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科学技術面では陸蒸気と戦争の道具ぐらいしか見るべきものなかったですな。それが今は(略)100年後には、技術文明ももっと質的な変化を遂げてると思うよ。情報化社会とか言ったレベルじゃあなく。
>科学技術面では陸蒸気と戦争の道具ぐらいしか見るべきものなかったですな
「奇跡の年」が1905年.マクスウェルによる電磁気学の見事な定式化が行われ,初期量子論が勃興し,相対論が生まれ,ボルツマンによる統計・熱力学の微視的再解釈が行われ,無線通信が生まれ,X線が発見され,ハーバー・ボッシュ法により空気から無尽蔵の肥料が作られるようになり,原子核が発見され,石油化学工業が興り,放射性元素が単離され,ブラウン管が生み出され,飛行機が初めて空を飛び,宇宙線が確認され,同位体というものが発見され,条件反射が見出され,プレートテクトニクスの萌芽が生じた1900年前後を「見るべきものがなかった」とはなんたる暴言!#あの当時の科学界・技術界に居られたらとても面白かったんだろうなあという気が.
おっと忘れてた,日頃お世話になってる液体ヘリウムがオネスによって実現されたもこの時期(1908)ですね.でもってそれを使って超伝導という現象を初めて見つけたのもその頃(1911).その原型とも言えるリンデの空気液化機の開発が1895年頃なんで,いかに急速に発達した事か.真空断熱層をもつ2重ガラス瓶(いわゆるデュワー瓶)をデュワーが開発したのも1898とほぼ同時期.聴衆に液化した空気(だったか何かの気体)を見せるためのデモンストレーション用に発明.
調べてみたら,有機電子論の萌芽なんかもこの時期なんですね(1910年前後).「錯体」という考え方(ウェルナーの配位科学)も1900年のちょっと前.凄い時代だ.
「奇跡の年」は、その当時の人たち自身も「いまは奇跡の年(時代)だ」と思っていたのでしょうか。それとも、後世の人たちが振り返って、今の重要な技術の多くがあのころ芽が出はじめていた、と気付いたのでしょうか。
もしかしたら、100年後の人々は、2012年前後を振り返って、この頃にこの新たな技術の芽が出たんだけど当時の人はほとんど気付いてなかっただろうなあ、なんて思ったりするのでしょうか。
>その当時の人たち自身も「いまは奇跡の年(時代)だ」と思っていたのでしょうか。
1905年を「奇跡の年」と思っていたかというとそれは無いと思います.が,一方で19世紀末には古典論の破綻がいろいろ見えていた事,20世紀に入り様々な新たな実験事実や仮説・理論が出てきていた事から,「今の時代は変革期だ」という事自体はぼんやりと認識されていたのではないか,と思います.今後どの理論が現状を打破していくのかはわからない,でも何かが必要だ,というのは見えていましたので.
ただ,「物理として革新的な事が起きている」と言うところまでは気づいていたでしょうが,それが現在の様々な技術(半導体素子,レーザー,超高性能な各種分析技術,等)にまで発展するような,工学技術の基盤として多用される事になる,なんてことに気づいていた人はあまり居ないと思います.#「いつの日か実現するかも知れない」可能性(と言うか夢)としては挙げられたでしょうが.
>2012年前後を振り返って、この頃にこの新たな技術の芽が出たんだけど当時の人は>ほとんど気付いてなかっただろうなあ、なんて思ったりするのでしょうか。
あってもおかしくは無いと思います.素核なんかではようやっと標準模型の限界が議論出来るようになって次の理論がぶつかり合ってますし,生物方面ではかつては思いもよらなかったような複雑なシステムだという事が見えてきていたりします.物質物理や化学なんかでも,ナノ構造やトポロジーに依存した物性だとか,典型元素だけで貴金属的な触媒活性を出す系だとか,自在にナノ構造を組み上げる自己組織系だとか,いろいろ新しい概念も出てきています.こういった中(だとか,もっと思いも寄らない何か)から,想像を絶する発達を遂げる何かが出てもおかしくはないはず.
