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以前、富士通のVPPシリーズ使ってました。 ベクトルスパコンから撤退ってことは、 VPPシリーズも無くなるのでしょうか。
確かにVPPx000シリーズのような、 いかにもスーパーコンピュータ然とした重厚長大マシンは、 そうそう市場ニーズが無いのかも知れません。 実際、廉価版VPPx00シリーズが出たときにはちょっと嬉しかった気がしますし (どうせ自分で買える値段でないから関係ないんですが)。 かつてスパコンの性能を誇示するのに使われた (技術的に妥当なベンチマークかはともかくとして)円周率計算とか、 素数の発見とかは、すでに安物PCの分 [srad.jp]
粗結合並列ベクトルコンピュータと限定すると、 富士通はおそらく世界最高の技術を持つ唯一のメーカーだと思いますが
富士通の業績トレンドをみてもコンピュータのハード方面は 段々と下降線 をたどっています。 過去の成功体験にすがるというのは未来を失うということにつながります。富士通は ソフト屋化 しています。しかも、そのレベルは非常に高い。
でも、自分の所のベクトルマシンでしか動かないパッケージを作っても外販ができないですよね? トレンドであるクラスタマシンで動くソフトウェアの方が 汎用パッケージとして売る 道があるし、それを最も快適に動かせるのは富士通のクラスタシステムであるならハードも売れるチャンスも出てくる。もちろん普通のクラスタシステムとしても売れますし。どっちでも売るチャンスがある。
使う側としても、富士通のマシン以外でも使えることができれば、リスクをそれだけ回避できますよね。使う側も、売る側も いくつもの保険 (ポートフォーリオ) をかけれるわけです。とても妥当なことだと思いますが...
世界的に景気の振るわない昨今、スーパーコンピューターが売れないのは当たり前 (軍需産業は別と思うが、これは日本企業にとっていかんともしがたい障壁がある)。 短期的に見れば、 スーパーコンピューターを切り捨てるのはビジネス的には当然という点に 異存はありません。 しかし、その程度の判断なら子供でもできます。 例えばバブル景気に酔っていた時代なら、 短期的に見れば、 投機目的で土地を買いまくるのはビジネス的には当然の判断でした。 「工場を売ってでも土地を買う」というような所業が、 「大胆な経営」としてもてはやされました。 このところの富士通の動きを見ていると
ある程度のことは安いクラスタコンピューティングでも可能でしょうが、 本当に大規模な計算になってくると、はっきり言って実力の差は歴然としています。
昨年11月発表した Top500 [top500.org] のリストを見ると、 はっきりとクラスタのトレンド が現れていると思いますけど、どうでしょうか? 上位ではピッツバーグ、ロスアラモス、サンディアなんかが食い込んでいますよね。39と40位にはMagiとSCoreが入っていますが、 この程度のシステムで50位に食い込むわけですから、いかにこれから先の改良の余地が大きいか、誰もが想像できると思います。
もちろん現時点ではまだまだ 過去の資産のあるシステム が使われています。過去の資産を活用するために、上位機種を求める市場もあるでしょう。資金が潤沢にあるなら、2本立て、3本立てでいけるでしょう。でも 限られた資金 で「将来の市場を考えてHPCをやれ」とかいわれたら、トレンドであるクラスタコンピューティングに進むのが、 合理的な判断 だと思いますけど。
あと スケーラビリティの利点 があります。たとえば最大1024台まで接続できるというシステムができれば、16台、64台、...、512台構成のシステムも作れます。買う側も売る側も選択の幅があってうれしいと思うんですけど。 どうでしょうか。
TOP500のComputer Classificationの分類で言えば、 ASCI赤青白はClusterというよりはConstellationsに なるんじゃないかな。 クラスタを構成するひとつのノードが多プロセッサのSMPでしょ。
それは親コメントのACさんの言う「安いクラスタ」とは 少し違うように思います。
