虫歯の予防は確かに我々に身近なことですから「Quality of Life を追求する」という立場では有用だと思います。しかし、少なくとも代替可能な治療手段、予防手段は他にも存在しており、抗生物質の使用が唯一の選択肢ではない。
それに対して耐性菌による感染症は、しばしば患者の生命に関わる事柄になります。しかも耐性出現により治療方法の選択肢が狭められることになる。特に連鎖球菌ではバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などのように、抗生物質耐性菌の出現がしばしば問題になります。この事例からもそのリスクは決して軽視すべきではないでしょう。
上のコメントに書いたように、いけないのは抗生物質の「濫用」であって、使用そのものではない。けれども率直な感想としては、虫歯の予防を目的に使うってのは、使用量の管理などがどこまで徹底できるかなど併せて考えると、結果的に濫用になってしまう危険性が高いと考えてます。
虫歯って撲滅できないものか・・・ (スコア:0)
殲滅して半永久的に虫歯が発生しないようにする
うがい薬とかは出来ないものか。
Re:虫歯って撲滅できないものか・・・ (スコア:2, 興味深い)
その菌を殺せずに別のもっとひどい病気にかかってしまうおそれがあります。
#/.Jで自分の専門の話が出るとは思わなかった大学生なのでID
Re:虫歯って撲滅できないものか・・・ (スコア:0)
> の菌が入ってきたときに、
> その菌を殺せずに別のもっとひどい病気にかかってしまうおそれがあります。
口の中の常在菌は虫歯の原因となるミュータ
Re:虫歯って撲滅できないものか・・・ (スコア:0)
その手の殺菌とかは大抵他にも影響なしでは済まない筈だが。
Re:虫歯って撲滅できないものか・・・ (スコア:1)
有効性が期待できる方法としては、すでに下の方でググられてるようにワクチンを用いる方法があるでしょう。これならば選択性の問題は解決できます。酸を産生するミュータンス
Re:虫歯って撲滅できないものか・・・ (スコア:0)
> 何より濫用による耐性菌出現の問題からも使うべきではないでしょう。
ということで抗生物質の使用を否定しますか。
しかし抗生物質の使用を否定しているならば、
すでに抗生物質を使わないと決めているのですから
耐性菌が出現しても困りませんよね。
耐性菌を問題扱いするのは抗生物質を肯定しているときだけです。
つまり、耐性菌出現を問題視している時点で、
抗生物質の有用性を認めることが前堤になっているのです。
前堤として抗生物質の有用性を認めておきながら
「使うべきではない」か「使うべきではないとはいえない」か
の判断をするときにその有用性について触れていないようでは
その論理展開に問題があり、結論としては妥当ではないということになります。
Re:虫歯って撲滅できないものか・・・ (スコア:1)
虫歯の予防は確かに我々に身近なことですから「Quality of Life を追求する」という立場では有用だと思います。しかし、少なくとも代替可能な治療手段、予防手段は他にも存在しており、抗生物質の使用が唯一の選択肢ではない。
それに対して耐性菌による感染症は、しばしば患者の生命に関わる事柄になります。しかも耐性出現により治療方法の選択肢が狭められることになる。特に連鎖球菌ではバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などのように、抗生物質耐性菌の出現がしばしば問題になります。この事例からもそのリスクは決して軽視すべきではないでしょう。
上のコメントに書いたように、いけないのは抗生物質の「濫用」であって、使用そのものではない。けれども率直な感想としては、虫歯の予防を目的に使うってのは、使用量の管理などがどこまで徹底できるかなど併せて考えると、結果的に濫用になってしまう危険性が高いと考えてます。
Re:虫歯って撲滅できないものか・・・ (スコア:0)
抜歯後は内服の抗生物質も使われています。
歴史的にこの処置は良い成果を挙げており、多くの医師は否定していません。
この現状を否定するならそれなりの医学的根拠が必要となるのではないでしょうか。
> けれども率直な感想としては、虫歯の予防を目的に使うってのは、使用量の
> 管理などがどこまで徹底できるかなど併せて考えると、結果的に濫用になって
> しまう危険性が高いと考えてます。
治療だから濫用せず、予防だから濫用するという意見には根拠があり
Re:虫歯って撲滅できないものか・・・ (スコア:0)
>これが抗生物質の是非を問う議論の前提となるべきです。
それが望みにくいというのが現実だから、こういう考え方になるのでは。
とんでもない医師がいる(しかも少なくないらしい。だから耐性菌が発生するのでしょう)という前提をはずした議論は、机上の空論でしかない。
Re:虫歯って撲滅できないものか・・・ (スコア:1)
>とんでもない医師がいる(しかも少なくないらしい。だから耐性菌が発生するのでしょう)という前提をはずした議論は、机上の空論でしかない。
概ねその通りです。
ただ、一点だけ補足するなら、耐性菌はそのような医師がいなかったとしても、いずれは出てくる運命にあるものです。通常は、臨床で繁用されるようになって1年もすると非病原性の耐性菌が検出されるようになり、さらに数年ほどで、病原性の耐性菌のうち日和見感染を起こすような低毒性のものが、最初の事例として報告されるようになる、という具合。
だからこそ、耐性菌はあなどってはいけないもので、「切り札」になる薬剤はできるかぎり繁用せず、最後までとっておかないといけない。
#とはいえ、そうも言ってられない事例が多いのも承知はしてますけどね…
現在では、これでも皆、ある程度は気をつけるようになったようで、一時期のアメリカのように「とりあえず原因判らないけど抗生物質つけて出す」なんてことだけはなくなりました。
でも、去年のタミフル(新しい抗インフルエンザ薬)の出し方を見てると、まだまだとんでもない医者が目に余るほどいるのを実感せざるをえなかったのが現状です。