アカウント名:
パスワード:
あまり知られてないが,英語の発音が綴りを無視して謎の変化をした時期があって(だいたい17世紀まで),これは大母音推移とかよばれている.このため,現在の英語は発音と綴りが噛み合わない宙ぶらりんの状態で,原理的にはどちらかを直さないと「正しく」ない.
# 例えば,昔は home は ホーメ と発音していたのだ.この頃の発音ならばなんと理解しやすく,かつ言文一致していたことか.
つまり,英語の発音を17世紀以前に戻すか,綴りを現在の発音に合わせるかしないかぎり,かのブリテン野郎(愛称)の英語は書き言葉を読み上げるシーンでは「正しくない」.過去のブリテン人が今に現れたら「奇妙な発音」にびっくりすることだろう.
そんな現状で「正しい英語」?いやいや,間違っている現状をまずなんとかせーよ.
「を」お「お」と書いて「こんにちは」わ「こんにちわ」と書かないと間違いですか?個人的にわ「こんにちわ」くらいわ通用していいと思いますけど、機能語は識別しやすくなるので今のままがいい派です。
世の中には、「言葉は音声言語を基準とすべきで、文字言語は音声言語を写し取る為のものだ」、だから表記と発音の乖離は「悪いもの」で、「文字言語を音声言語にどうしても合わせていかなくてはいけない」と思ってる人も居るみたいですが、私はこの意見にはどうも賛同できません。ええ、確かに現代語の発音と乖離してますよ。でもそれが何か? 不便な面しか見てないだけでしょ、便利な面を忘れてませんか、と。アルファベットのスペリングも日本語の仮名遣も、元は文字の綴りと発音の乖離から起こったものではあるけれど、結果として異なる綴りや仮名遣に異なる意味を持たせる様になったのは、慣れれば案外便利なものです。
かつてラテン人はワ行の子音とウ列の母音を両方とも「v」という字で表現していた。これは現代日本でもワ以外のワ行、例えばWindowをヰンドウと書かずにウィンドウと綴るのと同じで、全く合理的な表記であった。
しかし、文字が書けないゲルマン人たちはワ行を全く使わず、代わりにヴァ行を多用していた。そして、ゲルマン人たちの言語を合理的に記述するために、使わないワ行の子音vは全てヴァ行を表すことになった。
しかし、しばらくすると、子音のv(ヴ)と母音のv(ウ)は明らかに発音が違うので、混乱が生じた。そこで、仕方なく、子音のvはそのままで、母音のvを丸く書くことにした。すなわち濁る方をV、濁らない方をUにした。ラテン文字Uの誕生である。
しかし、しばらくすると、子音のv(ワ行)と子音のv(ヴァ行)を両方同時に使う場面が増えてきた。そこで、仕方がなく、子音vのうち、濁らない方を重ねて書くことにした。すなわち濁る方をV、濁らない方をVVにした。ラテン文字Wの誕生である。
しかし、しばらくすると、ゲルマン人はWをヴァ行に使うようになった。ラテン人は言文一致を諦めた。
あぁ、そういう経緯だったのか。
イタリアの、ベネチアの近くに、パドヴァという都市があるのですが、これの標記の仕方が、
となっていて、またその読み(日本語カタカナでの標記)も、
といろいろあって、どれもが「正しい」らしい、ということで、困ったことがあった。
元コメの変遷に照らし合わせると、納得できる。
ハイヒール長靴半島でも苦手地名の筆頭ですね。この表記が揺れる地名と同じ土地を表記するのにヨーロッパ各地で各言語で表記をするし読み方も違うという別のルールがあいまってある時点からまともに地名を覚える努力する意義を見失ってしまった。
ともすると、(スイスの)ジュネーブというのは(イタリアの)ジェノバと同じ名前の別の土地なのかとか、(フランス・パリの)リュクサンブール宮殿は(フランスの隣国)ルクセンブルク大公国領なのかとか混乱しっぱなし。
全部ゲルマン人のせいじゃねーかw
# U,V,W って字が似てるよなと思ってたけど,当たり前だったんだな.
IとJも似た様な経緯です
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人
大母音推移のせいで,英語は現在「正しくなくなってしまっている」と言って良い (スコア:5, 興味深い)
あまり知られてないが,英語の発音が綴りを無視して謎の変化をした時期があって(だいたい17世紀まで),これは大母音推移とかよばれている.このため,現在の英語は発音と綴りが噛み合わない宙ぶらりんの状態で,原理的にはどちらかを直さないと「正しく」ない.
