アカウント名:
パスワード:
五 その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者
また、これは私の懸念ですが、第四章の規定の中には、行政機関による情報収集にフリーハンドを与えかねないものが含まれています。たとえば、第23条(第三者提供の制限)には、個人情報が第三者に提供可能な場合として
四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
行政機関が難癖をつけようと思えばいくらでもつけられるようになっている割には、一般の関係者が現場レベルでそれに対抗できるような規定は骨抜きになっているように思いますよ。私が思っているだけで、実際にこの法律を盾に行政機関の介入と戦えるとおっしゃるのであれば、私は法律の素人でもありますし、これ以上申し上げることはありません。
法律の該当する部分は次のとおりです。
第二十三条 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。第三十三条 主務大臣は、この節の規定の施行に必要な限度において、個人情報取扱事業者に対し、個人情報の取扱いに関し必要な助言をすることができる。 第三十四条 主務大臣は、個人情報取扱事業者が第十六条から第十八条まで、第二十条から第二十七条まで又は第三十条第二項の規定に違反した場合において個人の権利利益を保護するため必要があると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。2 主務大臣は、前項の規定による勧告を受けた個人情報取扱事業者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において個人の重大な権利利益の侵害が切迫していると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 3 主務大臣は、前二項の規定にかかわらず、個人情報取扱事業者が第十六条、第十七条、第二十条から第二十二条まで又は第二十三条第一項の規定に違反した場合において個人の重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要があると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第二十三条 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
第三十三条 主務大臣は、この節の規定の施行に必要な限度において、個人情報取扱事業者に対し、個人情報の取扱いに関し必要な助言をすることができる。 第三十四条 主務大臣は、個人情報取扱事業者が第十六条から第十八条まで、第二十条から第二十七条まで又は第三十条第二項の規定に違反した場合において個人の権利利益を保護するため必要があると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。
2 主務大臣は、前項の規定による勧告を受けた個人情報取扱事業者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において個人の重大な権利利益の侵害が切迫していると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 3 主務大臣は、前二項の規定にかかわらず、個人情報取扱事業者が第十六条、第十七条、第二十条から第二十二条まで又は第二十三条第一項の規定に違反した場合において個人の重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要があると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
個人情報の提供を、任意または強制する規定は、既に存在する他の法律によるものであり、同規定があろうとなかろうと関係のない話です
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson
個人情報保護法との兼ね合い (スコア:1, 興味深い)
Re:個人情報保護法との兼ね合い (スコア:2, フレームのもと)
また、これは私の懸念ですが、第四章の規定の中には、行政機関による情報収集にフリーハンドを与えかねないものが含まれています。たとえば、第23条(第三者提供の制限)には、個人情報が第三者に提供可能な場合として
この規定によれば、あらゆる情報が行政機関に筒抜けになってしまいます。行政機関のすることがあまり信用できない昨今にあっては、十分注意を要する規定だと思います。
IAAの理念や実践には素晴らしいものがあると思いますが、妙な法律のせいでスポイルされはしないかと心配なところです。
Re:個人情報保護法との兼ね合い (スコア:0)
残念。
第二十三条は「個人データを第三者に提供してはならない」という内容であって、
「次に掲げる場合を除くほか」に「個人データを提供しなくてはならない」という意味ではありません。
誤読ならいいけど、ミスリードによる陰謀論は勘弁な。
Re:個人情報保護法との兼ね合い (スコア:1)
第23条の四があるために、個人情報取扱事業者が、行政機関から情報提供を求められたときに、それを拒める根拠は、事業者の判断ということになります。ここまではおっしゃるとおり。たしかに、提供しなくてはならないとは書いてありませんね。しかしながら、行政機関は第33条と第34条を根拠に、提供するのが適切だと事業者が判断するように「助言」「勧告」「命令」できます。
たしかに法律の文面には、「個人の権利利益」なる文言がありますが、何が個人の権利利益なのかを決めるのは、「主務大臣」のようですね。
不服があれば裁判で争えということなのでしょうが、災害下の混乱時にそんな悠長なことをやってられないでしょうね。
またこの法律は、個人情報取扱事業者に該当するなら、IAAが活動するような災害時だけでなく、ありとあらゆる場面でかかわりをもってきます。
行政機関が難癖をつけようと思えばいくらでもつけられるようになっている割には、一般の関係者が現場レベルでそれに対抗できるような規定は骨抜きになっているように思いますよ。私が思っているだけで、実際にこの法律を盾に行政機関の介入と戦えるとおっしゃるのであれば、私は法律の素人でもありますし、これ以上申し上げることはありません。
法律の該当する部分は次のとおりです。
Re:個人情報保護法との兼ね合い (スコア:1)
正確に言えば、法23条第1項第4号の事だと思うのですが、この規定は行政機関等が「法令に基づいた事務」を行うにあたり個人情報保護業者が協力する必要がある場合であって、かつ本人の同意を得るには「法令に基づいた事務」の遂行に支障を及ぼす可能性がある場合に、適用除外とする規定です。これは、例えば税務署による国税調査において、金融機関などが任意に協力する場合などがこれにあたります
法23条第1項の規定は、そもそも個人情報取扱業者に対して本人の同意なしでは第三者に提供してはならない、という規定で、第1項1号から4号までの規定は、その例外規定に過ぎず、法23条第1項4号がただちに個人情報取扱業者に対して、個人情報の提供を義務付ける規定ではありません。個人情報の提供を、任意または強制する規定は、既に存在する他の法律によるものであり、同規定があろうとなかろうと関係のない話です
次に法33条の規定ですが、これは「助言」とあるように、強制力を持たない行政指導の範囲に入るものです
法34条の規定は、法第4章第1節に規定される個人情報保護業者に課せられる義務に、個人情報保護業者が違反した場合に管轄する主務大臣が行える行政指導や行政処分を規定したもので、法34条の規定に違反した場合には罰則(法56条)が課せられます
この規定にしても、「第34条を根拠に、提供するのが適切だと事業者が判断するように「助言」「勧告」「命令」でき」るわけではありません。法23条第1項第4号が、個人情報保護業者に対して何らかの義務を課しているわけではないので、当然にこれを根拠に情報提供を求める行政命令は違法であり、行政訴訟による取消の対象になります
Re:個人情報保護法との兼ね合い (スコア:1)
とはいえ、「例外規定」「行政指導」「行政訴訟による取消の対象」というあたりに、まだうさんくさいものを感じています。税務調査の例も、任意性については疑問がありますし、私が書いた、自国の国民を敵視して云々のような状況下で、それらの規定が行政機関に対して本当に歯止めになるのかどうかは甚だ疑問だと思うんですが……。
いい加減オフトピックですし、あまり仮定を重ねてもろくな議論にならない(傍から見たら妄想の域に入っていく)でしょうから、これくらいにします。
Re:個人情報保護法との兼ね合い (スコア:2, 参考になる)
今年の元旦の毎日新聞の社説は、「規制緩和と言いながら法律の数は減っていないではないか」と指摘していましたが、問題はそういうことではありません。確かに、従来の公権力を対立概念と捉える考え方から言えば、煩わしい規則を撤廃して私を自由にしよう、という主張は理解できます。しかし、私を放任すればそれでいいわけではなく、やはり一定のルールを設けて、私の間をフェアに取り扱う合意形成が必要になります。そのためには、まず合意形成を重視した法律作り(パブリックコメントなど)や、行政手続の透明化(行政手続法)、行政の透明化(行政情報公開法)などであり、他方で消費者保護を重視した商取引法の整備、個人情報保護のための各種の法律、反トラスト法制(独占禁止法など)の強化といった方向に動いているわけです