それはさておいて元記事に立ち返ると、 富士通はベクトルプロセッサをやめると言っているのであって、 スーパーコンピュータをやめるとは言ってないわけですよね。 そして、スーパーコンピュータの実現方式はいろいろある。
かつてスカラプロセッサが遅かった頃は ベクトルプロセッサの威力はたしかにすごいものがあったけど、 ひとつのプロセッサに載ってる演算器の数を数えたら スーパースカラほげほげもさして変わりなく、 だったらベクトルの威力を作っていた要素が疑似ベクトル (=命令セットの工夫と最適化技術)でスカラプロセッサでも 発揮できるようになればスカラによる疑似ベクトルになびくかも。
そしてSPARC64GPとかPower3とかなんかの世代で それは可能になってきたってことじゃないかしら。
もとより、今やベクトルプロセッサひとつあっても 性能的には全然スーパーじゃなくて、 ベクトルですら高並列化からは逃れられない分、 ベクトルのアドバンテージは減っている。 スカラプロセッサの疑似ベクトル処理もだんだん伸びてきた。 となれば、実はこれまでにベクトルで積み上げてきたノウハウだって かなりな割合は生きてくるんじゃないかしら。
それと、VPPのPEのマイクロアーキテクチャがそろそろ寿命を 迎える時期かもしれないとも思うんですよね。 ベクトルもスカラも既に4並列になってて、その先、 集積度の向上にあわせて拡張・高速化って 単純じゃなさそうじゃないですか。 そこで次の世代のマイクロアーキテクチャを考えようとしたときに、 次世代もベクトルで起こすか、 それともSPARCで疑似ベクトルするか (あるいはもしかしたらSPARC+ベクトルコプロセッサって 選択肢も挙がったかもしれない)って トレードオフは検討したはずです。 もちろんピーク性能はまだベクトルの方が高いだろうけど、 コスト見合ってものもある。 もろもろ勘案した結果ベクトルをやめる選択をしたんじゃないか。
富士通がVPPの後釜にどんなスーパーなコンピュータを出してくるか 見てやろうじゃないですか。
もちろん、多様性が減るという点ではVPPをやめちゃうのは 寂しいです。せめてSXには頑張り続けてもらいましょう。
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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家
富士通だけの問題じゃない気が (スコア:0)
以前、富士通のVPPシリーズ使ってました。 ベクトルスパコンから撤退ってことは、 VPPシリーズも無くなるのでしょうか。
確かにVPPx000シリーズのような、 いかにもスーパーコンピュータ然とした重厚長大マシンは、 そうそう市場ニーズが無いのかも知れません。 実際、廉価版VPPx00シリーズが出たときにはちょっと嬉しかった気がしますし (どうせ自分で買える値段でないから関係ないんですが)。 かつてスパコンの性能を誇示するのに使われた (技術的に妥当なベンチマークかはともかくとして)円周率計算とか、 素数の発見とかは、すでに安物PCの分 [srad.jp]
Re:富士通だけの問題じゃない気が (スコア:1)
富士通の業績トレンドをみてもコンピュータのハード方面は 段々と下降線 をたどっています。 過去の成功体験にすがるというのは未来を失うということにつながります。富士通は ソフト屋化 しています。しかも、そのレベルは非常に高い。
でも、自分の所のベクトルマシンでしか動かないパッケージを作っても外販ができないですよね? トレンドであるクラスタマシンで動くソフトウェアの方が 汎用パッケージとして売る 道があるし、それを最も快適に動かせるのは富士通のクラスタシステムであるならハードも売れるチャンスも出てくる。もちろん普通のクラスタシステムとしても売れますし。どっちでも売るチャンスがある。
使う側としても、富士通のマシン以外でも使えることができれば、リスクをそれだけ回避できますよね。使う側も、売る側も いくつもの保険 (ポートフォーリオ) をかけれるわけです。とても妥当なことだと思いますが...
