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はやぶさの時は、姿勢制御の方が使えなくて、主エンジンのイオンエンジンを使って、燃料のキセノンガスを中和器から噴出して姿勢制御に使った。 もっとも、エンジンの種類は違うみたいだけど...
「交信途絶・帰還」の前後を参照 [wikipedia.org]
まあ,そういうことですね。ただし,もしイトカワに到着前に姿勢制御エンジンが壊れていたら,はやぶさもほぼ絶望だったと思いますよ。イオンエンジンでは着陸はできない。そういう意味ではあかつきははやぶさより状況は大変悪い。
スーパーローテーションの解明は難しくなってしまうかもしれません。
惑星軌道の投入は一発勝負なので,去年の失敗が全て。曲がりなりにも軌道に入っていたら,リカバリーできたんですけどね。次の打ち上げでがんばってほしいです。このまま行くと惑星探査も中国に超されそう。
主目的だったスーパーローテーションの観測に最適な軌道への投入が出来なくなっただけ。確かに痛手だけど、他の観測が出来なくなるわけじゃない。
逆に30時間軌道に縛られなくなったので、他の観測の成果を最大化できるように、投入軌道を練り直している段階。軌道周期が長い長楕円軌道にはなるけど、近金点高度は現段階でも自由度があるようだ。遠地点高度を下げるために金星大気によるエアロブレーキも検討にあがっているっぽい。(優先度は低いようだが。)
とはいえ、やはり観測機器の劣化や、太陽に近い軌道を4年間回ることによる熱防御系のダメージは心配。
「主目的が果たせなくなっただけ」だから問題ない。みたいな文のつながりにものすごい違和感を感じる。
主目的が「出来る」「出来なくなった」のディジタルで考えるとややこしくなるよ。主目的の観測にキツめの制約ができた、というのが正しい。全く出来なくなるわけではない。そして、主目的以外の観測へ最適化する余地もできた。
もともとの投入軌道は金星の赤道面に近い浅い傾斜角で30時間周期の楕円軌道。このうち遠金点側の20時間は金星大気の同じ面をずっと観測できるため、主目的であるスーパーローテーションの観測に当てる予定だった。
これがたとえば100時間の軌道になると、金星大気の同じ面を観測できる時間はかなり短くなる。金星大気が流れる速度のほうが早くなるからね。だけど全く観測できるわけではない。数時間程度は観測できる。
そのほかに、たとえばより傾斜角をつけた軌道や極軌道への投入も検討されている。観測場所は高緯度や極付近に限られるけど、より長い期間同じ金星大気を追えるからね。だけど、傾斜・極軌道だと太陽による摂動の影響を受けて、軌道寿命が大幅に短くなるらしい。そのあたりはバーター。
スーパーローテーション以外の観測は、軌道変更による変更を受けたり受けなかったりまちまち。金星に近い位置で撮影する観測や、金星大気を横から撮影する観測では、軌道周期が長くなると観測頻度が低下するが、軌道速度が遅いので観測精度は上がるかもしれない。また、近金点高度の自由度はあるようなので、当初予定より近い位置から高い分解能の観測が出来るかもしれない。
それから、新たな軌道を取ることで初めて実施可能な観測もあるかもしれない。たとえば、金星に軌道投入できなかったあかつきが太陽の裏側へ回ったときに、もともとは金星大気を電波掩蔽観測するためのUSO(超高安定発信機)を使って太陽コロナを観測してたりした。(世界初とのこと)これと同じようなことが今後もあるかもしれない。
なので、もともと予定していた観測を100とすると60~70の観測は達成できると思うし、予定していなかった新たな観測が出来るかもしれない。あまり否定的になる必要は無いと思う。
はやぶさは主目的を果たしましたからね。もうあかつきは部分的な成功しかのぞめない。そういう意味では残念ながら主目的が果たせなかったあかつきとは天と地ほど違う。
もっとも主目的が果たせなくても大発見する可能性はあるわけで,ぜひがんばってほしいですね。
主目的というからには、他の目的があるわけだ。その他の目的が数あったり、主目的と比肩するほどであればそれらから新たな主目的を持つことになり、それに価値があれば、価値があるモノとして存在することで、存在を無意味とするか?という命題には「問題ない」ということではないかな?
残念ながら今回は圧倒的に推進力不足遠地点(遠金点)が非常に高い楕円軌道への投入となり、観測機会がかなり限定されるみたいですね観測機器の劣化も考慮すると果たして科学的に有意義な観測を出来るのか・出来ないのか...........いずれにせよ出来るところまでやって結果を出せなければ次の惑星観測衛星の計画を進めるわけにもいかず、関係者は生殺し状態なのかな?
