アカウント名:
パスワード:
相対論 [srad.jp]に続き量子力学も見直しが必要になるとは、1900年代の初頭に相対論、量子力学が出た様な新しい物理学の発見を目の当たりにしているようで良いですね。
#光速越えはまだ検証中ですが。
>量子力学も見直しが必要になるとは
今回のお話は完全に(古典的な)量子論の範囲で展開されている話ですので,量子論の見直しには繋がりません.#Heisenbergの不確定性に関する,学部の講義などでの間違った解説の見直しは必要です.
今回の話を単純に説明すると,
1. 「不確定」をもたらす以下の二つの別の原因がある.
(a) 量子系には元々共役な物理量の間に不確定性がある.例えばx方向の位置と運動量が両方とも厳密に決まった状態というものはあり得ない.
(b) ある物理量を測定すると,系を乱すことによって共役な物理量の測定にばらつきを与える.位置を測定しようとする行為
これって量子系に対する観測は古典系との相互作用、というある意味極端条件に基づいた不確定性原理が、観測対象と観測する系両方を量子系と取り扱うと不確定の範囲に修正が入った、ということでしょうか?
済みません、よく解ってなくて。
以下,単純のために位置と(それと共役な)運動量で話をします.元々のHeisenbergの主張は,
・位置を精密に測定しようとすればするほど,運動量を大きく乱す測定手法となってしまう.だから位置と運動量の不確定性の積はある値より小さくできない
というものです.つまり,元々の位置と運動量がきっちり決まっていようがなんだろうが,測定でかき乱されるから,両者を同時にきっちり決めるのは無理だ,という主張です.
さて,これとは別に,量子論そのものに由来する不確定性があります.つまり,
・位置と運動量はそもそも測定と関係なくある程度の不確定性を持っており,その不確定性の積はh/4πより常に大きい.
これは量子論が波の力学に近いところに由来します.例えば位置の決まった波というのはデルタ関数になりますが,これは数学的には無限個の波長の異なるサイン波の重ね合わせになります.波長は運動量に関連していますので,デルタ関数状の波というのは様々な運動量の重ね合わせ=運動量の不確定性が大きい,とならざるを得ないわけです.
簡単にまとめますと,
Heisenbergが考えた不確定性:主に観測により系が乱される効果.測定に由来する不確定性.
量子力学の本質から来る不確定性:そもそも共役な物理量は同時に決められない.測定する前から存在する不確定性.
という二つが存在します.当たり前ですが,この二つは別なものです.別なものですが,まあいろいろと歴史的な流れもあり,その区別があまり意識されないまま量子論が一気に発展してしまいました.で,両者がごちゃごちゃに使われている,と.(「測定」のセッティングによっては,両者を混同しやすいそれなりに正当な理由もあるので,まあごっちゃになることもあるのです)
で,この「系が元々持っている不確定性」と「観測により系が乱される効果」という二つをちゃんと区別して,両方の効果を合わせると最終的な観測結果としてどういう不確定性が出てくるのかを考えようじゃないか,と定式化したのが小澤先生です.系は元々量子論的な不確定性を持っています.それがさらに測定によって乱され,最終的に我々が測定結果を得られるわけで,ちゃんと両者の効果を入れましょうよ,と.つまり,
測定前の系(量子論的な不確定性) → さらに観測による擾乱(Heisenbergが主に考えていた効果) → 最終的な観測結果(さて,どうなる?)
というものになります.
神が振っていたダイスは実は6面ではなく4面だったんだよ!!くらいの認識でいいですか?
6面のダイスの運動と出目は別だから、出目の方に不確定性を押し込めば、ダイスの運動を確定させる事が出来るって事。
「この料理が不味いのは、安物の食材とお前の腕の両方が原因だ」って感じで?
