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シンプルに考えると、問題は「フォントによってグリフ(形)が違う」のか「同一フォントでもグリフが違う」かだと思う。
逆に言うと、「惡(の変体仮名、以下略)」は「あ(『惡し』あし)」や「を(『嫌惡』けんを)」があるから、同じグリフで訓が違うのは理解できるだろうけれど、だとしたら、読みが違っても「惡」は「惡」なんであって、別の字であるという主張には無理がある。むしろ、同じ字に二通りの読み方があるのだろう。変体仮名は特殊な用例を強調するスタイル(字体)であって、用いられ方が違っても同じコードを振る方が筋がいい。つまり、実態として、「
「日本語文字・表記史や日本史学等の分野で必要とされる学術用変体仮名」ともあるので、目的が文献の電子化でしょうか?写真/映像としての保存では、検索ができないし、既存コードの単なる異字体と見なす事も出来ないという事?見たところ、単なる異字体にしか見えないですが、、。
「異体字」は結構範囲が広い概念ですね。
例えば、漢文調の文章で「新陰流一[乃]太刀【乃】至無刀取(しんかげりゅういちのたちないしむとうどり)」みたいなフレーズがあった時、この「[乃]」は、漢文ではなく日本語の助詞の「の」に他ならないわけですが、そういう場合、日本語であることを強調するために変体仮名が使われることが良くありました。日本語の文章で外来語を片仮名で書くのとちょうど反対ですね。さらに、同じ文章で漢文の「【乃】」と日本語の「[乃]」が同時に出ることがあります。つまり、筆者がいわば異体字を文脈で使い分けているわけです。それで、この特殊な異体字はかなり固有のパターンなので、一般的な意味での異体字とは異なるカテゴリに属しているわけですね。
同じ文章で、漢字の「乃」と変体仮名の「乃」が使い分けられている場合、この異体字には確実にコードを振っておかないと、電子化で情報の劣化が起こる、ということです。
さらに言うと、変体仮名は固有のグリフではないので、同じ単語に使われている変体仮名でも筆者の流儀によって字形が違います。ですから、変体仮名同士が異体字の関係にあるわけで、異体字という概念だけでは変体仮名を説明しきることはできないのです。字形が違っても同じ文字である、という認識まで含めて変体仮名です。漢文のニュアンスを変えて大和言葉であることを示すためだけの即興的な異体字が変体仮名、というあたりだと思います。上にのべたように表音文字と表意文字の差である異体字は区別しなければいけませんが、一方で、表音文字同士であれば異体字の同一視もしなければいけません。
変体仮名は活版の歴史があるので、その点でも重要であり、一般的な意味での漢字の異体字とは一線を画す存在です。
そこまで言ったら、手書き文書をコード化すること自体に無理があるように聞こえちゃうね。そういう用途の場合は実用上、文字列と画像を両方残すってことになるんじゃないかな。
漢字と変体仮名を区別しなければならない理由は分かりますが、仮名と変体仮名を区別しなければならない理由は?字形が違っても同じ表音文字同士として同一視しない理由は?
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「毎々お世話になっております。仕様書を頂きたく。」「拝承」 -- ある会社の日常
将来的展望 (スコア:5, 興味深い)
シンプルに考えると、問題は「フォントによってグリフ(形)が違う」のか「同一フォントでもグリフが違う」かだと思う。
逆に言うと、「惡(の変体仮名、以下略)」は「あ(『惡し』あし)」や「を(『嫌惡』けんを)」があるから、同じグリフで訓が違うのは理解できるだろうけれど、だとしたら、読みが違っても「惡」は「惡」なんであって、別の字であるという主張には無理がある。むしろ、同じ字に二通りの読み方があるのだろう。変体仮名は特殊な用例を強調するスタイル(字体)であって、用いられ方が違っても同じコードを振る方が筋がいい。つまり、実態として、「
Re: (スコア:1)
「日本語文字・表記史や日本史学等の分野で必要とされる学術用変体仮名」ともあるので、目的が文献の電子化でしょうか?
写真/映像としての保存では、検索ができないし、既存コードの単なる異字体と見なす事も出来ないという事?
見たところ、単なる異字体にしか見えないですが、、。
Re:将来的展望 (スコア:1)
「異体字」は結構範囲が広い概念ですね。
例えば、漢文調の文章で「新陰流一[乃]太刀【乃】至無刀取(しんかげりゅういちのたちないしむとうどり)」みたいなフレーズがあった時、この「[乃]」は、漢文ではなく日本語の助詞の「の」に他ならないわけですが、そういう場合、日本語であることを強調するために変体仮名が使われることが良くありました。日本語の文章で外来語を片仮名で書くのとちょうど反対ですね。さらに、同じ文章で漢文の「【乃】」と日本語の「[乃]」が同時に出ることがあります。つまり、筆者がいわば異体字を文脈で使い分けているわけです。それで、この特殊な異体字はかなり固有のパターンなので、一般的な意味での異体字とは異なるカテゴリに属しているわけですね。
同じ文章で、漢字の「乃」と変体仮名の「乃」が使い分けられている場合、この異体字には確実にコードを振っておかないと、電子化で情報の劣化が起こる、ということです。
さらに言うと、変体仮名は固有のグリフではないので、同じ単語に使われている変体仮名でも筆者の流儀によって字形が違います。ですから、変体仮名同士が異体字の関係にあるわけで、異体字という概念だけでは変体仮名を説明しきることはできないのです。字形が違っても同じ文字である、という認識まで含めて変体仮名です。漢文のニュアンスを変えて大和言葉であることを示すためだけの即興的な異体字が変体仮名、というあたりだと思います。上にのべたように表音文字と表意文字の差である異体字は区別しなければいけませんが、一方で、表音文字同士であれば異体字の同一視もしなければいけません。
変体仮名は活版の歴史があるので、その点でも重要であり、一般的な意味での漢字の異体字とは一線を画す存在です。
Re:将来的展望 (スコア:1)
そこまで言ったら、手書き文書をコード化すること自体に無理があるように聞こえちゃうね。
そういう用途の場合は実用上、文字列と画像を両方残すってことになるんじゃないかな。
Re: (スコア:0)
漢字と変体仮名を区別しなければならない理由は分かりますが、仮名と変体仮名を区別しなければならない理由は?
字形が違っても同じ表音文字同士として同一視しない理由は?