原著は多分 van der Meij L. et al. Hormones and Behavior article in press, doi:10.1016/j.yhbeh.2010.04.009 だと思います(ScienceDirectのURIは長すぎるので省略)。 クッシング症候群を起こすような大量長期でない限りコルチゾールが寿命を縮めるという根拠はないと思いますが(3日で飽きるし)、少なくともabstractでは著者はストレスや健康との関係については示唆していませんね。
ちなみに、同じグループが同じような手法でテストステロンの上昇も示していますが(Hormones and Behavior 54(5):640-644)、こっちの方がむしろ体に悪そうな気もします。
副腎皮質ホルモン (スコア:2, 参考になる)
原著は多分 van der Meij L. et al. Hormones and Behavior article in press, doi:10.1016/j.yhbeh.2010.04.009 だと思います(ScienceDirectのURIは長すぎるので省略)。
クッシング症候群を起こすような大量長期でない限りコルチゾールが寿命を縮めるという根拠はないと思いますが(3日で飽きるし)、少なくともabstractでは著者はストレスや健康との関係については示唆していませんね。
ちなみに、同じグループが同じような手法でテストステロンの上昇も示していますが(Hormones and Behavior 54(5):640-644)、こっちの方がむしろ体に悪そうな気もします。
# ヒトに対する臨床試験だし、同じような実験何度もしないでいろいろ同時に測ればいいのに。
Re:副腎皮質ホルモン (スコア:1)
コルチゾールそのものが健康(や寿命)に影響を与えるから、ということではなくて、あくまで唾液中コルチゾールが心理的ストレスの指標として、しばしば用いられるものだから、ということですね。
ヒトでのストレスを定量化する実験では、しばしば唾液中のコルチゾール量を測定するんですが、感じているストレスの強さと比較的よく相関すると考えられているのと、非侵襲的に(採血すらいらない)サンプルの採取が可能なので、医療系の人がいなくても実験が可能ということで、まぁ割とメジャーな手法だと思います。
ただそもそも「心理的ストレスの強さ」をどのように定量するか、というのは難しい問題でして。一つにはアンケート方式で「感じたストレスが強かったかどうか」を被験者に回答させる方式。ただ、もちろん被験者ごとのバイアスが大きくなるという問題がつきまといますし、どれくらいを「大きなストレス」と表現するか、ということには個人差が大きく、定量化するのには難があります。で、できればストレスに伴って反応の大きさが変わるような生理的応答を用いて、ストレス強度の指標にしようということで、唾液中コルチゾール量がよく使われるというわけです。
ただ、この方法も万能ではなくて、今回みたいに因子そのものが心理的に影響すると思われるものなら問題ないんですが、例えば「ストレスを弱める薬」を開発したいという場合には、それがストレスを抑えることで間接的にコルチゾール分泌を抑えたのか、それとも単にコルチゾール分泌を直接抑えたのか、ということには注意が必要です。
例えば、妊産婦を対象にして、コーヒーを摂取するとコルチゾール分泌を抑えるのでストレス改善になる、という論文 [nih.gov]が出てますが、この手法だけなので、根拠としては少し弱い、と考える必要があります。