アカウント名:
パスワード:
タレこみのタイミングなので仕方ないことだと思いますが、
オバマ政権の医療保険制度改革(通称オバマケア)の一環として1日に開設した保険ポータルサイト
というタレこみ文の1日とは、10月1日のことです。
つまり、およそ1か月の間、アクセスしずらい・エラーが出るという状況が改善されていません。10月30日の公聴会で厚生大臣が「技術的な問題を11月末までに解決する方針」を示したくらい、後手に回っています。
なぜ混乱しているかというと、およそ以下の2点があげられます。・オバマケアにより、来年(2014年)1月から個人に保険加入が義務づけられ、3月末時点の無保険者には「罰金」を科される・オバマケアの開始後も、現在の任意保険加入者はそのまま加入し続けられるとされていたが、 オバマケアによって医療保険の「必須サービス」が既定されたため、保険料の増加や解約を迫られている
オバマケアにより、来年(2014年)1月から個人に保険加入が義務づけられ、3月末時点の無保険者には「罰金」を科されるオバマケアの開始後も、現在の任意保険加入者はそのまま加入し続けられるとされていたが、オバマケアによって医療保険の「必須サービス」が既定されたため、保険料の増加や解約を迫られている
ここいらへんについて、たとえば独身男性や高齢夫婦であっても妊娠治療の項目が必須だったりで、反対派のブログなどでは
オバマケアとは、人がレストランで、法律によりフルコースミールを注文しなければならないといっているのと同じだ。自分はちょっとしたト
妊娠・出産は病気よりは自由意志による選択の占める割合が多いので、それを踏まえて保険でカバーされるべき事なのか、という論点はあると思います。ただ、世界的にみて妊娠・出産をカバーしない保険制度は珍しいのではないかとt思います。日本でも国民健康保険の対象ですよね。
保険をレストランでの食事と対比するのは、保険の本質を見誤っていると思います。レストランでの食事と違い、将来必要になる医療費は一人ひとりについては前もっては分からないので、充分大きな母数をすることで医療費を予測可能なものにしよう、というのが保険の本質です。レストラン
保険をレストランでの食事と対比するのは、保険の本質を見誤っていると思います。レストランでの食事と違い、将来必要になる医療費は一人ひとりについては前もっては分からないので、充分大きな母数をすることで医療費を予測可能なものにしよう、というのが保険の本質です。レストランの食事にはこのような不確実性はありません。
もちろん、若者が将来子供を持つつもりになった時には妊娠治療を含むパッケージに切り替えるわけです。また、すでに子を増やすつもりはない高齢者夫婦にとっては明らかに不要であり、『子供を作らない』と決心した時点で妊娠治療を含まないパッケージに切り替える(あるいはオプションを解除する)事になります。その分妊娠治療オプションやそれを含むパッケージは割高になるわけですけれど、そこは「妊娠治療の保険料は妊娠治療オプションを選んだ人間たちが支払う」という考え方です。大げさに言えば、「子供を作るかどうかの自由意思」を連邦政府に無視されて税金同然に(罰則付きで)保険料を取り立てられる、という感じでしょうか。それを是と思うか非と思うかはそれこそ人それぞれなわけですが。
また、ACA(オバマケア)では日本の国民健康保険と異なり、保険の提供者は民間企業です。なので、既に病気になって医療費がかかると分かっている人を引き続き保険の適用対象にするためには、病気になっていない人も保険料を払ってもらわないと制度がなりたちません。国民健康保険で加入者が任意に脱退・加入ができるような状況を想定してもらえばわかると思います。
オバマケアはパッケージの最低限の基準が大きすぎ、保険料が割高になりすぎるのが問題という考え方です。フルコースミールのたとえと同じ記事に書かれていた例ですが、
フロリダ州のフロリダブルーは個人契約の80%に渡る30万の契約を取り消した。カリフォルニア州のカイザーパーマネンテは同州の50%の個人契約にあたる16万人の加入者に取り消し通知を送った。ピッツバーグのハイマークは個人契約の20%を、フィラデルフィアのブルークロスは45%をキャンセルしている。インディペンデント社とハイマーク社の両者は持病のある患者の保険加入を保証する契約をすべて取り止めることを発表した。持病治療の完全保証をうたったオバマケアによって保険会社が持病治療保証提供を取りやめざる負えなくなるというのも皮肉な結果である。
