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田沢湖から西湖への人為的移入という「遺伝子攪乱」が結果的に「種の保存」に結びついた今回の事例を,自然保護や生態学に明るい方々はどう評価されるんだろうと素朴な疑問がわいています。
中国産朱鷺でも日本の自然に戻ればそれで良いと考えるような一部の「自然再生派」立場からすれば,絶滅したはずの魚の生存が確認できるは良いことなのであろうけど,国内移入種を問題視して,支流単位での遺伝子多様性を主張する「多様性維持派」からみれば,手放しに喜べない気がします。
ダブルスタンダードにならないように自然保護を考えるのは難しいですね。
これを「遺伝子撹乱」と呼ぶのは、まずは違和感があります。
導入されたクニマス(地元名クロマス)は近縁種と交雑したわけでも、食物連鎖の階級を壊していたわけでもないようです。おそらく、ヒメマスの居た食物連鎖の座に横滑りで収まったのでしょう。その意味ではヒメマスの食い扶持を奪ったのでしょうが、ヒメマスの全滅まで追いやるほどではなかったよう。
導入されたが、遺伝子的には孤立した集団としてあり、食物連鎖を崩していなかったということで例えばブラックバス(食物連鎖に突如現れた頂点)による食いつくしとか、タイワンザルがニホンザルと交雑するとかいう問題とは別問題だと思います。
まあ、「放ってみたら思ったより無害だった」という結果論ですが。
「遺伝子流失」になっているので「遺伝子攪乱」の最初の段階は満たしています。とはいえ正確に,今回は人為的な移入によって「遺伝子流失」が起きたことで,「遺伝子汚染」には至らず結果的に「絶滅種」の「遺伝子保存」が行われていた事例ということでどうでしょうか。
ただ「遺伝子攪乱」の議論では,「遺伝子流失」の段階から防ぐべきという意見が最近の自然保護・生物多様性確保の主流田遠見ます。もちろん今回の事例のように交雑や食物連鎖の崩壊など結果的な「生態的影響」がなければ,「遺伝子流失」そのものは問題ないと判断する立場もあでしょう。
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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike
生態系から見るとどう評価されるのだろう? (スコア:3, 興味深い)
田沢湖から西湖への人為的移入という「遺伝子攪乱」が結果的に「種の保存」に結びついた今回の事例を,自然保護や生態学に明るい方々はどう評価されるんだろうと素朴な疑問がわいています。
中国産朱鷺でも日本の自然に戻ればそれで良いと考えるような一部の「自然再生派」立場からすれば,
絶滅したはずの魚の生存が確認できるは良いことなのであろうけど,
国内移入種を問題視して,支流単位での遺伝子多様性を主張する「多様性維持派」からみれば,
手放しに喜べない気がします。
ダブルスタンダードにならないように自然保護を考えるのは難しいですね。
Re: (スコア:1, 参考になる)
田沢湖から西湖への人為的移入という「遺伝子攪乱」が結果的に「種の保存」に結びついた今回の事例を,自然保護や生態学に明るい方々はどう評価されるんだろうと素朴な疑問がわいています。
これを「遺伝子撹乱」と呼ぶのは、まずは違和感があります。
導入されたクニマス(地元名クロマス)は近縁種と交雑したわけでも、食物連鎖の階級を壊していたわけでもないようです。
おそらく、ヒメマスの居た食物連鎖の座に横滑りで収まったのでしょう。
その意味ではヒメマスの食い扶持を奪ったのでしょうが、ヒメマスの全滅まで追いやるほどではなかったよう。
導入されたが、遺伝子的には孤立した集団としてあり、食物連鎖を崩していなかったということで
例えばブラックバス(食物連鎖に突如現れた頂点)による食いつくしとか、
タイワンザルがニホンザルと交雑するとかいう問題とは別問題だと思います。
まあ、「放ってみたら思ったより無害だった」という結果論ですが。
Re:生態系から見るとどう評価されるのだろう? (スコア:0)
「遺伝子流失」になっているので「遺伝子攪乱」の最初の段階は満たしています。とはいえ正確に,今回は人為的な移入によって「遺伝子流失」が起きたことで,「遺伝子汚染」には至らず結果的に「絶滅種」の「遺伝子保存」が行われていた事例ということでどうでしょうか。
ただ「遺伝子攪乱」の議論では,「遺伝子流失」の段階から防ぐべきという意見が最近の自然保護・生物多様性確保の主流田遠見ます。もちろん今回の事例のように交雑や食物連鎖の崩壊など結果的な「生態的影響」がなければ,「遺伝子流失」そのものは問題ないと判断する立場もあでしょう。