が,その中に本当に「当たり」があるのかどうかは誰一人知らないという.それがわかれば苦労しないで済むんですけどね.
「奇跡の年」は、その当時の人たち自身も「いまは奇跡の年(時代)だ」と思っていたのでしょうか。
ミッドナイト・イン・パリ?
タイムマシンで訪れた誰かが情報漏洩したんじゃないかと思うほど集中しているなあ。
J. J. トムソンによる電子の発見が1897年で、この電子の発見と下に書いた真空技術は1905年に起きた奇跡の発見の数々、およびその後にも続く多くの発見にかなり強く関係している技術・知識であった
電子の発見には高度(人力では無理)な真空技術が必要だった。この真空技術を支えたのが、産業革命を支えたエンジン技術でした。産業革命の時代は、科学が現代のようにある程度体系的に研究されるようになった頃でもあります
こうして見ると、1905年も歴史の必然のようにも見えます。少なくとも不連続ではなく、連続した発展だったと思いますね。このような時代に、当時を生きていた人はどのように考えたか?その連続性ゆえに何も気づかないまま過ぎていたかもしれません。(極頭の良い人は除く)
どういうアレゲな変化かを語ってこそスラドさて、諸兄はどうお考えだろうか。
と肝心の所を振るまでがスラド
放射線の正体がわかりつつ、量子力学が勃興するころで、計算しうる関数に思いをはせていたコンピュータ前夜、機械も飛行機が飛び出して、まさに現在の科学すべてが芽吹く直前ですな、1912年
その調子だと、機械学習や画像、テキストの認識などの知能処理が生活に普通に使われるようになって、2足歩行で結構燃費のいいロボットも動いていたら、ドラえもんも無理ではないな。肝心の道具はだめなものも多いだろうけど。
まず最初にして最大の難関は四次元ポケット
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1912年 (スコア:0)
科学技術面では陸蒸気と戦争の道具ぐらいしか見るべきものなかったですな。
それが今は(略)
100年後には、技術文明ももっと質的な変化を遂げてると思うよ。情報化社会とか言ったレベルじゃあなく。
Re:1912年 (スコア:5, 興味深い)
>科学技術面では陸蒸気と戦争の道具ぐらいしか見るべきものなかったですな
「奇跡の年」が1905年.
マクスウェルによる電磁気学の見事な定式化が行われ,初期量子論が勃興し,相対論が生まれ,ボルツマンによる統計・熱力学の微視的再解釈が行われ,無線通信が生まれ,X線が発見され,ハーバー・ボッシュ法により空気から無尽蔵の肥料が作られるようになり,原子核が発見され,石油化学工業が興り,放射性元素が単離され,ブラウン管が生み出され,飛行機が初めて空を飛び,宇宙線が確認され,同位体というものが発見され,条件反射が見出され,プレートテクトニクスの萌芽が生じた1900年前後を「見るべきものがなかった」とはなんたる暴言!
#あの当時の科学界・技術界に居られたらとても面白かったんだろうなあという気が.
Re:1912年 (スコア:3, 参考になる)
おっと忘れてた,日頃お世話になってる液体ヘリウムがオネスによって実現されたもこの時期(1908)ですね.でもってそれを使って超伝導という現象を初めて見つけたのもその頃(1911).
その原型とも言えるリンデの空気液化機の開発が1895年頃なんで,いかに急速に発達した事か.真空断熱層をもつ2重ガラス瓶(いわゆるデュワー瓶)をデュワーが開発したのも1898とほぼ同時期.聴衆に液化した空気(だったか何かの気体)を見せるためのデモンストレーション用に発明.
調べてみたら,有機電子論の萌芽なんかもこの時期なんですね(1910年前後).「錯体」という考え方(ウェルナーの配位科学)も1900年のちょっと前.凄い時代だ.