# 例えば,昔は home は ホーメ と発音していたのだ.この頃の発音ならばなんと理解しやすく,かつ言文一致していたことか.
つまり,英語の発音を17世紀以前に戻すか,綴りを現在の発音に合わせるかしないかぎり,かのブリテン野郎(愛称)の英語は書き言葉を読み上げるシーンでは「正しくない」.過去のブリテン人が今に現れたら「奇妙な発音」にびっくりすることだろう.
そんな現状で「正しい英語」?いやいや,間違っている現状をまずなんとかせーよ.
Re: (スコア:0)
「を」お「お」と書いて「こんにちは」わ「こんにちわ」と書かないと間違いですか?
個人的にわ「こんにちわ」くらいわ通用していいと思いますけど、
機能語は識別しやすくなるので今のままがいい派です。
Re: (スコア:1)
世の中には、「言葉は音声言語を基準とすべきで、文字言語は音声言語を写し取る為のものだ」、だから表記と発音の乖離は「悪いもの」で、「文字言語を音声言語にどうしても合わせていかなくてはいけない」と思ってる人も居るみたいですが、私はこの意見にはどうも賛同できません。
ええ、確かに現代語の発音と乖離してますよ。でもそれが何か? 不便な面しか見てないだけでしょ、便利な面を忘れてませんか、と。
アルファベットのスペリングも日本語の仮名遣も、元は文字の綴りと発音の乖離から起こったものではあるけれど、結果として異なる綴りや仮名遣に異なる意味を持たせる様になったのは、慣れれば案外便利なものです。
ハイバネーション(=冬眠)中。 押井徳馬(・(T)・)
Re:大母音推移のせいで,英語は現在「正しくなくなってしまっている」と言って良い (スコア:4, 興味深い)
かつてラテン人はワ行の子音とウ列の母音を両方とも「v」という字で表現していた。これは現代日本でもワ以外のワ行、例えばWindowをヰンドウと書かずにウィンドウと綴るのと同じで、全く合理的な表記であった。
しかし、文字が書けないゲルマン人たちはワ行を全く使わず、代わりにヴァ行を多用していた。そして、ゲルマン人たちの言語を合理的に記述するために、使わないワ行の子音vは全てヴァ行を表すことになった。
しかし、しばらくすると、子音のv(ヴ)と母音のv(ウ)は明らかに発音が違うので、混乱が生じた。そこで、仕方なく、子音のvはそのままで、母音のvを丸く書くことにした。すなわち濁る方をV、濁らない方をUにした。ラテン文字Uの誕生である。
しかし、しばらくすると、子音のv(ワ行)と子音のv(ヴァ行)を両方同時に使う場面が増えてきた。そこで、仕方がなく、子音vのうち、濁らない方を重ねて書くことにした。すなわち濁る方をV、濁らない方をVVにした。ラテン文字Wの誕生である。
しかし、しばらくすると、ゲルマン人はWをヴァ行に使うようになった。ラテン人は言文一致を諦めた。
Re:大母音推移のせいで,英語は現在「正しくなくなってしまっている」と言って良い (スコア:1)
あぁ、そういう経緯だったのか。
イタリアの、ベネチアの近くに、パドヴァという都市があるのですが、これの標記の仕方が、
となっていて、またその読み(日本語カタカナでの標記)も、
といろいろあって、どれもが「正しい」らしい、ということで、困ったことがあった。
元コメの変遷に照らし合わせると、納得できる。
Re:大母音推移のせいで,英語は現在「正しくなくなってしまっている」と言って良い (スコア:2)
ハイヒール長靴半島でも苦手地名の筆頭ですね。
この表記が揺れる地名と
同じ土地を表記するのにヨーロッパ各地で各言語で表記をするし読み方も違う
という別のルールがあいまってある時点からまともに地名を覚える努力する意義を見失ってしまった。
ともすると、(スイスの)ジュネーブというのは(イタリアの)ジェノバと同じ名前の別の土地なのかとか、
(フランス・パリの)リュクサンブール宮殿は(フランスの隣国)ルクセンブルク大公国領なのかとか混乱しっぱなし。
Re: (スコア:0)
全部ゲルマン人のせいじゃねーかw
# U,V,W って字が似てるよなと思ってたけど,当たり前だったんだな.
Re: (スコア:0)
IとJも似た様な経緯です