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よく分からん。三行で説明してくれたまえ。
拡散形態が従来巷間でよくささやかれていた土壌粒子の飛来などではなく、もっと広範囲に広まりやすい硫酸塩エアロゾルに依っていたと言うことかな?
>よくささやかれていた土壌粒子の飛来などではなく、
そうなのか?少なくとも大気化学屋の中では、エアロゾルや気相が多いだろうねってささやかれているもんだと思ってた。
基本的に政府も民間も地方自治体も空間線量と、100μm程度のフィルターサンプリング、付着沈澱物でしか計ってなくて、ガス相とエアロゾルによる放射性物質輸送は無視していた。いや、意図的に無視していたと言うより、計測することが難しかったといったほうがよいかもしれない。
目の細かいフィルターサンプリングの測定例もいくつかあったし、それで飛散量のラフな見積もりはできるんだけど、測定地点が非常に少なかった。やっぱり粒子の大きさや化学的性質が分からないと、どうやって飛ぶのかもどうやって土壌や水と行き来するのかも分からない。それを計測するためには、リアルタイム計測できる直接計測型のTOF-MSを持ち込むとか、いろいろ方法はあったけど、相対量はだせても絶対値を決めるのは難しいということは、平時でさえ言える。でも、測定すること自体がそれほど簡単ではなくって、単に管を通して線量を計ればよいというもんじゃなく、エアロゾルを粒径ごとに選別して、それをレーザー光や熱で分解して原子単位にして、それを超高真空下に導入して高圧電場で加速させて重さを計るって方法をとる。装置自体でかい、、小さくしているのも最近はあるけど、少なくとも大気エアロゾル用で製品として売られているものはまだなくって、いくつかの研究グループが作っているだけ。黄砂や排気ガスやサハラ砂漠の砂嵐みたいな明らかに高濃度なターゲットを選んだリアルタイム測定例は知られているけれど、それより何桁も希薄なエアロゾルを計って絶対値をリアルタイムに求めて、由来を調べるような測定はまだ知られていない。
フィルターサンプリングベースの測定ではかなり過小評価している可能性があるということは最初から言われていて、いくつかの査読付論文でも指摘されている。本来は体内被曝も多めにみつもらないといけないよってことだったんだけど、なにしろ社会的には上方向のエラーバーはことごとく無視するのが科学だ、、みたいな気配があったからね。
PM2.5と言われる、2.5マイクロ以下の粒子ってのは本来人体によく影響を与えるもんだし、とくに呼吸器から吸収された場合、とてもよく人体にトラップされる大きさだという点も注意しないといけないね。これも、実際の所、どれくらいトラップされやすいのか定量的に計られているといえる段階にはなくって、まだ医学系や環境系の一部でごく最近無視できない因子だよって指摘されているに過ぎないから、それが大きな粒子とくらべて何倍やっかいなのか、それが何十倍なのか何百倍なのかってのさえはっきり分かっている段階じゃない。ましてや放射性物質の微小粒子の影響が疫学研究された事例なんてまだない。
いずれにしろ、最終的な人体への影響という言い方をすれば、現時点で絶対量を明確に測定できるもんじゃなくて、将来研究が進むと体内被曝量が上方修正される余地がけっこうあるよってことを示唆した残念な測定結果だと思うな。
>測定すること自体がそれほど簡単ではなくって
今回の件に限って言えば、空間線量を測定すれば絶対量出るね。
>放射性物質の微小粒子の影響が疫学研究された事例なんてまだない
そりゃそうだが、放射性物質がエアロゾルだから特に無害になったり有害になったりするわけじゃない。逆に言うと、被曝量が増える、という点を除けば、エアロゾルが放射性物質だから特に無害になったり有害になったりするわけでもない、と考えるのが妥当だろう。今、みんなが気にしているのはあくまで体内被曝量の多寡であって、同量の被曝なら経口摂取と疫学的な影響も同じだろう。セシウムの化学的性質の話をしているんだったら、それも考慮に値するだろうが、そういう意味ではセシウムは少なすぎるんじゃないかな。セシウムが全くなかったとしても、どうせナトリウムやカリウムで硫酸塩になっていたわけで、懸念の本筋はセシウム137がカリウム40に比べて圧倒的に半減期が短いことにある。
むしろ、新しい点は濃縮箇所の予測ができそうってことじゃないかな。例えば、雨になれば水溜りになる場所と、そうじゃない場所を比べると、晴れの日は見た目で区別がつかないかもしれない。でも、線量的には水溜りだった場所の方がホットスポットになってるんだろう。天日干しってのは、言ってみれば雨の成分を濃縮しているようなもんだから。側溝や雨樋の線量が高いってのは言われていたけれど、単にセシウムの化合物が水溶性ってだけじゃなくて、雨が煮詰まる場所だから、っていう視点も必要だろう。
>そりゃそうだが、放射性物質がエアロゾルだから特に無害になったり有害になったりするわけじゃない。>新しい点は濃縮箇所の予測ができそうってことじゃないかな。
なぜ、環境における濃縮箇所には興味を持つくせに人体における濃縮箇所には無関心でいてよいことになるんだい?
エアロゾルの粒径、形状、化学的性質によって、それが体内にどういう密度でどういう期間トラップされるかが異なるのだから、
粒径、形状、化学的性質に対して、どのように放射性物質が人体に影響するのかが分かっていないといけないし、粒径、形状、化学的性質、相で放射性物質が拡散したのかが定量的に分かっていないといけない。
少なくともそのいずれもがわかっていないと、人体への影響の予測は桁でぶれるでしょ。
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物事のやり方は一つではない -- Perlな人
だめだ (スコア:0)
よく分からん。三行で説明してくれたまえ。
Re: (スコア:1)
拡散形態が従来巷間でよくささやかれていた土壌粒子の飛来などではなく、もっと広範囲に広まりやすい硫酸塩エアロゾルに依っていたと言うことかな?
