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仙台の高校生が抗菌物質の新製法を発見、専門誌に掲載」記事へのコメント

  • by Anonymous Coward on 2011年12月05日 19時08分 (#2061315)

    報道や東北大のプレスリリースを見ても、いまひとつ良く分からない
    「Ag2O3化合物は試薬メーカーの市販品は無く、その特性についての報告はほとんどない」ということだが、それは何故なのか?
    (見た目単純な化学式の特性が良く分かっているありふれた物質のように思えるのに)

    • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2011年12月05日 23時06分 (#2061471) 日記

      銀は通常0価もしくは+1価が安定で,+3価はなかなか出来ないんですよ.酸化銀(+1価)も通常の遷移金属酸化物に比べれば不安定で,熱すると分解して中性の銀になっちゃいますが,それに比べても格段に不安定.一部の錯体などでは配位子使って何とか安定に出来ますが,かなり例外的な酸化数です.
      +1価と混じった一酸化銀AgO(+1価と+3価からなる複合的な酸化物で,Ag+Ag3+O2とでも言うような化合物)はまあ作れて工業的に使われています.

      なお,+2価は多分もっと不安定で,普通は出来ないと思います.金も2価はほぼ存在しません(ごく特殊な,外界から隔離された固体中での反応とかで出来ることはありますが).銅はむしろ簡単に+2価になったりと,coin metal系列でも違いがあって面白いところです.

      逆に言えば,Ag3+は簡単に+1価(条件によっては0価)に戻るはずなんで,酸化力はかなり強いと思います.+3価から+1価への還元(この際に相手を酸化)でも殺菌できそうですし,できあがったAg+も酵素と結合したりで殺菌力もあるんで,まあ殺菌という面では強くても良いかなと.
      #論文でも,強い酸化力が殺菌作用に効いてるんだろう,と推測してます.

      論文読むと,Ag2O3は過塩素酸銀と過塩素酸ナトリウムの水溶液を電解すると出来る事が知られている,って書かれてますね.で,今回はこれらのかわりに硝酸銀使ったと.まあ過塩素酸銀で行くなら硝酸銀で出来てもおかしくはない気はします(イオンが反応途中に関わってる場合は出来ないこともあるんで,出来ると言い切れるわけではありませんが).「毒性の強い過塩素酸塩を使わなくていいから便利!」みたいなことも書いてありますが,硝酸イオンもそんなに褒められてものじゃないんでその点は微妙かなあ……

      過塩素酸塩を使う手法が既知じゃなかったら結構良い論文誌に載ったかも知れませんが,それが既知だったんでこのあたりの微妙な論文誌になるのはまあ仕方ないんですかねぇ.

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      既知の手法では作成が極めて困難だからでは無いでしょうか。
      市販品が無いと言うことは実験室レベルって事ですよね。
      よく知らないけど。

      • by Anonymous Coward

        普通に日経の記事に「合成が極めて難しかった」「性質もほとんど分かっていなかった」ってありますけど・・・(苦笑)

    • by Anonymous Coward

      既存の電気精錬法はあるが商業的規模の生産は困難、だから実用的用途に使えるはずもなく誰も詳しく性質を調べる人がいなかった(卵が先か、鶏が先かの関係) したがって試薬程度は作ろうと思えば作れただろうが、その需要が無かった

    • by Anonymous Coward
      化学式の見た目の単純さは、あまり判断基準にはならんでしょう。
      ありふれた物質かというと・・・そうでもないですしね。

      研究というものの性質上、最終的な目標があり、それぞれ段階において中途目標を置きます。
      その中に「Ag2O3を作るぞー!」というものがあれば、今回の件を待つまでもなく、早晩に発見・開発されていた可能性は高いでしょう。
      思うに、従来の手法じゃコストと手間がかかりすぎなんじゃないかなぁ・・・と。
      ざっと調べて、コストパフォーマンスに見るべきもの無し、と判断されたんじゃないでしょうかね。
      賢者の石クラスの特性でもありゃあ、そりゃ研究費も時間もバンバン注ぎ込めたでしょうけど。

      サンマ一匹焼くのに家一軒燃やしてりゃ、世話ないですね。
      その意味では、今回の発見は有意義なものと言えるでしょう。

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