Studies that consider possible future emission trends in the absence of additional climate policies, such as the recent IEA 2020 World Energy Outlook ‘stated policy’ scenario (International Energy Agency, 2020), project approximately constant fossil and industrial CO2 emissions out to 2070, approximately in line with the medium RCP4.5, RCP6.0 and SSP2-4.5 scenarios.
頑張ったで賞 (スコア:4, 興味深い)
ざっと報告書 [www.ipcc.ch]を斜め読みしてみた。
一番面白そうな気候モデルについてのセクションで最初にいきなり強烈な先制パンチ:
In general, no likelihood is attached to the scenarios assessed in this Report.
一般的に、本レポートで評価したシナリオに可能性は付記しない。
え・・・、これって科学的な報告書であってフィクションじゃないよね?
不安になるが読み続けると:
However, the likelihood of high emission scenarios such as RCP8.5 or SSP5-8.5 is considered low
しかし、RCP8.5やSSP5-8.5のような高排出シナリオの可能性は低いと考えられる。
おお、科学者達に終末論的なファンタジーと嘲笑されてきたRCP8.5をIPCCが「可能性は低い」と認めた。やればできるじゃないか。
Studies that consider possible future emission trends in the absence of additional climate policies, such as the recent IEA 2020 World Energy Outlook ‘stated policy’ scenario (International Energy Agency, 2020), project approximately constant fossil and industrial CO2 emissions out to 2070, approximately in line with the medium RCP4.5, RCP6.0 and SSP2-4.5 scenarios.
追加的な気候政策がない場合の将来の排出傾向を考慮した研究では、2070年まで化石燃料と工業用CO2の排出量がほぼ一定であると予測しており、これはRCP4.5、RCP6.0、SSP2-4.5の中位シナリオとほぼ一致しています。
凄え、IPCCが何かまともっぽいこと言ってる。
・・・が読み続けると出てくるのはRCP8.5のシナリオばかり。RCP4.5が極たまに出てくるぐらいで、RCP6.0は見当たらない。もちろん前述の通り可能性は付記されていない。
それぞれのシナリオが報告書内で何回言及されるかわざわざ数えた [twitter.com]人がいた:
RCP8.5 1359回 41.5%
RCP4.5 571回 17.4%
RCP6.0 32回 1.0%
可能性が低いと認めたRCP8.5が4割を超えて、一番可能性のあるRCP4.5とRCP6.0を合わせても2割を切る。
まぁ、ICPPの「使命」からしたら毎回よりヒステリックになるのは必定だから仕方がない。RCP8.5の可能性が低いことは認めたんだから、如何に気候変動によって人類が破滅を迎えるか妄想を垂れ流すのは寛大な心で許してあげるか。
しきい値 1: ふつう匿名は読まない
匿名補正 -1
Re: (スコア:0)
報告書の中身で改心した部分があったにせよ、釣りタイトルだけを鵜呑みにしちゃう人は物凄い多いので環境ビジネスは推進されるし、
小泉環境大臣はプラスティックストローの製造禁止を言い出しそう。
Re: (スコア:0)
低い可能性を「想定内」(=対策する)とするか想定外(=対策しない)とするかが問題なんじゃない?
環境だけでなく外交情勢も含めて、低い可能性でもその可能性が現実となった場合の影響が無視できなければ想定内として対処すべきだし、
無視できると判断すれば、想定外として対処しないという選択肢もある。
経済的視点から見ればコストがかかるから対策しない、ってのもありだけど、コストがかかる=経済は回るだから対策する、ってのもあり。
#要は法令に基づかないComplianceと一緒よ、その示されて基準に対してComplyするかどうかはその組織の立場次第ってやつ。