とあり、そもそも医療保険のシステムが成り立たなくなる可能性もあるのではないかという話です。
既に国民皆保険制度になっている日本では、そういった意見は少数派だと思っていました。
書いていませんでしたが、ブログ記者の方はアメリカ在住です(保険料もアメリカの保険会社に払っています)。これは先に書くべきでした。
「オバマケアはパッケージの最低限の基準が大きすぎ、保険料が割高になりすぎる結果、医療保険のシステムが成り立たなくなる可能性もある」との事ですが、僕の理解の範囲ではそのような批判はあたらないと思います。
実際の最低基準 essential health benefits [healthcare.gov]を見てみると、救急車による病院への搬送、救急医療、入院、出産と新生児医療、精神病治療、薬物治療、医薬品、リハビリ治療及び医療器具、病理検査、健康診断、慢性病の治療、小児治療とあります。 項目の分類の仕方が異なって一概には比べられないものの日本の国民健康保険の内容 [wikipedia.org]と比べて豪華でしょうか。僕はそうは思いません。
例えば日本では歯科治療は保険適用の範囲内だと思いますが、アメリカの保険では眼科も歯科も健康保険の適用外で [newsworks.org]、別途の保険(という名のついたクーポン制度)に加入しないといけません。一方、薬物治療というのはいかにもアメリカ的で、個人的には妊娠・出産よりもこっちのほうがよっぽど自己責任なんじゃないの、という気もします。日本では薬物治療は保険の適用になるのかな...。
また、自己負担割合については最低基準はない様子です。「パッケージの最低基準」の実感においては適用範囲よりも負担割合のほうが大きな要因ではないかと思います。私はカリフォルニア在住なのでカリフォルニアで加入できるプランを調べてみると、自己負担割合4割といったプランもあり、3割負担のプランでも、「$50+残りの3割」負担といったデザインが普通で、実質の自己負担額は日本の国民健康保険よりも大きくなっています。すなわち平均の保険料はその分国民健康保険よりも小さくなっているはずです。
保険会社がなんで現在の個人契約の保険を解約しているかというと、今までの保険が最低基準のどれかを満たしていないからです。例えばいまの契約に薬物治療が入っていなかったらそれを別なプランに改めないといけないという話ですから、「医療保険制度が成り立たなくなる」とか無保険者が大量発生といった大げさな話ではなくて、もっと瑣末な契約更改という話ですよね。 ただ、人間どうしても遠い将来の給付金の増加よりも目先の保険料負担が気になってしまうもの。多くの人にとって保険料があがるとしたら、オバマケアに対する支持に政治的な影響があるのか、そこが注目されます。
なお、オバマケアの一環として持病のある患者の保険加入を拒否することはできないことになっているので、「持病のある患者の保険加入を保証する契約をすべて取り止める」というのは何を指しているのかわかりません。ソースがあれば教えてください。
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
人生の大半の問題はスルー力で解決する -- スルー力研究専門家
サイト開設日は10月1日(1か月前) (スコア:5, 参考になる)
タレこみのタイミングなので仕方ないことだと思いますが、
オバマ政権の医療保険制度改革(通称オバマケア)の一環として1日に開設した保険ポータルサイト
というタレこみ文の1日とは、10月1日のことです。
つまり、およそ1か月の間、アクセスしずらい・エラーが出るという状況が改善されていません。
10月30日の公聴会で厚生大臣が「技術的な問題を11月末までに解決する方針」を示したくらい、後手に回っています。
なぜ混乱しているかというと、およそ以下の2点があげられます。
・オバマケアにより、来年(2014年)1月から個人に保険加入が義務づけられ、3月末時点の無保険者には「罰金」を科される
・オバマケアの開始後も、現在の任意保険加入者はそのまま加入し続けられるとされていたが、
オバマケアによって医療保険の「必須サービス」が既定されたため、保険料の増加や解約を迫られている
Re: (スコア:2)
ここいらへんについて、たとえば独身男性や高齢夫婦であっても妊娠治療の項目が必須だったりで、反対派のブログなどでは
Re: (スコア:2)