Re:1912年 (スコア:1)
「奇跡の年」は、その当時の人たち自身も「いまは奇跡の年(時代)だ」と思っていたのでしょうか。
それとも、後世の人たちが振り返って、今の重要な技術の多くがあのころ芽が出はじめていた、と気付いたのでしょうか。
もしかしたら、100年後の人々は、2012年前後を振り返って、この頃にこの新たな技術の芽が出たんだけど当時の人は
ほとんど気付いてなかっただろうなあ、なんて思ったりするのでしょうか。
Re:1912年 (スコア:4, 興味深い)
>その当時の人たち自身も「いまは奇跡の年(時代)だ」と思っていたのでしょうか。
1905年を「奇跡の年」と思っていたかというとそれは無いと思います.
が,一方で19世紀末には古典論の破綻がいろいろ見えていた事,20世紀に入り様々な新たな実験事実や仮説・理論が出てきていた事から,「今の時代は変革期だ」という事自体はぼんやりと認識されていたのではないか,と思います.
今後どの理論が現状を打破していくのかはわからない,でも何かが必要だ,というのは見えていましたので.
ただ,「物理として革新的な事が起きている」と言うところまでは気づいていたでしょうが,それが現在の様々な技術(半導体素子,レーザー,超高性能な各種分析技術,等)にまで発展するような,工学技術の基盤として多用される事になる,なんてことに気づいていた人はあまり居ないと思います.
#「いつの日か実現するかも知れない」可能性(と言うか夢)としては挙げられたでしょうが.
>2012年前後を振り返って、この頃にこの新たな技術の芽が出たんだけど当時の人は
>ほとんど気付いてなかっただろうなあ、なんて思ったりするのでしょうか。
あってもおかしくは無いと思います.
素核なんかではようやっと標準模型の限界が議論出来るようになって次の理論がぶつかり合ってますし,生物方面ではかつては思いもよらなかったような複雑なシステムだという事が見えてきていたりします.物質物理や化学なんかでも,ナノ構造やトポロジーに依存した物性だとか,典型元素だけで貴金属的な触媒活性を出す系だとか,自在にナノ構造を組み上げる自己組織系だとか,いろいろ新しい概念も出てきています.こういった中(だとか,もっと思いも寄らない何か)から,想像を絶する発達を遂げる何かが出てもおかしくはないはず.
が,その中に本当に「当たり」があるのかどうかは誰一人知らないという.
それがわかれば苦労しないで済むんですけどね.
Re: (スコア:0)
「奇跡の年」は、その当時の人たち自身も「いまは奇跡の年(時代)だ」と思っていたのでしょうか。
ミッドナイト・イン・パリ?
Re: (スコア:0)
タイムマシンで訪れた誰かが情報漏洩したんじゃないかと思うほど集中しているなあ。
Re:1912年 (スコア:4, 興味深い)
J. J. トムソンによる電子の発見が1897年で、この電子の発見と下に書いた真空技術は
1905年に起きた奇跡の発見の数々、およびその後にも続く多くの発見にかなり強く関係している技術・知識であった
電子の発見には高度(人力では無理)な真空技術が必要だった。
この真空技術を支えたのが、産業革命を支えたエンジン技術でした。
産業革命の時代は、科学が現代のようにある程度体系的に研究されるようになった頃でもあります
こうして見ると、1905年も歴史の必然のようにも見えます。
少なくとも不連続ではなく、連続した発展だったと思いますね。
このような時代に、当時を生きていた人はどのように考えたか?
その連続性ゆえに何も気づかないまま過ぎていたかもしれません。(極頭の良い人は除く)
Re:1912年 (スコア:1)
どういうアレゲな変化かを語ってこそスラド
さて、諸兄はどうお考えだろうか。
と肝心の所を振るまでがスラド
Re: (スコア:0)
放射線の正体がわかりつつ、量子力学が勃興するころで、
計算しうる関数に思いをはせていたコンピュータ前夜、
機械も飛行機が飛び出して、まさに現在の科学すべてが芽吹く
直前ですな、1912年
その調子だと、機械学習や画像、テキストの認識などの知能処理
が生活に普通に使われるようになって、2足歩行で結構燃費のいい
ロボットも動いていたら、ドラえもんも無理ではないな。
肝心の道具はだめなものも多いだろうけど。
Re: (スコア:0)
まず最初にして最大の難関は四次元ポケット