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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー
早速チェック (スコア:3, 参考になる)
報告してるのはブラジルのグループで1987からクラシカルな品種改良を用いて取り組んでいたそうです。
従来の品種(ムンドノーボ種を使っている)では、生豆中12 mg/gであったカフェイン濃度が、今回作出した品種(AC1:Alcides Carvalho)では0.76 mg/gになっています。
ヨーロッパではdecafを名乗るためには「カフェイン濃度が0.1%以下であること」を満たす必要がありますが(日本は基準なし)、今回の品種はそのままこの基準を満たすことができています。
しかし、この品種ではカフェイン
Re:早速チェック (スコア:5, 参考になる)
3者を比較すると
カフェイン除去(従来の方法)
メリット:十分なカフェイン除去が可能。カフェイン以外のメチルキサンチン類も除去される。安価。すでに実用化されている。
デメリット:風味が損なわれる。
遺伝子組換えによるカフェインレス(2003年に作出されたもの)
メリット:テオブロミン合成酵素を阻害しているのでテオブロミンとカフェインが除去される。それ以外の成分への影響が少ないと予想され、風味が維持できると期待される。
デメリット:遺伝子組換えによる問題(消費者の反発への懸念、産地での栽培の問題)カフェイン含量が十分には低くなく(野生型の3分の1程度の含量になる)ヨーロッパ基準を満たさない。実用化までの道程が不明瞭で開発研究にまだコストがかかる。
今回報告された品種
メリット:カフェイン含量が十分に低くヨーロッパ基準をほぼ満たす。カフェイン以外の成分への影響が少ないと予想され、風味が維持できると期待される。実用化への道筋は比較的明確。
デメリット:テオブロミンが蓄積されるため、メチルキサンチンとしての薬理作用は現れることが予想される。そのため病気のためカフェイン摂取を避けるべき人には役に立たない可能性が拭いきれない。
今回の新品種の「テオブロミンが蓄積されている」という問題はきわめて重要で、この点だけで「カフェインレスとしての実用性」は疑わなければなりません。「カフェインだけがなければそれでいい」という問題ではないのですから。この点で言えば、より上流の酵素が潰れている遺伝子組換えのものの方がよっぽど有望です。
#まぁそっちはそっちで、何が蓄積されてるか判ったものじゃないんですが。
ただし、これまで誰がどうやっても作ることが出来なかった、栽培品種としてのカフェインレスコーヒーを、それもアラビカ種で作ったというのはとても大きな業績です。この品種をそのまま商売に使うんじゃなくて、さらに上流の遺伝子が潰れている品種を開発したり、それとの掛け合わせを行うことが出来れば、有用な品種になると思われます。