないし, それが単なる思い付きじゃなく定量的に評価・実現しちゃうのは凄いと思います. いかにもイギリス的というか.
# ただ, 使い物になるかどうかは別の話
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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家
流体力学は直感的じゃない (スコア:3, 参考になる)
ここのコメントを見ると, やっぱり流体力学ってのは難しいってことを再認識させられます(私も学生のときに単位を落としましたし).
まず, タイトルの「羽のない扇風機」というのがまず間違っています. リンク先のリング断面図を見れば一目瞭然ですが, 羽は実はリングそのものです. つまり「羽がない」のではなく「固定翼」の扇風機(送風機)というのが正しいのです. さらに空気に運動量を与えるのも, 通常のジェットポンプの様に作動流体の運動量を直接転化するというわけではありません. ジェットポンプに似ているのは, ジェットポンプでの吸い込みの原理である「流体を高速化すると圧力が低下する」(ベルヌーイの定理 [wikipedia.org])というところと, リングから十分に離れた場所での巻き込み流ぐらいですね.
実際どういう原理で動いているかといえば, リング翼の内側前方に設けられたスリットからリング翼の内側に沿って噴出されるジェットがミソです. このジェットはベルヌーイの定理で周囲に比べ低圧ですから, 周囲からこの低圧部に向けて空気が流れ込みます. ここでリングの形状が前後対称なら話は終わっちゃうのですが, 前縁が丸く後縁が尖った翼断面形状になっているので剥離なんかの関係でよどみ点がずれ, 結果として前縁からリングの内側を通って後端から今度は外側を通って前に戻るという循環流(ベクトル解析的な意味での流れ)が生じ, それによって前方から後方へという方向性が生まれるってことですね. 航空機で言えば, 高揚力機構だけで飛ぼうとするようなものです. 究極の軸流ファンというか, 流量はあってもヘッドの上昇はごく微量でしょうね
とまあ, 物を見てしまえば定性的な原理を説明することはできるのですが, 最初にこういう構造を考え付くのは只者じゃないし, それが単なる思い付きじゃなく定量的に評価・実現しちゃうのは凄いと思います. いかにもイギリス的というか.
# ただ, 使い物になるかどうかは別の話
Re: (スコア:0)
「羽のない扇風機」と「翼のない扇風機」は同じなんですか? (スコア:0)
「翼のある扇風機」は、飛ぶことのできる扇風機なのか、飛べないプロペラ機なのか。夢があるようで、夢がない。