今回の決定で観測したかった観測が最低10年くらいできないことになったわけで,あかつき2(やるべきだと思いますが)でスーパーローテーションの解明をめざすにしても,もう定年だ-って涙をのんだ人もいるでしょうね。
いっそうのこと金星に落っこちた方が(略)
>>いっそうのこと金星に落っこちた方が(略)
大きな声では言えないが、衛星の運用担当の中にはたぶん内心そう思っている人も……きっちり故障解析も出来て今後の開発に役立つ教訓も得られたのだから、先が見えない状態が続くよりは……金星観測を待ち望んでいた研究者の人はなんとか無事でいてくれと祈るような気持ちでしょうがしかし、はやぶさはあれだけ長期間にわたって良くがんばったものですねはやぶさの先例があるからこそ簡単にギブアップすることが許されないのは痛し痒しでしょう
遠地点(遠金点)が非常に高い楕円軌道への投入となり
桜吹雪が目に浮かんだ
はやぶさはですね,建前は工学実証探査機なんですよ,ですから全てのプロセス自体がそれぞれ目的でもあるんです。(イオンエンジン・岩石採取機構・微少重力体への自立ランデブー飛行,大気圏突入など)
ところが,あかつきは理学探査機に重きを置いています。すでに「のぞみ」や「はやぶさ」で実証した(途中までしかできなかったけど)設計をもとに,手堅く設計したはずだったんです。
それがのぞみと似たような理由で(主な理由が地球でのスイングバイ失敗と惑星軌道投入失敗,それぞれタイミング命であり弁の不具合が原因も同じ)失敗したのですよ。(もちろん詳細な理由は全然違うというかのぞみの失敗を考慮に入れた設計)
惑星探査はむずかしいですね。アメリカや旧ソ連の偉大さが分かります。
はやぶさもあかつきも同じ「宇宙探査機」ですよ。ただ、工学・理学の比重が少し異なるだけで。
なので、はやぶさ=成功、あかつき=失敗と括られると非常に違和感があります。
はやぶさだって、姿勢制御用のRWが1個壊れた時点で高精細な光学観測がかなり制約されました。そのためイトカワの近傍観測では理学的成果は減っています。また、当初予定していたサンプル採取方法が失敗したせいで、サンプルの大きさや量が大幅に減っていますし、地形の異なる2地点でサンプル採取する予定だったのが1地点に減少しています。これも理学的成果からすると、大幅な減点です。
なので、現時点であかつきだけ失敗扱いされるのは非常に違和感があります。プロジェクト採点方法のあやなのでしょうが。
こういう議論になるのは良くも悪くも技術実証と科学観測をチャンポンにして工学系と理学系の人が共同で一つの衛星を作り上げるからこれからは観測機器のプラットフォームとなる標準化した衛星の筐体・バスと、個別に理学系の人が作る観測機器の組み合わせで、両者の責任分担をはっきりさせる方向に行くんでしょうロケットや推進系のトラブルにより、長期間にわたって所望の科学観測が出来るか出来ないか分からない宙ぶらりんの状態が続くのは理学系の人にとってはとても困るのでは?観測機器のトラブルは自己責任で諦めるしかないが、ロケット・推進系のトラブルに関してはすみやかな代替機を望んでいるでしょうイプシロンと今後の小型衛星は基本的にはそういう方向では?#工学系と理学系の協力の伝統うんぬんという話もあるかもしれないが、衛星の数を増やして打ち上げるには..................
一般論としては,理学が新しい現象を発見して工学が応用・実用化するんですが,宇宙開発が特殊なのは,工学の上に理学が乗っかるんですよね。工学が衛星を開発して初めて理学がしたい観測ができる。
ところが,日本の予算規模だと,まじめに工学の実験・実証をめざすといつまでもたっても理学の順番が回ってきません(涙)ですから工学と理学が一緒になるしかないんです。
本来は,工学系の人は試験機を飛ばして実績のある探査機を理学側に提供したいだろうし,(工学は実用化してなんぼ)理学系の人は本当は枯れた探査機がほしいはず。(枯れた探査機なんてあんまりないだろうけど)
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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである
はやぶさの逆パターンですね (スコア:5, 参考になる)
はやぶさの時は、姿勢制御の方が使えなくて、主エンジンのイオンエンジンを使って、燃料のキセノンガスを中和器から噴出して姿勢制御に使った。
もっとも、エンジンの種類は違うみたいだけど...