Re:だめだ (スコア:1)
>よくささやかれていた土壌粒子の飛来などではなく、
そうなのか?少なくとも大気化学屋の中では、エアロゾルや気相が多いだろうねってささやかれているもんだと
思ってた。
基本的に政府も民間も地方自治体も空間線量と、100μm程度のフィルターサンプリング、付着沈澱物でしか
計ってなくて、ガス相とエアロゾルによる放射性物質輸送は無視していた。いや、意図的に無視していたと言う
より、計測することが難しかったといったほうがよいかもしれない。
目の細かいフィルターサンプリングの測定例もいくつかあったし、それで飛散量のラフな見積もりはできるんだけど、測定地点が非常に少なかった。やっぱり粒子の大きさや化学的性質が分からないと、どうやって飛ぶのかもどうやって土壌や水と行き来するのかも分からない。それを計測するためには、リアルタイム計測できる直接計測型のTOF-MSを持ち込むとか、いろいろ方法はあったけど、相対量はだせても絶対値を決めるのは難しいということは、平時でさえ言える。でも、測定すること自体がそれほど簡単ではなくって、単に管を通して線量を計ればよいというもんじゃなく、エアロゾルを粒径ごとに選別して、それをレーザー光や熱で分解して原子単位にして、それを超高真空下に導入して高圧電場で加速させて重さを計るって方法をとる。装置自体でかい、、小さくしているのも最近はあるけど、少なくとも大気エアロゾル用で製品として売られているものはまだなくって、いくつかの研究グループが作っているだけ。
黄砂や排気ガスやサハラ砂漠の砂嵐みたいな明らかに高濃度なターゲットを選んだリアルタイム測定例は知られているけれど、それより何桁も希薄なエアロゾルを計って絶対値をリアルタイムに求めて、由来を調べるような測定はまだ知られていない。
フィルターサンプリングベースの測定ではかなり過小評価している可能性があるということは最初から言わ
れていて、いくつかの査読付論文でも指摘されている。本来は体内被曝も多めにみつもらないといけないよ
ってことだったんだけど、なにしろ社会的には上方向のエラーバーはことごとく無視するのが科学だ、、
みたいな気配があったからね。
PM2.5と言われる、2.5マイクロ以下の粒子ってのは本来人体によく影響を与えるもんだし、とくに呼吸器から吸収
された場合、とてもよく人体にトラップされる大きさだという点も注意しないといけないね。これも、実際の所、
どれくらいトラップされやすいのか定量的に計られているといえる段階にはなくって、まだ医学系や環境系の一部で
ごく最近無視できない因子だよって指摘されているに過ぎないから、それが大きな粒子とくらべて何倍やっかいなのか、それが何十倍なのか何百倍なのかってのさえはっきり分かっている段階じゃない。ましてや放射性物質の微小粒子の影響が疫学研究された事例なんてまだない。
いずれにしろ、最終的な人体への影響という言い方をすれば、現時点で絶対量を明確に測定できるもんじゃなくて、将来研究が進むと体内被曝量が上方修正される余地がけっこうあるよってことを示唆した残念な測定結果だと思うな。
Re:だめだ (スコア:1)
>測定すること自体がそれほど簡単ではなくって
今回の件に限って言えば、空間線量を測定すれば絶対量出るね。
>放射性物質の微小粒子の影響が疫学研究された事例なんてまだない
そりゃそうだが、放射性物質がエアロゾルだから特に無害になったり有害になったりするわけじゃない。逆に言うと、被曝量が増える、という点を除けば、エアロゾルが放射性物質だから特に無害になったり有害になったりするわけでもない、と考えるのが妥当だろう。今、みんなが気にしているのはあくまで体内被曝量の多寡であって、同量の被曝なら経口摂取と疫学的な影響も同じだろう。セシウムの化学的性質の話をしているんだったら、それも考慮に値するだろうが、そういう意味ではセシウムは少なすぎるんじゃないかな。セシウムが全くなかったとしても、どうせナトリウムやカリウムで硫酸塩になっていたわけで、懸念の本筋はセシウム137がカリウム40に比べて圧倒的に半減期が短いことにある。
むしろ、新しい点は濃縮箇所の予測ができそうってことじゃないかな。例えば、雨になれば水溜りになる場所と、そうじゃない場所を比べると、晴れの日は見た目で区別がつかないかもしれない。でも、線量的には水溜りだった場所の方がホットスポットになってるんだろう。天日干しってのは、言ってみれば雨の成分を濃縮しているようなもんだから。側溝や雨樋の線量が高いってのは言われていたけれど、単にセシウムの化合物が水溶性ってだけじゃなくて、雨が煮詰まる場所だから、っていう視点も必要だろう。
Re: (スコア:0)
>そりゃそうだが、放射性物質がエアロゾルだから特に無害になったり有害になったりするわけじゃない。
>新しい点は濃縮箇所の予測ができそうってことじゃないかな。
なぜ、環境における濃縮箇所には興味を持つくせに人体における濃縮箇所には無関心でいてよいことになるんだい?
エアロゾルの粒径、形状、化学的性質によって、それが体内にどういう密度でどういう期間トラップされるかが異なるのだから、
粒径、形状、化学的性質に対して、どのように放射性物質が人体に影響するのかが分かっていないといけないし、粒径、形状、化学的性質、相で放射性物質が拡散したのかが定量的に分かっていないといけない。
少なくともそのいずれもがわかっていないと、人体への影響の予測は桁でぶれるでしょ。