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何kHzで何bitでサンプリングしようと、サンプリングした時点でそれはロスでしょう。不可逆圧縮しないとしても、圧縮する前からロスがあるんだから仕方がない。
逆に考えてみよう。同じバイト数で比較するなら、不可逆圧縮を許容するほうが、圧縮率が高くなる分、もとデータが大きくてもいい(サンプリングレートとビット数を上げられる)ので、高音質と言えますよね。
人の可聴域はおおむね20kHzです。サンプリング定理的には、その倍の40kHzでサンプリングすれば 20kHz は再現できることになるのですが、ではなぜCDなどが44.1kHz にしているかというと、エイリアシングの問題があるからです。
40kHz でサンプリングしているところに 21kHz の信号が入ると、20kHzで折り返した 19kHz の信号が入っているかのようなデータになってしまいます。これが「エイリアシング」
エイリアシングを防ぐためには、20kHz より上の信号を入れてはいけません。そのために、ローパスフィルターで高域を落としてからサンプリングするのですが、現実問題として「20kHz未満は全部そのまま通す」が「20kHz以上はまったく通さない」ようなフィルタは作れません。「ほぼ全て通す」周波数と、「まったく通さない」周波数の間にある程度の幅が必要です。
そこで、サンプリング周波数は20kHz の2倍よりちょっと多めの 44.1kHz にして、「20kHz 以下は通すが、そこから上はだんだんと通さなくなって、22kHz では完全に通さない」ようなフィルタを使うことで、20kHz までは再現できるようにしたのです。
ですが、サンプリング定理にはまだ裏があるというか、理論上は「2倍の周波数でサンプリング定理すれば、元の信号を再現できる」ことになるのですが、そこには、位相のことが考慮されていません。例えば、44.1kHz サンプリングでは、 22.05kHzの信号は2回サンプリングする時間に「0→+1→0→-1→0」を繰り返す形になりますから、これを、ちょうど上下のピークの所でサンプリングするタイミングだったら、その結果は+1、-1、+1、-1、…となり、22.kHz の信号として取り込めるのですが、ちょうど0になるタイミングで取り込んだら、「0、0、0、0、…」と、信号がまったく無くなってしまいます。位相のずれによって取り込み結果が変わってくるのです。
そういう点では、実際の信号処理上は、完全なローパスフィルターがあったとしても、「元の信号の2倍の周波数でサンプリングすれば、元の信号を再現できる」ことにはなりません。位相を含めて再現するためには4倍以上でサンプリングする必要があります。そういう点では、20kHzの信号を 96kHz でサンプリングするというのは意味があります。
ちなみに、電話の場合は、3.4kHz までを通すことを前提に、600Hzの余裕を持たせた 8kHz でのサンプリングです。だから、ISDNは8kHz ×8bit=64kbpsになってます。
> 名前は忘れたけど、元音源がもつ2倍のサンプリングレートを準備すればその音を完全に再現できるという法則みたいのがあったと思いますよ。
その名の通りサンプリング定理ですね。エイリアシングを防ぐためには、元の信号の周波数の 2倍以上のサンプリング周波数が必要というやつですね。
この手の話で理論を語り始めると、大抵「単音」の話だけで進むのね…
可聴域外でも、差音 [wikipedia.org]とかで“感じる”ことはできるから、詰めるだけ詰め込んでほしいとアナログ派な爺は思うのであった。倍音間の差音とか言い出すとキリがないからこそ、カットなんてしてほしくないのだが…
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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs
デジタル化する時点でロス (スコア:0)
何kHzで何bitでサンプリングしようと、サンプリングした時点でそれはロスでしょう。
不可逆圧縮しないとしても、圧縮する前からロスがあるんだから仕方がない。
逆に考えてみよう。同じバイト数で比較するなら、不可逆圧縮を許容するほうが、
圧縮率が高くなる分、もとデータが大きくてもいい(サンプリングレートと
