"The tales are at their best when read just as they left Andersen's hand" と言いながらデンマーク語の物語を英語に翻訳している Naomi Lewis の主張は矛盾しているし、視覚障害者はどうしろっていうのだろう。アンデルセン博物館自体は物語が多くの言語に訳されている [hca2005.com]事を誇りに思ってい
The tales are at their best when read just as they left Andersen's hand, not turned into films or plays. 物語は、それがアンデルセンの書き終えたがままに読むのが最も輝かしいのである。映画や舞台ではそうはいかない。
確かに、その部分を見ると「映画や舞台にしさえしなけりゃいいんだ。書物こそが最善だ」といった趣旨とも受け止めるが、あくまでこれはアンデルセンを翻訳した Naomi Lewis の意見であり、これは第三者の意見ではない。 Naomi Lewis は当事者である。よって、これは誰も異論を唱えられない普遍的真実ではないし、例えば、映画監督や劇作家はこの Naomi Lewis の意見になど賛同する筈が無い。
/. 本家のタレコミにはこうあるのだが、
Jean-Noel Jeanneney, President of the library, wrote in an editorial that he is co
Jean-Noel Jeanneney, President of the library, wrote in an editorial that he is concerned Google's initiative to digitalize volumes at five leading libraries will reflect a unipolar worldview dominated by the English language and American culture. Jeanneney is pushing for European libraries to follow in Google's footsteps.
本家記事 [slashdot.org]
フランスはもうちょっとおおらかな考えでもよいかな、 (スコア:2, 興味深い)
Re:フランスはもうちょっとおおらかな考えでもよいか (スコア:1)
#699159のACさんにしてもそうですが、肝心なところを抜かして引用してるんじゃないかと思いますよ。
brake-handleさんは「語り直されるときに、作者の視点から離れることによって物語自体が変化してしまうこと」につい
Re:フランスはもうちょっとおおらかな考えでもよいか (スコア:1)
確かに、その部分を見ると「映画や舞台にしさえしなけりゃいいんだ。書物こそが最善だ」といった趣旨とも受け止めるが、あくまでこれはアンデルセンを翻訳した Naomi Lewis の意見であり、これは第三者の意見ではない。 Naomi Lewis は当事者である。よって、これは誰も異論を唱えられない普遍的真実ではないし、例えば、映画監督や劇作家はこの Naomi Lewis の意見になど賛同する筈が無い。
/. 本家のタレコミにはこうあるのだが、
Re:フランスはもうちょっとおおらかな考えでもよいか (スコア:2, 興味深い)
うーん、まだちょっと引用洩れがあると思うんですよ。(以上、強調は引用者が)
これについては後ほど触れます。で、ITmedia-REUTERSの記事。こちらはブッシュ訪欧・欧州との関係改善の話題とからめてやや刺激的になっていると思われるし、Google翻訳に頼って(というあたりで説得力半減かな)一応Jeanneneyの論説記事も読んでみました。
これら見る限り、Jeanneney氏は「Google Printで得られる文献は英語圏の図書館・司書による選択だけだが、もっと多極的な視点が存在することが望ましい」「(例えばフランス革命などの)個々の主題について、それと縁の深い言語圏ならではの選択が不可欠だ」と言ってるだけのように思います。また、全体の論旨としてはフランス語だけにこだわってはいないように思います。
そのフランス革命についてですが、かつて英米の文献データベースを対象に調査したところ、事実と異なる記述が数多く見つかったのこと。確かにそういった誤訳・誤伝聞などについても問題としているようですが、それはなにも、昨日今日始まった問題というわけじゃありません。いまさら英語で書かれること、あるいは英訳されることを拒んでいるわけではないでしょう。
論評記事ではそれに加えて「インターネットでは英語文献が数量において圧倒的になっている、その結果、例えば学術文書の検証プロセスにおいても他言語の文書よりも優先されて選ばれる可能性がある」といった問題が指摘されています。加えて、Google Printなんてものまで登場した。「フランス政府及び国立図書館はフランス語圏に対して特定の責務を負っていて、文献の電子化にも力を入れているが、予算がGoogleの1/1000では相手にもにならない」「欧州の他の国では最低限のものに着手するのさえままならない」とも指摘しています。
これらを踏まえて欧州各国の図書館に対して「バランスを取るためには我々独自のデジタルアーカイブ・検索エンジンが必要だ」と奮起を促しているわけでしょう。フランス語至上主義者が「誤訳・誤伝聞があるからフランス語の原典だけを読め」とわめいているという話じゃありませんし、「フランス語をもっと普及させたければ」などというのはちょっと違うかな、と思います。
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で、アンデルセン。気づくのが遅いですが、物語と映画・演劇との間では、そもそも構成や提示の仕方自体が異なりますよね。物語で登場人物のセリフはせいぜい一割程度で、あとは「語り部の言葉」なのが普通だが、映画・演劇ではその語り部の言葉が失われることも多い。Lewisは、語り部の言葉(アンデルセンが紡いだ言葉)をそのままの形で提供すべきと感じ、翻訳した... やはり、矛盾している部分があるとは思えないんですがね。どうでしょう。