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達成のために用意した手段がことごとくずっこけて目的だけはうっかり達成するというのは、そもそも工学的成功というのだろうか。
エンジン同士を繋げていたのは本当に偶然だったとか
偶然というか、打上げ直前に思い付いた担当者とエンジニアが二人で上司に黙って仕込んだものだった、と的川泰宣先生の講演で聞きました。
本にも書いてあった。
國中の頭脳がフル回転した。電気回路を駆使してクロス運転を簡単・軽量に実現できないだろうか? そしてダイオード1個を追加するだけでこれが実現可能であることが閃いた。天啓である。実験をしてみたら首尾よく機能した。そして実機へのダイオード追加も、数グラムの追加で済み、それ以外なんのデメリットもないことを説明して、しぶる担当者を説得することに成功した。 こんな小さな部品のことなど、川口にいちいち報告はしていなかった。(略) 11月10日の講習会から帰京した國中は、「AとBのクロス運転を試したい」と川口に告げた。川口がいぶかしそうに國中を見た。「だってAとBはつないでないだろ?」「いや、実はつないであるんです」——事情を聞いた川口の顔が驚きの表情となったが、その目の奥に期待の炎が燃えるのを、國中は見逃さなかった。
的川泰宣『小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡」PHP研究所、2010/10、112-115頁 [amazon.co.jp]
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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」
手放しには喜べない (スコア:2, すばらしい洞察)
しかし一方で、様々なハードルが高くなってしまった、ということは今後の問題でしょう。
Re: (スコア:0)
達成のために用意した手段がことごとくずっこけて目的だけはうっかり達成するというのは、そもそも工学的成功というのだろうか。
Re: (スコア:3, 興味深い)
今回のは工学的に失敗してたとしても次期に活かせれば成功です。実際次期探査機の設計には今回の教訓が大分反映されてるとか。
失敗は成功の母と言いますし。
はやぶさはそれに加えて、予期せぬ状況変化(太陽フレア等)で、当初予定していた方法では達成できなくなったことに対して、その場にあるものだけで新たに状況に応じた代替方法を考案
することで結果も出せたので、大成功と言っていいと思いますよ。
#とはいえイオンエンジン4基中2基破損だけは対処法が見つからなかった。エンジン同士を繋げていたのは本当に偶然だったとか。それ以外は何とかなったと言っていたような。
#「神は自ら助くるもののみを助く」を地で行った事態でした。
ダイオード/Re:手放しには喜べない (スコア:4, 興味深い)
偶然というか、打上げ直前に思い付いた担当者とエンジニアが二人で
上司に黙って仕込んだものだった、と的川泰宣先生の講演で聞きました。
Re:ダイオード/Re:手放しには喜べない (スコア:1)
本にも書いてあった。
的川泰宣『小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡」PHP研究所、2010/10、112-115頁 [amazon.co.jp]