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"Batteries for Efficient Energy Extraction from a Water Salinity Difference"F.L. Mantia et al., Nano Lett., 11, 1810–1813 (2011) [doi.org]
単純に言えば以下の反応を使った電池.5MnO2 + 2Ag + 2NaCl ↔ Na2Mn5O10 + 2AgCl
MnO2とAg電極を塩水につけるとイオンが浸透していき電流が流れ,Na2Mn5O10とAgClを真水につけるとイオンが抜けていって逆向きに電流が流れる.
要するに塩漬けと塩抜きを繰り返す電池ですね。
淡水源、塩水源が入手しやすく環境負荷がかからないという意味では河口は確かによさげだけど、この手のは不純物が問題にならないかなぁ?
※乾燥メンマ買った。塩蔵メンマよりもイイんだけど、塩抜きよりも戻しがさらにマンドクサ
>この手のは不純物が問題にならないかなぁ?
一応Supporting Infoの方に実際の海水と淡水で実験した結果が載っていて,若干起電力の低下はあるものの動いてはいますね.といっても10時間だけのデータではありますが.まあメカニズム自体は単純なんで,プレフィルタみたいなもんでイオン以外の不純物を除けばそれなりに動きそうな気はします.
>下水利用が課題とありますが
ああ,違います違います.彼らが言ってるのは,淡水として処理済みの下水も利用できるよ,とそれだけのことです.比較的丈夫な(コンタミに影響を受けにくい)システムだから,塩分さえなければ大抵の水が使えるよ,と言うことのようです.
>NaMnO4・3H2O(過マンガン酸ナトリウム)
こいつはMn+7なんで,凄く酸化力が高いんですよ.だから強酸化性物質として危険物になります.一方のMnO2-Na2Mn5O10はMnが3.6-4価なんでかなり安定です.#Mnは3-4価ぐらいがほどほどに安定.
過マンガン酸ナトリウムって水溶液で使うものじゃない?ちょっと性質違うと思う。
ソディウムクロライドがどんな物質なのかは検索してもでてこなかったため(出てくるけど)、それぞれの成分のNaとClについて調べてみました。
くらい無茶な論法だと思いますが。
毎秒50立方メートルで100MWだからそれを1時間維持できればその3,600倍で360GWh・・・という計算だと思いますが。#確かにあんまりWhに換算する意味はなさそうですね
実際には充電時間とか、淡水・海水の入れ替え時間のロスとか、1機ではコンスタントに100MWは出せなさそうですが・・・ま、そこらへんは複数機をローテーションする、水のほうを入れ替えるんじゃなく電極のほうを移動する・・・とか工夫の余地はありますね
>この淡水を全部利用出来ると仮定すると、100MW即ち360GWhの発電ができるということでしょうか。
ということは、河口近辺の海域ではそれ以上のエネルギーが発生しているということですかね#海の熱容量が半端ない&ある程度の広範囲で発生するので目立たないんでしょうけれど
>河口近辺の海域ではそれ以上のエネルギーが発生しているということですかね
塩水の希釈は吸熱反応だったような……濃い塩水と淡水でいた方がエネルギーは低い.ただしエントロピー項があるので,混ざった方が自由エネルギーは低い.だから河口付近では,希釈によって水系のエネルギーは高くなり,吸熱で温度が下がる方向に.
今回の件は,エネルギーの高い物をエネルギーの低い物に変えて電力を引き出すのではなく,エネルギーが低くてエントロピーも低い物を,エネルギーが高くてエントロピーも高い状態に変えつつ,電力も引き出す.不足するエネルギーは熱エネルギーから転換されます(そのかわりエントロピーの増大で埋め合わせ).
でまあ自由エネルギー差(エントロピー項も含めた,仕事を外部に引き出せる量)は確か,川の水と海の水の浸透圧の違いが250m相当の落差に当たるんだったような.そういう意味では,希釈の自由エネルギーを全部使うと,川の水全てを250mの落差に放り込んで水力発電できるのと同じようなことに.#まあそう簡単な話でもないんですが.
確か東工大の高分子膜やってる教授が関電と組んで研究してました.膜方式だとスウェーデンにもやってる企業がありますし,ノルウェーで実証プラントが1-2年前に動いていたような.
解説、どうもですm(__)m
エントロピーとかが入ってくるとどうもわけがわからないもんで(苦笑)#入らなくてもよくわからないのは一緒だけど、レベルが1段上がる(大苦笑)
世の中には中学二年生の女の子に宇宙のエントロピーについて語ってしまい「そんなのわからないよ、理解できないよ」と返答させてしまう事例があります。
※11話まで泣き虫だったのが、12話でキリッとするのが問題
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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家
論文はこれ (スコア:5, 参考になる)
"Batteries for Efficient Energy Extraction from a Water Salinity Difference"
F.L. Mantia et al., Nano Lett., 11, 1810–1813 (2011) [doi.org]
単純に言えば以下の反応を使った電池.
5MnO2 + 2Ag + 2NaCl ↔ Na2Mn5O10 + 2AgCl
MnO2とAg電極を塩水につけるとイオンが浸透していき電流が流れ,Na2Mn5O10とAgClを真水につけるとイオンが抜けていって逆向きに電流が流れる.
Re: (スコア:0)
要するに塩漬けと塩抜きを繰り返す電池ですね。
淡水源、塩水源が入手しやすく環境負荷がかからないという意味では河口は確かによさげだけど、この手のは不純物が問題にならないかなぁ?