すずきひろのぶ
Re:富士通だけの問題じゃない気が (スコア:0)
世界的に景気の振るわない昨今、スーパーコンピューターが売れないのは当たり前 (軍需産業は別と思うが、これは日本企業にとっていかんともしがたい障壁がある)。 短期的に見れば、 スーパーコンピューターを切り捨てるのはビジネス的には当然という点に 異存はありません。 しかし、その程度の判断なら子供でもできます。 例えばバブル景気に酔っていた時代なら、 短期的に見れば、 投機目的で土地を買いまくるのはビジネス的には当然の判断でした。 「工場を売ってでも土地を買う」というような所業が、 「大胆な経営」としてもてはやされました。 このところの富士通の動きを見ていると
トレンドだと思うのだが (スコア:1)
昨年11月発表した Top500 [top500.org] のリストを見ると、 はっきりとクラスタのトレンド が現れていると思いますけど、どうでしょうか? 上位ではピッツバーグ、ロスアラモス、サンディアなんかが食い込んでいますよね。39と40位にはMagiとSCoreが入っていますが、 この程度のシステムで50位に食い込むわけですから、いかにこれから先の改良の余地が大きいか、誰もが想像できると思います。
もちろん現時点ではまだまだ 過去の資産のあるシステム が使われています。過去の資産を活用するために、上位機種を求める市場もあるでしょう。資金が潤沢にあるなら、2本立て、3本立てでいけるでしょう。でも 限られた資金 で「将来の市場を考えてHPCをやれ」とかいわれたら、トレンドであるクラスタコンピューティングに進むのが、 合理的な判断 だと思いますけど。
あと スケーラビリティの利点 があります。たとえば最大1024台まで接続できるというシステムができれば、16台、64台、...、512台構成のシステムも作れます。買う側も売る側も選択の幅があってうれしいと思うんですけど。 どうでしょうか。
すずきひろのぶ
Re:富士通だけの問題じゃない気が (スコア:1)
> ある程度のことは安いクラスタコンピューティングでも可能でしょうが、
> 本当に大規模な計算になってくると、はっきり言って実力の差は歴然としています。
「スーパーコンピュータ」って、性能が世界で上位○%に入るコンピュータのことですし、今やクラスタがスーパーコンピュータなんです。
TOP500で1位のASCI WhiteはPower3クラスタだし、4位のASCI (Option) RedはPentium II Xeonだし。
Re:富士通だけの問題じゃない気が (スコア:1)
TOP500のComputer Classificationの分類で言えば、 ASCI赤青白はClusterというよりはConstellationsに なるんじゃないかな。 クラスタを構成するひとつのノードが多プロセッサのSMPでしょ。
それは親コメントのACさんの言う「安いクラスタ」とは 少し違うように思います。
それはさておいて元記事に立ち返ると、 富士通はベクトルプロセッサをやめると言っているのであって、 スーパーコンピュータをやめるとは言ってないわけですよね。 そして、スーパーコンピュータの実現方式はいろいろある。
かつてスカラプロセッサが遅かった頃は ベクトルプロセッサの威力はたしかにすごいものがあったけど、 ひとつのプロセッサに載ってる演算器の数を数えたら スーパースカラほげほげもさして変わりなく、 だったらベクトルの威力を作っていた要素が疑似ベクトル (=命令セットの工夫と最適化技術)でスカラプロセッサでも 発揮できるようになればスカラによる疑似ベクトルになびくかも。
そしてSPARC64GPとかPower3とかなんかの世代で それは可能になってきたってことじゃないかしら。
もとより、今やベクトルプロセッサひとつあっても 性能的には全然スーパーじゃなくて、 ベクトルですら高並列化からは逃れられない分、 ベクトルのアドバンテージは減っている。 スカラプロセッサの疑似ベクトル処理もだんだん伸びてきた。 となれば、実はこれまでにベクトルで積み上げてきたノウハウだって かなりな割合は生きてくるんじゃないかしら。
それと、VPPのPEのマイクロアーキテクチャがそろそろ寿命を 迎える時期かもしれないとも思うんですよね。 ベクトルもスカラも既に4並列になってて、その先、 集積度の向上にあわせて拡張・高速化って 単純じゃなさそうじゃないですか。 そこで次の世代のマイクロアーキテクチャを考えようとしたときに、 次世代もベクトルで起こすか、 それともSPARCで疑似ベクトルするか (あるいはもしかしたらSPARC+ベクトルコプロセッサって 選択肢も挙がったかもしれない)って トレードオフは検討したはずです。 もちろんピーク性能はまだベクトルの方が高いだろうけど、 コスト見合ってものもある。 もろもろ勘案した結果ベクトルをやめる選択をしたんじゃないか。
富士通がVPPの後釜にどんなスーパーなコンピュータを出してくるか 見てやろうじゃないですか。
もちろん、多様性が減るという点ではVPPをやめちゃうのは 寂しいです。せめてSXには頑張り続けてもらいましょう。