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【技術ではなく、発表に関するコメント】
KDDIが「Advanced MIMO」と言っている技術は、MU-MIMOそのものであり、LTE-Advancedの規格で決まっている(LTEから導入されている)通信方式で、KDDIが開発したものではない。今回KDDIが発表したのは、従来からあるAdvanced MIMO(=MU-MIMO)の性能を、実現可能なレベルで改善する技術である。個人的な意見としては、世間で注目されつつある5Gのキーポイントとなるようなレベルの技術ではない。
マスコミが「Advanced MIMO」という言葉に踊らされ、「KDDIがAdvanced MIMOを開発した」という明らかに間違った書き方をしてしまっている。うがった見方をすれば、マスコミがそのような捕らえ方をするように、わざわざ「Advanced MIMO」という言葉を持ち出したように見える。まぁ、それがマスコミ発表のコツといえばコツだが。。。
【技術的な解説】
# この解説はKDDIの発表と、LTE-Advancedの規格を見比べて、こういうことではないかと# 思ったことで、KDDIが開発した技術のポイントとは違っている可能性があります。
[従来技術1]LTEでは、2x2 MIMO、20MHzの帯域幅で最大150Mbpsの通信速度が実現できる。周波数利用効率で言うと150Mbps/20MHz=7.5bps/Hzである。これは、2本の送信アンテナを一人のユーザ宛のデータで占有するSU(Single User)-MIMOである。LTE-Advancedでは、基地局は最大8本の送信アンテナを持つが、端末側はサイズの関係で2本程度しか受信アンテナを持てないので、4人のユーザ向けに同時にデータを送信するMU(Multi-User)-MIMOが用いられる。この技術を使うと、一人当たりの最大周波数利用効率は7.5bps/HzでLTEと変わらないが、全体で見ると、7.5bps/Hz×4=30bps/Hzとなる。
[従来技術2]Downlink(基地局→端末)のMIMOの効率を上げるためには、基地局と端末の間の伝搬路の状態(CSI)を端末で測定して、基地局にフィードバックしてあげる方法(CSI feedback)がある。基地局は、このCSIを用いてアンテナの使い方を工夫することで各ユーザの端末を狙って信号を送信し、通信の効率を上げることができる。
[課題]LTE-Advancedの規格で決まっているCSI feedbackの方法はSU-MIMOに最適化されているため、MU-MIMOで使っても効率が悪く、4ユーザ合計で最大30bps/Hz出せるはずの周波数利用効率が、実際は1ユーザ分の7.5bps/Hz程度しか出せていなかった。
[解決策]KDDIでは、MU-MIMOの性能を発揮できるCSI feedbackの方法を提案している。従来、CSI feedbackを高性能化すると、制御情報が膨大になってしまって、実際に送りたいデータのためのリソースを圧迫してしまうが、画像・動画などで一般的に使われている圧縮方法で制御情報の量を削減している。
[効果]これによって、周波数利用効率が20bps/Hzに改善している。これは従来の2.66倍である。
とは言っても、30bps/Hzにはまだまだ程遠い。。。
3倍はサバ読みすぎ?まぁ、許容範囲?
ちなみに、この技術は、端末の実装だけでなく、CSI feedbackの規格を変える必要があり、KDDIではRel-13の規格に入れようとしているそうです。Rel-13に対応したiPhoneが発売されるのは、だいたい2018年ごろになりそうです。
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吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人
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【技術ではなく、発表に関するコメント】
KDDIが「Advanced MIMO」と言っている技術は、MU-MIMOそのものであり、
LTE-Advancedの規格で決まっている(LTEから導入されている)通信方式で、
KDDIが開発したものではない。
今回KDDIが発表したのは、従来からあるAdvanced MIMO(=MU-MIMO)の
性能を、実現可能なレベルで改善する技術である。
個人的な意見としては、世間で注目されつつある5Gのキーポイントとなるような
レベルの技術ではない。
マスコミが「Advanced MIMO」という言葉に踊らされ、「KDDIがAdvanced MIMOを
開発した」という明らかに間違った書き方をしてしまっている。
うがった見方をすれば、マスコミがそのような捕らえ方をするように、わざわざ
「Advanced MIMO」という言葉を持ち出したように見える。
まぁ、それがマスコミ発表のコツといえばコツだが。。。
【技術的な解説】
# この解説はKDDIの発表と、LTE-Advancedの規格を見比べて、こういうことではないかと
# 思ったことで、KDDIが開発した技術のポイントとは違っている可能性があります。
[従来技術1]
LTEでは、2x2 MIMO、20MHzの帯域幅で最大150Mbpsの通信速度が実現できる。
周波数利用効率で言うと150Mbps/20MHz=7.5bps/Hzである。
これは、2本の送信アンテナを一人のユーザ宛のデータで占有するSU(Single User)-MIMO
である。
LTE-Advancedでは、基地局は最大8本の送信アンテナを持つが、端末側はサイズの関係で
2本程度しか受信アンテナを持てないので、4人のユーザ向けに同時にデータを送信する
MU(Multi-User)-MIMOが用いられる。この技術を使うと、一人当たりの最大周波数利用効率は
7.5bps/HzでLTEと変わらないが、全体で見ると、7.5bps/Hz×4=30bps/Hzとなる。
[従来技術2]
Downlink(基地局→端末)のMIMOの効率を上げるためには、基地局と端末の
間の伝搬路の状態(CSI)を端末で測定して、基地局にフィードバックしてあげる方法
(CSI feedback)がある。基地局は、このCSIを用いてアンテナの使い方を工夫することで
各ユーザの端末を狙って信号を送信し、通信の効率を上げることができる。
[課題]
LTE-Advancedの規格で決まっているCSI feedbackの方法はSU-MIMOに最適化されているため、
MU-MIMOで使っても効率が悪く、4ユーザ合計で最大30bps/Hz出せるはずの周波数利用効率が、
実際は1ユーザ分の7.5bps/Hz程度しか出せていなかった。
[解決策]
KDDIでは、MU-MIMOの性能を発揮できるCSI feedbackの方法を提案している。従来、CSI feedbackを
高性能化すると、制御情報が膨大になってしまって、実際に送りたいデータのためのリソースを
圧迫してしまうが、画像・動画などで一般的に使われている圧縮方法で制御情報の量を削減して
いる。
[効果]
これによって、周波数利用効率が20bps/Hzに改善している。
これは従来の2.66倍である。
とは言っても、30bps/Hzにはまだまだ程遠い。。。
3倍はサバ読みすぎ?まぁ、許容範囲?
ちなみに、この技術は、端末の実装だけでなく、CSI feedbackの規格を変える必要があり、
KDDIではRel-13の規格に入れようとしているそうです。
Rel-13に対応したiPhoneが発売されるのは、だいたい2018年ごろになりそうです。