※乾燥メンマ買った。塩蔵メンマよりもイイんだけど、塩抜きよりも戻しがさらにマンドクサ
Re: (スコア:2, 参考になる)
>この手のは不純物が問題にならないかなぁ?
一応Supporting Infoの方に実際の海水と淡水で実験した結果が載っていて,若干起電力の低下はあるものの動いてはいますね.といっても10時間だけのデータではありますが.
まあメカニズム自体は単純なんで,プレフィルタみたいなもんでイオン以外の不純物を除けばそれなりに動きそうな気はします.
Re:論文はこれ (スコア:1)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B5%A1%E5%B7%9D
この淡水を全部利用出来ると仮定すると、100MW即ち360GWhの発電が
できるということでしょうか。
代わりの素材は、自然に影響を与えないものを考える必要があるので銀以外に
良い素材を見つけるのは大変そうです。
元記事に処理済の下水利用が課題とありますが、phason先生の示されている化学式を見る限り
下水というほどの汚い水にはならない気がするのですが、気のせいでしょうか?
Re:論文はこれ (スコア:3, 参考になる)
>下水利用が課題とありますが
ああ,違います違います.
彼らが言ってるのは,淡水として処理済みの下水も利用できるよ,とそれだけのことです.
比較的丈夫な(コンタミに影響を受けにくい)システムだから,塩分さえなければ大抵の水が使えるよ,と言うことのようです.
Re:論文はこれ (スコア:1)
Na2Mn5O10がどんな物質なのかは検索してもでてこなかったため、よく似た構成の物質の
NaMnO4・3H2O(過マンガン酸ナトリウム)を確認してみたら第一類危険物第一種酸化性固体とありました。
これを含む水の処理のコストがどれくらい付くかが課題になるのでしょう。
Re:論文はこれ (スコア:3, 参考になる)
>NaMnO4・3H2O(過マンガン酸ナトリウム)
こいつはMn+7なんで,凄く酸化力が高いんですよ.だから強酸化性物質として危険物になります.
一方のMnO2-Na2Mn5O10はMnが3.6-4価なんでかなり安定です.
#Mnは3-4価ぐらいがほどほどに安定.
Re: (スコア:0)
過マンガン酸ナトリウムって水溶液で使うものじゃない?
ちょっと性質違うと思う。
Re: (スコア:0)
ソディウムクロライドがどんな物質なのかは検索してもでてこなかったため(出てくるけど)、それぞれの成分のNaとClについて調べてみました。
くらい無茶な論法だと思いますが。
Re:論文はこれ (スコア:1)
360GWh というのはどこから出てきた数字でしょう。
(360 GWh) / (100 MW) = 150 日?
Re: (スコア:0)
毎秒50立方メートルで100MWだからそれを1時間維持できればその3,600倍で360GWh・・・という計算だと思いますが。
#確かにあんまりWhに換算する意味はなさそうですね
実際には充電時間とか、淡水・海水の入れ替え時間のロスとか、1機ではコンスタントに100MWは出せなさそうですが・・・
ま、そこらへんは複数機をローテーションする、水のほうを入れ替えるんじゃなく電極のほうを移動する・・・とか工夫の余地はありますね
Re:論文はこれ (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
>この淡水を全部利用出来ると仮定すると、100MW即ち360GWhの発電ができるということでしょうか。
ということは、河口近辺の海域ではそれ以上のエネルギーが発生しているということですかね
#海の熱容量が半端ない&ある程度の広範囲で発生するので目立たないんでしょうけれど
Re:論文はこれ (スコア:3, 参考になる)
>河口近辺の海域ではそれ以上のエネルギーが発生しているということですかね
塩水の希釈は吸熱反応だったような……
濃い塩水と淡水でいた方がエネルギーは低い.ただしエントロピー項があるので,混ざった方が自由エネルギーは低い.
だから河口付近では,希釈によって水系のエネルギーは高くなり,吸熱で温度が下がる方向に.
今回の件は,エネルギーの高い物をエネルギーの低い物に変えて電力を引き出すのではなく,エネルギーが低くてエントロピーも低い物を,エネルギーが高くてエントロピーも高い状態に変えつつ,電力も引き出す.不足するエネルギーは熱エネルギーから転換されます(そのかわりエントロピーの増大で埋め合わせ).
でまあ自由エネルギー差(エントロピー項も含めた,仕事を外部に引き出せる量)は確か,川の水と海の水の浸透圧の違いが250m相当の落差に当たるんだったような.
そういう意味では,希釈の自由エネルギーを全部使うと,川の水全てを250mの落差に放り込んで水力発電できるのと同じようなことに.
#まあそう簡単な話でもないんですが.
確か東工大の高分子膜やってる教授が関電と組んで研究してました.
膜方式だとスウェーデンにもやってる企業がありますし,ノルウェーで実証プラントが1-2年前に動いていたような.
Re: (スコア:0)
解説、どうもですm(__)m
エントロピーとかが入ってくるとどうもわけがわからないもんで(苦笑)
#入らなくてもよくわからないのは一緒だけど、レベルが1段上がる(大苦笑)
Re: (スコア:0)
世の中には中学二年生の女の子に宇宙のエントロピーについて語ってしまい「そんなのわからないよ、理解できないよ」と返答させてしまう事例があります。
※11話まで泣き虫だったのが、12話でキリッとするのが問題