ビット数を上げられる)ので、高音質と言えますよね。
Re:デジタル化する時点でロス (スコア:1, 参考になる)
その音を完全に再現できるという法則みたいのがあったと思いますよ。
CDのサンプリングレートが44kなのも、
人の可聴領域が22kくらいまでしか無いということが根拠だったはずです。
# 電話も人の発声限界がもとになっていたはず
もっとも実際には、超音波も聞こえていないだけで感じることはするので
CDで聞くのと生で聞くのは微妙に違和感ありますけどね。
Re:デジタル化する時点でロス (スコア:2, 参考になる)
人の可聴域はおおむね20kHzです。
サンプリング定理的には、その倍の40kHzでサンプリングすれば 20kHz は再現できることになるのですが、
ではなぜCDなどが44.1kHz にしているかというと、エイリアシングの問題があるからです。
40kHz でサンプリングしているところに 21kHz の信号が入ると、
20kHzで折り返した 19kHz の信号が入っているかのようなデータになってしまいます。これが「エイリアシング」
エイリアシングを防ぐためには、20kHz より上の信号を入れてはいけません。
そのために、ローパスフィルターで高域を落としてからサンプリングするのですが、
現実問題として「20kHz未満は全部そのまま通す」が「20kHz以上はまったく通さない」ようなフィルタは作れません。
「ほぼ全て通す」周波数と、「まったく通さない」周波数の間にある程度の幅が必要です。
そこで、サンプリング周波数は20kHz の2倍よりちょっと多めの 44.1kHz にして、
「20kHz 以下は通すが、そこから上はだんだんと通さなくなって、22kHz では完全に通さない」ようなフィルタを使うことで、
20kHz までは再現できるようにしたのです。
ですが、サンプリング定理にはまだ裏があるというか、
理論上は「2倍の周波数でサンプリング定理すれば、元の信号を再現できる」ことになるのですが、
そこには、位相のことが考慮されていません。
例えば、44.1kHz サンプリングでは、 22.05kHzの信号は2回サンプリングする時間に「0→+1→0→-1→0」を繰り返す形になりますから、
これを、ちょうど上下のピークの所でサンプリングするタイミングだったら、
その結果は+1、-1、+1、-1、…となり、22.kHz の信号として取り込めるのですが、
ちょうど0になるタイミングで取り込んだら、「0、0、0、0、…」と、信号がまったく無くなってしまいます。
位相のずれによって取り込み結果が変わってくるのです。
そういう点では、実際の信号処理上は、完全なローパスフィルターがあったとしても、
「元の信号の2倍の周波数でサンプリングすれば、元の信号を再現できる」ことにはなりません。
位相を含めて再現するためには4倍以上でサンプリングする必要があります。
そういう点では、20kHzの信号を 96kHz でサンプリングするというのは意味があります。
ちなみに、電話の場合は、3.4kHz までを通すことを前提に、600Hzの余裕を持たせた 8kHz でのサンプリングです。
だから、ISDNは8kHz ×8bit=64kbpsになってます。
Re: (スコア:0)
> 名前は忘れたけど、元音源がもつ2倍のサンプリングレートを準備すればその音を完全に再現できるという法則みたいのがあったと思いますよ。
その名の通りサンプリング定理ですね。エイリアシングを防ぐためには、元の信号の周波数の 2倍以上のサンプリング周波数が必要というやつですね。
Re: (スコア:0)
この手の話で理論を語り始めると、大抵「単音」の話だけで進むのね…
可聴域外でも、差音 [wikipedia.org]とかで“感じる”ことはできるから、詰めるだけ詰め込んでほしいとアナログ派な爺は思うのであった。倍音間の差音とか言い出すとキリがないからこそ、カットなんてしてほしくないのだが…
Re: (スコア:0)
例えば、23kHzと25kHzで2kHzの差音とか、13kHzと21kHzで8kHzの差音とか。
私の想像では、片方でも可聴域外なら差音は生じないのではないかなと思います。
そもそも、差音なんて言葉を今まで知らなかったので、本当に想像ですが。
ちなみに、これも想像ですが、うねりなら可聴域外同士でも聞こえるかもしれないと思います。
でも、うねりそのものが録音できそうだから、20kHz以上をカットしても問題ないかな?と思います。