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開いた括弧は必ず閉じる -- あるプログラマー
量子こんぴーた? (スコア:0)
どうも原理的な部分で物理法則の裏技を突こうとしてるような気がして、今ひとつ信じられない感が……。
例えば、量子の中の人(笑)が使ってるランダムジェネレータがあまりにもヘボくて、素子数が増えてくると出力結果が実用にならない、とか。
Re:量子こんぴーた? (スコア:5, 興味深い)
・原理は確か.少数qubitでは計算の実証がすんでいる.
・Shorの素因数分解アルゴリズム,Groverの検索アルゴリズムなどが
開発され,製作可能であることが示されている.
・量子誤り訂正符号の開発により,初期に言われていたよりも難易度が
低下.量子効果につきもののqubitのデコヒーレンス等もある程度
復元可能になった.
現在の問題点
・汎用のアルゴリズムが無い.現在のところ問題一つにつき一つの
装置(やパルス列等)を組む必要があるうえ(アナログコンピュータ的),
任意の問題に対する解法はそのたびに新しい量子アルゴリズムを開発
する必要がある.
古典的なコンピュータ用のアルゴリズムを量子演算に変換するような
コンパイラが出来ない限り,ごく一部の演算以外では量子コンピュータ
を使用できない.
・多qubit化が困難.古典コンピュータと異なり,量子コンピュータでは
全qubitがentangleした状態に無いといけない.これは全qubit間で
波動関数が一体になっていることを示すが,このような状態は外界からの
摂動で容易に分解してしまう.現在の素子を考えると精々数十ビットが
限界ではないか?
・逐次処理が不可能であるための必要qubitの発散.量子コンピュータが
その実力を発揮するには,演算しようとするデータ全てを同時に
扱う必要がある.例えば検索なら,被検索文全てが量子演算機に
格納されている必要がある.このため例えば1MBの文書内を高速
検索しようと思ったら,8Mqubitの量子コンピュータを作る必要がある
(と思う)ことを示す.現在のところこれほど膨大な量子演算素子を作るのは
不可能だし,見込みも無い.
・初期化不能性.各qubitも量子論の確率過程に支配されるため,
qubit数が多くなると初期化が困難になる.なぜなら初期化というのは
全qubitをある状態だけに落とし込む操作だが,そこに不確定性が
絡むため.このため,非常にqubit数の多い量子コンピュータでは
以前の演算結果を完全に消去できず,いわば記憶のように以前の結果が
蓄積していき以後の演算に影響を与える可能性がある.
多分大きなブレイクスルーが無いと,素因数分解とかの簡単な演算以外に
使える量子コンピュータは無理だと思う.
#量子系の物理シミュレーションに使えるものは出来るかも.