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>電磁場つまり電子のゆらぎじゃないの?
電磁場は光子。電子の揺らぎではない。(電子を揺することも出来るけど)
今回の実験は、レーザーは分子をある特定の量子状態にセッティングするのと、最終段階での状態検出(確か)に使われてる。YbFの全スピン(核スピン+電子スピン)をレーザーである特定の状態にして、そこに電場/磁場を加えることでスピンの歳差運動を引き起こす。もし電子が分極を持てば、その歳差運動が影響を受けて、回転周期が分極がないとした場合の理論値からずれる。それを検出しようとしたけど、統計的に有意なズレは無かった=その測定精度の範囲内では分極がない、ということがわかったという話。
>歳差運動すら起こすようなものなんだ…。
離散的なことを除けば、古典的な自転に凄くよく似てます。スピンの3軸(x,y,z)のうち決まった値をとれるのは1軸だけなので(1つを決めると残りには不確定性が効く)、z成分を固定してしまうと、x成分とy成分は混合状態を取ります。で、その混ざり方が時間とともに変化するのが古典で言う歳差運動に相当します(z軸成分が固定で、xy平面内で成分が変動する)。(x,y)成分が(sin(ωt),cos(ωt))と書けるような感じで。
関連して、スピンエコーという現象があってみたり。沢山あるスピンを一方向(z方向)に揃えてから90度パルスで倒す(x方向を向ける)。そうするとxy平面内でぐるぐる歳差運動するんですが、周囲の相互作用の微妙な違いで歳差運動の周期が微妙に異なるためスピンの集団はだんだん位相がずれてくる。しばらく経ってから今度は180度パルスで回転方向を180度反転させると、同じ時間だけ経過するとちょうど全スピンが元の方向(x方向)にぴったり揃う、というものです。相互作用の違いによる周期の違いが、行きと帰りで同じ量のためキャンセルアウトされるわけです。NMRの測定などで使うことがあります。スピンエコーはエントロピーとの絡みでも面白かったりします(ばらばらな、エントロピーの高い状態になったスピン集団が自発的に元の揃った低エントロピー状態になると見なせるため)。
スピンの場合は偶然です。自転運動を量子化したわけではないので。何せ粒子のサイズをゼロとしてるので、古典的には自転の角運動量はゼロにならないといけません。
実際、プランク定数hをゼロに持って行く古典極限ではスピンの角運動量はゼロになります。スピンの場合は量子数の上限が決まってしまっているんでどうやっても角運動量はゼロになってしまう。
一方、軌道角運動量の方は量子数の高い方に限界がないので(主量子数も一緒に上げる必要がありますが)、hを小さくしていっても、それ相応に軌道角運動量の量子数を大きくしていけば有限の角運動量が実現できます。だから軌道運動の角運動量は古典力学でも存在できます。
>スピンの場合は偶然です。
一致してないのに、それが偶然なの?
自転に「似た性質がある」のが偶然です。#一致してるなら偶然ではなくそれ相応の理由がある必然。
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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い
精密なレーザーってどんなもの? (スコア:0)
Re: (スコア:2, 参考になる)
>電磁場つまり電子のゆらぎじゃないの?
電磁場は光子。電子の揺らぎではない。
(電子を揺することも出来るけど)
今回の実験は、レーザーは分子をある特定の量子状態にセッティングするのと、最終段階での状態検出(確か)に使われてる。
YbFの全スピン(核スピン+電子スピン)をレーザーである特定の状態にして、そこに電場/磁場を加えることでスピンの歳差運動を引き起こす。
もし電子が分極を持てば、その歳差運動が影響を受けて、回転周期が分極がないとした場合の理論値からずれる。それを検出しようとしたけど、統計的に有意なズレは無かった=その測定精度の範囲内では分極がない、ということがわかったという話。
Re: (スコア:0)
Re:精密なレーザーってどんなもの? (スコア:1, 参考になる)
>歳差運動すら起こすようなものなんだ…。
離散的なことを除けば、古典的な自転に凄くよく似てます。
スピンの3軸(x,y,z)のうち決まった値をとれるのは1軸だけなので(1つを決めると残りには不確定性が効く)、z成分を固定してしまうと、x成分とy成分は混合状態を取ります。で、その混ざり方が時間とともに変化するのが古典で言う歳差運動に相当します(z軸成分が固定で、xy平面内で成分が変動する)。(x,y)成分が(sin(ωt),cos(ωt))と書けるような感じで。
関連して、スピンエコーという現象があってみたり。沢山あるスピンを一方向(z方向)に揃えてから90度パルスで倒す(x方向を向ける)。そうするとxy平面内でぐるぐる歳差運動するんですが、周囲の相互作用の微妙な違いで歳差運動の周期が微妙に異なるためスピンの集団はだんだん位相がずれてくる。
しばらく経ってから今度は180度パルスで回転方向を180度反転させると、同じ時間だけ経過するとちょうど全スピンが元の方向(x方向)にぴったり揃う、というものです。相互作用の違いによる周期の違いが、行きと帰りで同じ量のためキャンセルアウトされるわけです。NMRの測定などで使うことがあります。
スピンエコーはエントロピーとの絡みでも面白かったりします(ばらばらな、エントロピーの高い状態になったスピン集団が自発的に元の揃った低エントロピー状態になると見なせるため)。
Re: (スコア:0)
大学の教養での量子力学は古典力学の量子化という形で習ったわけだが、これってたまたま一致するわけ?
それとも何か深淵な理由があったりするの?
Re: (スコア:0)
スピンの場合は偶然です。自転運動を量子化したわけではないので。
何せ粒子のサイズをゼロとしてるので、古典的には自転の角運動量はゼロにならないといけません。
実際、プランク定数hをゼロに持って行く古典極限ではスピンの角運動量はゼロになります。スピンの場合は量子数の上限が決まってしまっているんでどうやっても角運動量はゼロになってしまう。
一方、軌道角運動量の方は量子数の高い方に限界がないので(主量子数も一緒に上げる必要がありますが)、hを小さくしていっても、それ相応に軌道角運動量の量子数を大きくしていけば有限の角運動量が実現できます。だから軌道運動の角運動量は古典力学でも存在できます。
Re: (スコア:0)
>スピンの場合は偶然です。
一致してないのに、それが偶然なの?
Re: (スコア:0)
自転に「似た性質がある」のが偶然です。
#一致してるなら偶然ではなくそれ相応の理由がある必然。