「交信途絶・帰還」の前後を参照 [wikipedia.org]
Re: (スコア:0)
まあ,そういうことですね。
ただし,もしイトカワに到着前に姿勢制御エンジンが壊れていたら,はやぶさもほぼ絶望だったと思いますよ。
イオンエンジンでは着陸はできない。
そういう意味ではあかつきははやぶさより状況は大変悪い。
スーパーローテーションの解明は難しくなってしまうかもしれません。
惑星軌道の投入は一発勝負なので,去年の失敗が全て。
曲がりなりにも軌道に入っていたら,リカバリーできたんですけどね。
次の打ち上げでがんばってほしいです。
このまま行くと惑星探査も中国に超されそう。
Re: (スコア:0)
主目的だったスーパーローテーションの観測に最適な軌道への投入が出来なくなっただけ。
確かに痛手だけど、他の観測が出来なくなるわけじゃない。
逆に30時間軌道に縛られなくなったので、他の観測の成果を最大化できるように、投入軌道を練り直している段階。
軌道周期が長い長楕円軌道にはなるけど、近金点高度は現段階でも自由度があるようだ。
遠地点高度を下げるために金星大気によるエアロブレーキも検討にあがっているっぽい。(優先度は低いようだが。)
とはいえ、やはり観測機器の劣化や、太陽に近い軌道を4年間回ることによる熱防御系のダメージは心配。
Re: (スコア:0)
「主目的が果たせなくなっただけ」
だから問題ない。みたいな文のつながりにものすごい違和感を感じる。
Re:はやぶさの逆パターンですね (スコア:5, 参考になる)
主目的が「出来る」「出来なくなった」のディジタルで考えるとややこしくなるよ。
主目的の観測にキツめの制約ができた、というのが正しい。全く出来なくなるわけではない。
そして、主目的以外の観測へ最適化する余地もできた。
もともとの投入軌道は金星の赤道面に近い浅い傾斜角で30時間周期の楕円軌道。
このうち遠金点側の20時間は金星大気の同じ面をずっと観測できるため、主目的であるスーパーローテーションの観測に当てる予定だった。
これがたとえば100時間の軌道になると、金星大気の同じ面を観測できる時間はかなり短くなる。金星大気が流れる速度のほうが早くなるからね。
だけど全く観測できるわけではない。数時間程度は観測できる。
そのほかに、たとえばより傾斜角をつけた軌道や極軌道への投入も検討されている。
観測場所は高緯度や極付近に限られるけど、より長い期間同じ金星大気を追えるからね。
だけど、傾斜・極軌道だと太陽による摂動の影響を受けて、軌道寿命が大幅に短くなるらしい。そのあたりはバーター。
スーパーローテーション以外の観測は、軌道変更による変更を受けたり受けなかったりまちまち。
金星に近い位置で撮影する観測や、金星大気を横から撮影する観測では、軌道周期が長くなると観測頻度が低下するが、軌道速度が遅いので観測精度は上がるかもしれない。
また、近金点高度の自由度はあるようなので、当初予定より近い位置から高い分解能の観測が出来るかもしれない。
それから、新たな軌道を取ることで初めて実施可能な観測もあるかもしれない。
たとえば、金星に軌道投入できなかったあかつきが太陽の裏側へ回ったときに、もともとは金星大気を電波掩蔽観測するためのUSO(超高安定発信機)を使って太陽コロナを観測してたりした。(世界初とのこと)
これと同じようなことが今後もあるかもしれない。
なので、もともと予定していた観測を100とすると60~70の観測は達成できると思うし、予定していなかった新たな観測が出来るかもしれない。
あまり否定的になる必要は無いと思う。
Re: (スコア:0)
はやぶさは主目的を果たしましたからね。
もうあかつきは部分的な成功しかのぞめない。
そういう意味では残念ながら主目的が果たせなかったあかつきとは天と地ほど違う。
もっとも主目的が果たせなくても大発見する可能性はあるわけで,
ぜひがんばってほしいですね。
Re: (スコア:0)
主目的というからには、他の目的があるわけだ。
その他の目的が数あったり、主目的と比肩するほどであれば
それらから新たな主目的を持つことになり、それに価値があ
れば、価値があるモノとして存在することで、存在を無意味
とするか?という命題には「問題ない」ということではないかな?
Re: (スコア:0)
残念ながら今回は圧倒的に推進力不足
遠地点(遠金点)が非常に高い楕円軌道への投入となり、観測機会がかなり限定されるみたいですね
観測機器の劣化も考慮すると果たして科学的に有意義な観測を出来るのか・出来ないのか...........
