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クリスマスケーキというと思い出す、既に故人の親父。
何を思ったかある年のクリスマスで姉夫婦の家に宛てて、取引のあるケーキ屋さんに「予算枠で可能な限りのケーキを」と注文した。しかしケーキ屋さんに渡した予算がまずかった…多過ぎたのだ。糖尿で自分は甘いものを食べられない恨みもあったのだろう、せめて娘夫婦や孫たちに思う存分ケーキを食べさせたかったようだ。
だが普通の家族向けクリスマスケーキ数個分という予算を前に、そのケーキ屋さんは「なンか変な誘惑」に駆られてしまった様だ。普段は近場の子供の誕生日ケーキなどを作る以外は、子供のおやつやお茶請けに買われていくような、余り高くない良心的価格で素朴なショートケーキや、シュークリームなんかを自家製で作って売っているような小さなケーキ屋さんは、持てる限り以上の技術を投入して、オベリスク…もとい特大ケーキの製作に取り掛かった。
後で姉に聞いた話では、届けられた直径60cmを超えるクリスマスケーキには、クッキーの小屋が数件バラックのように立ち並び、サンタクロースは3人乗り、メリークリスマスとクリームで書かれたチョコレートのプレートがモノリスのようにそびえ立っていたという。そしてうっかり移動させたら巨大なクレバスが縦横無尽に走り、先のパウダーシュガーでかわいらしく装飾されたクッキーの小屋は、さながら大震災で地割れに飲まれかけている被災家屋のようだったとのことである。
もちろんこれが冷蔵庫におとなしく収まるはずも無く、姪っ子たちは初めて目の当たりにする巨大ケーキに狂喜乱舞するも、その巨体を構成し崩壊を防ぐために入念に練られホイップを控えめにした重いクリームは通常のケーキのそれよりボリューム感に富んでいたため、全体の1/3を片付ける前に姉夫婦共々リタイア、遊びに来た姪っ子の友達らのお茶請けにも振舞われたにもかかわらず、ケーキの一部は大晦日ちかくまで冷蔵庫の中にあったとのことだ。
今年のクリスマスに関して姪っ子たちは口をそろえる。「ケーキ以外にして!」
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目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond
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Re:ちなみに (スコア:1, オフトピック)
クリスマスケーキというと思い出す、既に故人の親父。
何を思ったかある年のクリスマスで姉夫婦の家に宛てて、取引のあるケーキ屋さんに「予算枠で可能な限りのケーキを」と注文した。
しかしケーキ屋さんに渡した予算がまずかった…多過ぎたのだ。
糖尿で自分は甘いものを食べられない恨みもあったのだろう、せめて娘夫婦や孫たちに思う存分ケーキを食べさせたかったようだ。
だが普通の家族向けクリスマスケーキ数個分という予算を前に、そのケーキ屋さんは「なンか変な誘惑」に駆られてしまった様だ。
普段は近場の子供の誕生日ケーキなどを作る以外は、子供のおやつやお茶請けに買われていくような、余り高くない良心的価格で素朴なショートケーキや、シュークリームなんかを自家製で作って売っているような小さなケーキ屋さんは、持てる限り以上の技術を投入して、オベリスク…もとい特大ケーキの製作に取り掛かった。
後で姉に聞いた話では、届けられた直径60cmを超えるクリスマスケーキには、クッキーの小屋が数件バラックのように立ち並び、サンタクロースは3人乗り、メリークリスマスとクリームで書かれたチョコレートのプレートがモノリスのようにそびえ立っていたという。
そしてうっかり移動させたら巨大なクレバスが縦横無尽に走り、先のパウダーシュガーでかわいらしく装飾されたクッキーの小屋は、さながら大震災で地割れに飲まれかけている被災家屋のようだったとのことである。
もちろんこれが冷蔵庫におとなしく収まるはずも無く、姪っ子たちは初めて目の当たりにする巨大ケーキに狂喜乱舞するも、その巨体を構成し崩壊を防ぐために入念に練られホイップを控えめにした重いクリームは通常のケーキのそれよりボリューム感に富んでいたため、全体の1/3を片付ける前に姉夫婦共々リタイア、遊びに来た姪っ子の友達らのお茶請けにも振舞われたにもかかわらず、ケーキの一部は大晦日ちかくまで冷蔵庫の中にあったとのことだ。
今年のクリスマスに関して姪っ子たちは口をそろえる。
「ケーキ以外にして!」
# 爆言のち漏電中… :D