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>相当な速度で直撃すれば、握り拳大の隕石でも破壊力抜群じゃないかと想像するわけですが。
こぶし大の隕石は,相当な速度では直撃できません.というのも,小さくなるほど空気抵抗の影響が大きくなり(運動量は質量=半径の3乗で減少するのに対し,空気抵抗は大ざっぱに断面積=半径の2乗でしか減少しないため),急速に減速してしまうためです.そのため,ある程度の速度で衝突するにはそこそこの大きさが必要となります.
どの程度のサイズなら十分な速度(クレーターが出来るような速度)で落下出来るか,というのはモデル計算があって,鉄隕石などの稠密な隕石の場合だと,大雑把に言って106kg(1000トン,直径だと3から10m程度)のオーダー以上になってくると上空でバラバラにはならずに落ちてきて被害をもたらす(事がある),とされています(*).ちなみにこのサイズの隕石が落ちてくる頻度は,確か10年に一度から100年に一度程度とだったと思います.で,重さが10倍になるごとに落ちてくる頻度は1/5-1/10程度に下がります.なお,このサイズなら落ちてきて大きな被害を「起こすことがある」であって,落下時の速度や角度によって実際に地上までたどり着けるかどうかは変わるそうです.(つまり,このサイズだけど地上にはほとんど被害が出ないものも沢山ある)
このクラスの隕石(1000-数千トン)が想定される最高の速度で落ちてくると,駆逐艦みたいなもんが秒速数km(マッハ10以上とかそういうレベル)とかで落ちてくるようなもんなんで,防御なんぞはまあ無理でしょう.数十年に一度以下のイベントで,しかも地球のどこか(都市など重要な地点が占める面積はこのうちごくわずか)に適当に落ちるんだから,そこまで気にして施設は建てられん,ってことで.
*ただし,エジプトのカーミルクレーター(45m径)から見つかった隕石はこのリミットの数十分の一のサイズであり,時々はもっと小さい隕石でも落ちてきて被害を出す可能性はある模様(cf. Science, 329, 804 (2010))
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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー
どこまで想定しておくのが正解なのでしょうか (スコア:0)
相当な速度で直撃すれば、握り拳大の隕石でも破壊力抜群じゃないかと想像するわけですが。
Re:どこまで想定しておくのが正解なのでしょうか (スコア:3, 参考になる)
>相当な速度で直撃すれば、握り拳大の隕石でも破壊力抜群じゃないかと想像するわけですが。
こぶし大の隕石は,相当な速度では直撃できません.というのも,小さくなるほど空気抵抗の影響が大きくなり(運動量は質量=半径の3乗で減少するのに対し,空気抵抗は大ざっぱに断面積=半径の2乗でしか減少しないため),急速に減速してしまうためです.そのため,ある程度の速度で衝突するにはそこそこの大きさが必要となります.
どの程度のサイズなら十分な速度(クレーターが出来るような速度)で落下出来るか,というのはモデル計算があって,鉄隕石などの稠密な隕石の場合だと,大雑把に言って106kg(1000トン,直径だと3から10m程度)のオーダー以上になってくると上空でバラバラにはならずに落ちてきて被害をもたらす(事がある),とされています(*).ちなみにこのサイズの隕石が落ちてくる頻度は,確か10年に一度から100年に一度程度とだったと思います.で,重さが10倍になるごとに落ちてくる頻度は1/5-1/10程度に下がります.
なお,このサイズなら落ちてきて大きな被害を「起こすことがある」であって,落下時の速度や角度によって実際に地上までたどり着けるかどうかは変わるそうです.
(つまり,このサイズだけど地上にはほとんど被害が出ないものも沢山ある)
このクラスの隕石(1000-数千トン)が想定される最高の速度で落ちてくると,駆逐艦みたいなもんが秒速数km(マッハ10以上とかそういうレベル)とかで落ちてくるようなもんなんで,防御なんぞはまあ無理でしょう.数十年に一度以下のイベントで,しかも地球のどこか(都市など重要な地点が占める面積はこのうちごくわずか)に適当に落ちるんだから,そこまで気にして施設は建てられん,ってことで.
*ただし,エジプトのカーミルクレーター(45m径)から見つかった隕石はこのリミットの数十分の一のサイズであり,時々はもっと小さい隕石でも落ちてきて被害を出す可能性はある模様(cf. Science, 329, 804 (2010))