いずれにせよ出来るところまでやって結果を出せなければ次の惑星観測衛星の計画を進めるわけにもいかず、関係者は生殺し状態なのかな?
Re: (スコア:0)
今回の決定で観測したかった観測が最低10年くらいできないことになったわけで,
あかつき2(やるべきだと思いますが)でスーパーローテーションの解明をめざすにしても,
もう定年だ-って涙をのんだ人もいるでしょうね。
いっそうのこと金星に落っこちた方が(略)
Re: (スコア:0)
>>いっそうのこと金星に落っこちた方が(略)
大きな声では言えないが、衛星の運用担当の中にはたぶん内心そう思っている人も……
きっちり故障解析も出来て今後の開発に役立つ教訓も得られたのだから、先が見えない状態が続くよりは……
金星観測を待ち望んでいた研究者の人はなんとか無事でいてくれと祈るような気持ちでしょうが
しかし、はやぶさはあれだけ長期間にわたって良くがんばったものですね
はやぶさの先例があるからこそ簡単にギブアップすることが許されないのは痛し痒しでしょう
Re: (スコア:0)
遠地点(遠金点)が非常に高い楕円軌道への投入となり
桜吹雪が目に浮かんだ
Re: (スコア:0)
はやぶさはですね,建前は工学実証探査機なんですよ,ですから全てのプロセス自体がそれぞれ目的でもあるんです。
(イオンエンジン・岩石採取機構・微少重力体への自立ランデブー飛行,大気圏突入など)
ところが,あかつきは理学探査機に重きを置いています。
すでに「のぞみ」や「はやぶさ」で実証した(途中までしかできなかったけど)設計をもとに,
手堅く設計したはずだったんです。
それがのぞみと似たような理由で
(主な理由が地球でのスイングバイ失敗と惑星軌道投入失敗,それぞれタイミング命であり弁の不具合が原因も同じ)
失敗したのですよ。(もちろん詳細な理由は全然違うというかのぞみの失敗を考慮に入れた設計)
惑星探査はむずかしいですね。
アメリカや旧ソ連の偉大さが分かります。
Re: (スコア:0)
はやぶさもあかつきも同じ「宇宙探査機」ですよ。
ただ、工学・理学の比重が少し異なるだけで。
なので、はやぶさ=成功、あかつき=失敗と括られると非常に違和感があります。
はやぶさだって、姿勢制御用のRWが1個壊れた時点で高精細な光学観測がかなり制約されました。そのためイトカワの近傍観測では理学的成果は減っています。
また、当初予定していたサンプル採取方法が失敗したせいで、サンプルの大きさや量が大幅に減っていますし、地形の異なる2地点でサンプル採取する予定だったのが1地点に減少しています。
これも理学的成果からすると、大幅な減点です。
なので、現時点であかつきだけ失敗扱いされるのは非常に違和感があります。
プロジェクト採点方法のあやなのでしょうが。
Re: (スコア:0)
こういう議論になるのは良くも悪くも技術実証と科学観測をチャンポンにして工学系と理学系の人が共同で一つの衛星を作り上げるから
これからは観測機器のプラットフォームとなる標準化した衛星の筐体・バスと、個別に理学系の人が作る観測機器の組み合わせで、両者の責任分担をはっきりさせる方向に行くんでしょう
ロケットや推進系のトラブルにより、長期間にわたって所望の科学観測が出来るか出来ないか分からない宙ぶらりんの状態が続くのは理学系の人にとってはとても困るのでは?
観測機器のトラブルは自己責任で諦めるしかないが、ロケット・推進系のトラブルに関してはすみやかな代替機を望んでいるでしょう
イプシロンと今後の小型衛星は基本的にはそういう方向では?
#工学系と理学系の協力の伝統うんぬんという話もあるかもしれないが、衛星の数を増やして打ち上げるには..................
Re: (スコア:0)
一般論としては,理学が新しい現象を発見して工学が応用・実用化するんですが,
宇宙開発が特殊なのは,工学の上に理学が乗っかるんですよね。
工学が衛星を開発して初めて理学がしたい観測ができる。
ところが,日本の予算規模だと,まじめに工学の実験・実証をめざすと
いつまでもたっても理学の順番が回ってきません(涙)
ですから工学と理学が一緒になるしかないんです。
本来は,工学系の人は試験機を飛ばして実績のある探査機を理学側に提供したいだろうし,(工学は実用化してなんぼ)
理学系の人は本当は枯れた探査機がほしいはず。(枯れた探査機なんてあんまりないだろうけど)