妊娠・出産は病気よりは自由意志による選択の占める割合が多いので、それを踏まえて保険でカバーされるべき事なのか、という論点はあると思います。ただ、世界的にみて妊娠・出産をカバーしない保険制度は珍しいのではないかとt思います。日本でも国民健康保険の対象ですよね。
保険をレストランでの食事と対比するのは、保険の本質を見誤っていると思います。レストランでの食事と違い、将来必要になる医療費は一人ひとりについては前もっては分からないので、充分大きな母数をすることで医療費を予測可能なものにしよう、というのが保険の本質です。レストラン
Re:サイト開設日は10月1日(1か月前) (スコア:1)
もちろん、若者が将来子供を持つつもりになった時には妊娠治療を含むパッケージに切り替えるわけです。また、すでに子を増やすつもりはない高齢者夫婦にとっては明らかに不要であり、『子供を作らない』と決心した時点で妊娠治療を含まないパッケージに切り替える(あるいはオプションを解除する)事になります。その分妊娠治療オプションやそれを含むパッケージは割高になるわけですけれど、そこは「妊娠治療の保険料は妊娠治療オプションを選んだ人間たちが支払う」という考え方です。
大げさに言えば、「子供を作るかどうかの自由意思」を連邦政府に無視されて税金同然に(罰則付きで)保険料を取り立てられる、という感じでしょうか。それを是と思うか非と思うかはそれこそ人それぞれなわけですが。
オバマケアはパッケージの最低限の基準が大きすぎ、保険料が割高になりすぎるのが問題という考え方です。フルコースミールのたとえと同じ記事に書かれていた例ですが、
とあり、そもそも医療保険のシステムが成り立たなくなる可能性もあるのではないかという話です。
書いていませんでしたが、ブログ記者の方はアメリカ在住です(保険料もアメリカの保険会社に払っています)。これは先に書くべきでした。
Re:サイト開設日は10月1日(1か月前) (スコア:2)
「オバマケアはパッケージの最低限の基準が大きすぎ、保険料が割高になりすぎる結果、医療保険のシステムが成り立たなくなる可能性もある」との事ですが、僕の理解の範囲ではそのような批判はあたらないと思います。
実際の最低基準 essential health benefits [healthcare.gov]を見てみると、救急車による病院への搬送、救急医療、入院、出産と新生児医療、精神病治療、薬物治療、医薬品、リハビリ治療及び医療器具、病理検査、健康診断、慢性病の治療、小児治療とあります。 項目の分類の仕方が異なって一概には比べられないものの日本の国民健康保険の内容 [wikipedia.org]と比べて豪華でしょうか。僕はそうは思いません。
例えば日本では歯科治療は保険適用の範囲内だと思いますが、アメリカの保険では眼科も歯科も健康保険の適用外で [newsworks.org]、別途の保険(という名のついたクーポン制度)に加入しないといけません。一方、薬物治療というのはいかにもアメリカ的で、個人的には妊娠・出産よりもこっちのほうがよっぽど自己責任なんじゃないの、という気もします。日本では薬物治療は保険の適用になるのかな...。
また、自己負担割合については最低基準はない様子です。「パッケージの最低基準」の実感においては適用範囲よりも負担割合のほうが大きな要因ではないかと思います。私はカリフォルニア在住なのでカリフォルニアで加入できるプランを調べてみると、自己負担割合4割といったプランもあり、3割負担のプランでも、「$50+残りの3割」負担といったデザインが普通で、実質の自己負担額は日本の国民健康保険よりも大きくなっています。すなわち平均の保険料はその分国民健康保険よりも小さくなっているはずです。
保険会社がなんで現在の個人契約の保険を解約しているかというと、今までの保険が最低基準のどれかを満たしていないからです。例えばいまの契約に薬物治療が入っていなかったらそれを別なプランに改めないといけないという話ですから、「医療保険制度が成り立たなくなる」とか無保険者が大量発生といった大げさな話ではなくて、もっと瑣末な契約更改という話ですよね。 ただ、人間どうしても遠い将来の給付金の増加よりも目先の保険料負担が気になってしまうもの。多くの人にとって保険料があがるとしたら、オバマケアに対する支持に政治的な影響があるのか、そこが注目されます。
なお、オバマケアの一環として持病のある患者の保険加入を拒否することはできないことになっているので、「持病のある患者の保険加入を保証する契約をすべて取り止める」というのは何を指しているのかわかりません。ソースがあれば教えてください。