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
最初のバージョンは常に打ち捨てられる。
2000年代の物理学 (スコア:1)
相対論 [srad.jp]に続き量子力学も見直しが必要になるとは、
1900年代の初頭に相対論、量子力学が出た様な
新しい物理学の発見を目の当たりにしているようで良いですね。
#光速越えはまだ検証中ですが。
Re: (スコア:5, 参考になる)
>量子力学も見直しが必要になるとは
今回のお話は完全に(古典的な)量子論の範囲で展開されている話ですので,量子論の見直しには繋がりません.
#Heisenbergの不確定性に関する,学部の講義などでの間違った解説の見直しは必要です.
今回の話を単純に説明すると,
1. 「不確定」をもたらす以下の二つの別の原因がある.
(a) 量子系には元々共役な物理量の間に不確定性がある.例えばx方向の位置と運動量が両方とも厳密に決まった状態というものはあり得ない.
(b) ある物理量を測定すると,系を乱すことによって共役な物理量の測定にばらつきを与える.位置を測定しようとする行為
Re: (スコア:0)
これって量子系に対する観測は古典系との相互作用、というある意味極端条件に基づいた不確定性原理が、観測対象と観測する系両方を量子系と取り扱うと不確定の範囲に修正が入った、ということでしょうか?
済みません、よく解ってなくて。
Re:2000年代の物理学 (スコア:3, 参考になる)
以下,単純のために位置と(それと共役な)運動量で話をします.
元々のHeisenbergの主張は,
・位置を精密に測定しようとすればするほど,運動量を大きく乱す測定手法となってしまう.だから位置と運動量の不確定性の積はある値より小さくできない
というものです.つまり,元々の位置と運動量がきっちり決まっていようがなんだろうが,測定でかき乱されるから,両者を同時にきっちり決めるのは無理だ,という主張です.
さて,これとは別に,量子論そのものに由来する不確定性があります.つまり,
・位置と運動量はそもそも測定と関係なくある程度の不確定性を持っており,その不確定性の積はh/4πより常に大きい.
これは量子論が波の力学に近いところに由来します.例えば位置の決まった波というのはデルタ関数になりますが,これは数学的には無限個の波長の異なるサイン波の重ね合わせになります.波長は運動量に関連していますので,デルタ関数状の波というのは様々な運動量の重ね合わせ=運動量の不確定性が大きい,とならざるを得ないわけです.
簡単にまとめますと,
Heisenbergが考えた不確定性:主に観測により系が乱される効果.測定に由来する不確定性.
量子力学の本質から来る不確定性:そもそも共役な物理量は同時に決められない.測定する前から存在する不確定性.
という二つが存在します.
当たり前ですが,この二つは別なものです.別なものですが,まあいろいろと歴史的な流れもあり,その区別があまり意識されないまま量子論が一気に発展してしまいました.で,両者がごちゃごちゃに使われている,と.
(「測定」のセッティングによっては,両者を混同しやすいそれなりに正当な理由もあるので,まあごっちゃになることもあるのです)
で,この「系が元々持っている不確定性」と「観測により系が乱される効果」という二つをちゃんと区別して,両方の効果を合わせると最終的な観測結果としてどういう不確定性が出てくるのかを考えようじゃないか,と定式化したのが小澤先生です.系は元々量子論的な不確定性を持っています.それがさらに測定によって乱され,最終的に我々が測定結果を得られるわけで,ちゃんと両者の効果を入れましょうよ,と.
つまり,
測定前の系(量子論的な不確定性) → さらに観測による擾乱(Heisenbergが主に考えていた効果) → 最終的な観測結果(さて,どうなる?)
というものになります.
Re: (スコア:0)
神が振っていたダイスは実は6面ではなく4面だったんだよ!!
くらいの認識でいいですか?
Re: (スコア:0)
6面のダイスの運動と出目は別だから、出目の方に不確定性を押し込めば、
ダイスの運動を確定させる事が出来るって事。
Re: (スコア:0)
「この料理が不味いのは、安物の食材とお前の腕の両方が原因だ」って感じで?