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>事件によっては取調べが 40 日間を超える場合もあり、>単純計算で 1 日 2 時間なら 80 時間を超える (1 日 2 回の場合もある) 。
「元来訴訟上の証明は自然科学者の用いるような実験に基づくいわゆる論理的証明ではなく、いわゆる歴史的証明である。論理的証明は真実そのものを目標とするに対し、歴史的証明は真実の高度な蓋然性をもって満足する。言いかえれば通常人なら誰でも疑いを差し挟まない程度に真実らしいとの確信を得ることで証明ができたとする」昭和23年8月5日最高裁判所第一小法廷
と最高裁判所が述べているように、捜査機関は、法律上も、職務上も「有罪を立証する」ことが求められているのだから、それに従って最適化されたテクニックを使う。たとえば、2時間にわたる同じ質問の順列を別の警官に繰り返させる。被疑者が少しでも言い回しを変えれば、怒声を浴びせ、その理由を執拗に問い詰める。その質問内容が重要であるかないかにかかわらず、同じ手順を繰り返せば、まじめな被疑者は一生懸命弁解しようとし、普通の被疑者は、相手の(みかけ上の)理解力の無さにいらだつだろう。これを2週間にわたって繰り返せば、被疑者を精神的に追い詰めるのには十分だ。被疑者が一生懸命弁解しようとすればするほど、ついに無駄だと分かったときには、それが事実であるか否かにかかわらず、捜査機関にとって都合の良い説明をしてしまいたいという誘惑にかられてしまうだろう。
これは警察の仕事としては極端に大声をだしたり、被疑者を傷つけない限り、法律の範囲内であり、法律の範囲内で彼らの職務を最適に遂行するならば、当然発生するテクニックだろう。しかし、このテクニックは、取調室では行えるが、法廷では当然行えないだろう。なぜならば、「犯罪事実を立証」(法律家の言葉でね)するには最適な方法が、真実を明らかにするためには不適当な方法であるからだ。
問題はそうやって強引に引き出された証言と、合理的な尋問によって引き出された尋問を同じ重みで評価したり、場合によっては警察署の取調室での証言を法廷での証言以上に重視してしまったりすることにある。取調べ手法によって調書の信頼性や証拠としての重みは修正されるべきだが、実際にそんなことはなされない。
法律の範囲外の取調べも問題だが、法律の範囲内の取調べでも、刑事捜査から刑事訴訟手続きの中で情報を正しい重みで評価していないという問題が顕在化する可能性が高い。
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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall
違法な取調べ以外の不合理な訴訟手続き (スコア:3, 興味深い)
>事件によっては取調べが 40 日間を超える場合もあり、
>単純計算で 1 日 2 時間なら 80 時間を超える (1 日 2 回の場合もある) 。
「元来訴訟上の証明は自然科学者の用いるような実験に基づくいわゆる論理的証明ではなく、いわゆる歴史的証明である。論理的証明は真実そのものを目標とするに対し、歴史的証明は真実の高度な蓋然性をもって満足する。言いかえれば通常人なら誰でも疑いを差し挟まない程度に真実らしいとの確信を得ることで証明ができたとする」
昭和23年8月5日最高裁判所第一小法廷
と最高裁判所が述べているように、捜査機関は、法律上も、職務上も「有罪を立証する」ことが求められているのだから、それに従って最適化されたテクニックを使う。たとえば、2時間にわたる同じ質問の順列を別の警官に繰り返させる。被疑者が少しでも言い回しを変えれば、怒声を浴びせ、その理由を執拗に問い詰める。その質問内容が重要であるかないかにかかわらず、同じ手順を繰り返せば、まじめな被疑者は一生懸命弁解しようとし、普通の被疑者は、相手の(みかけ上の)理解力の無さにいらだつだろう。これを2週間にわたって繰り返せば、被疑者を精神的に追い詰めるのには十分だ。被疑者が一生懸命弁解しようとすればするほど、ついに無駄だと分かったときには、それが事実であるか否かにかかわらず、捜査機関にとって都合の良い説明をしてしまいたいという誘惑にかられてしまうだろう。
これは警察の仕事としては極端に大声をだしたり、被疑者を傷つけない限り、法律の範囲内であり、法律の範囲内で彼らの職務を最適に遂行するならば、当然発生するテクニックだろう。しかし、このテクニックは、取調室では行えるが、法廷では当然行えないだろう。なぜならば、「犯罪事実を立証」(法律家の言葉でね)するには最適な方法が、真実を明らかにするためには不適当な方法であるからだ。
問題はそうやって強引に引き出された証言と、合理的な尋問によって引き出された尋問を同じ重みで評価したり、場合によっては警察署の取調室での証言を法廷での証言以上に重視してしまったりすることにある。取調べ手法によって調書の信頼性や証拠としての重みは修正されるべきだが、実際にそんなことはなされない。
法律の範囲外の取調べも問題だが、法律の範囲内の取調べでも、刑事捜査から刑事訴訟手続きの中で情報を正しい重みで評価していないという問題が顕在化する可能性が高い。