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確かに内容がおかしいのは気づきやすいけど、盗用は気づきにくいとは思う。盗用を疑いながら査読したという経験はそういえばない…。よっぽど著名な論文でたまたま自分で直接精読していたとか、自分や仲間のだったとかでもない限り。
最初から盗用してないかをチェックする目的で査読しているのでもないときに盗用に気づくきっかけは特徴的な言い回しとかだったりするような気もするので、査読者にとって外国語の場合は気づきにくいかもしれないというのもある。
>論文の内容を公開して一定期間クレームを待ち異議がなければ通る、という制度にすればいいのに。
歴史的に,論文誌は公開討論の場でもありますので,クレームがある場合は別途論文(もしくは雑誌によってはショートコメント)として投稿すると載っけて議論しあったりする場合もよくあります.実際,面白い系に関する研究などでは後から肯定派・否定派入り乱れて大論戦になることもありますし.そういう意味では,論文掲載という行為そのものが公開してクレーム待ちの状態,といえるかも知れません.盗用とかそういうのとは違う観点ですが.#まあ物理系とかでのarXivとかもありますけどね.
じゃあ盗用にかんしても,公開という手段で防げるかというと,そもそも有象無象のものまで含めると論文誌がやたら多い(例えば物性・材料科学関連に分野を限ったとしても数十以上,おそらく100や200は関連する論文誌があります.20誌ぐらいは読んでますけど,それ以上はきついですねぇ)ため,マイナーな論文誌などでは読者数が非常に限られます.有名どころの論文誌から盗用したり,有名どころに盗用したものを載せるとばれる確率は高くなりますが,得てしてそういうことをやる場合はマイナーな論文から盗ってきてマイナーな論文誌に投稿すると思われますので,公開してもそもそも(盗用元も盗用先も)ほとんど読んでいる人がいなくて気づかれない,となる気がしてなりません.
昔読んだ科学における欺瞞や論文盗用に関する本「背信の科学者たち」、化学同人の中で医学・薬学系の事例がいくつか紹介されていて、職を得るための経歴詐称の一つとして非常にマイナーな論文誌に盗用元の論文とは微妙に異なるタイトルをつけて盗作論文をマイナーな論文誌に投稿・出版した例もありました. 医学・薬学系には印刷費用を負担すればほぼ無条件に(?)投稿を受け付けてくれる有料論文誌というか雑誌があるというのは驚き.
上記の本はすでに絶版のようですが、出版元は理化学系の専門出版社なので理学部や化学系の学科のある大学図書館なら蔵書に入っているかも.
Googleブックサーチが昔の論文誌まで検索できるようになったりしたらその手の人はみんな失業するんじゃないですかね。APIが公開されたら誰か意地悪な暇人がパクリを検出しまくって大変なことになったりして。
今の状態でもD論とっかかりから半年くらいかかるのにそれがさらにクレーム待ち期間半年とかなると時間的に厳し過ぎる(現状、課程3年+終了後2-3年以内がD取得の制限時間だけどギリギリになることは多い)んじゃないかなー。といって課程の期間を延ばすのも学費負担的に相当きついし…(減収が原因で学費払えなくて今年度から社会人博士の課程を休学中)。
あと、形式的な条件はおそらく東大にもあるだろう(ディテールは少しづつ違うけど名大と東工大と九大では耳にした)けど「すばらしい業績」ならばという例外許容の規則もおそらくあるので盗用に気が付かなければそこらへんで通ったんじゃないかと推測。
>査読のある論文誌に何回以上掲載されるとか
この条件は大抵の大学で存在する。#地方大学は知らんけど
>他の大学の人の文献から何回以上引用されなければならないとか
これは正直厳しい。ある程度順調にいっても、投稿から掲載まで半年、それを誰かが読んで、なおかつこれはちょうどいい/面白いと思って引いてくれそうな人に当たるのが半年以上、その人達が論文を書いて投稿するのが半年、それが掲載されるのがさらに半年後、とかなるんで、論文投稿時から最初に引かれるまで2年とかかかったりする。となると博士課程中に実験をやって結果を出して……って期間も考えると、課程在学中に引用されるかどうかは微妙な場合も。#凄く競争が激しくて関係するグループからばんばん論文が出る分野とか、かなり注目される成果なら別だけど。
ネタ(or 皮肉)にマジレスって気がしないでもないが、本気にする人がいても困るので…。
#1728594 [srad.jp]の意見は博士号を人の募集の条件を始め各種募集の条件にしないならあり得る。なんとなればそれは単に昔の状況に戻るだけだから。文科省が海外並みに博士を増やすと意気込んで、大学に量産しろと発破かけた結果、今の状況になった。結果、助教(助手)の募集ですら今や博士号が条件になっている。この状況で「学外からの評価が出揃ってから」というのはムチャだろう。
(ついでに言えば、このように計画経済的に増産した博士の就職のことを考えてなかったので、需要が増加してないのに供給が増加することになって以前から問題になっていたオーバー・ドクター問題が深刻化した…という労働市場への副作用もある。そういう計画経済的な失敗を糊塗するべく昨今の文科省はことあるごとに「博士修了者の資質」(スキルや人格)の問題に問題をスリ替える傾向がある。今回の事件が文科省の保身にいいように利用されないように祈るしかない。)
東大法学部のことかーーーーーっ!!!!
#東大法学部は、その教授でも博士号もらえているとは限りません
>残念ながら、それが無いのが東大。
今はあったはず。何年か前に規定を変えた覚えがある……ってんで書類を引っ張り出すと、例えば学生に配布したものに
>理学系研究科では博士学位論文を申請する際はその内容を学術誌に公表することを要求
とか
>2008年度以降博士課程入学者に関しては、論文提出時に国際誌に第一著者として受理された論文を一編以上有すること
って記述がある。他の学部とかは知らんけど。#昔は、英文誌の既報があれば博士論文が日本語でOK、無ければ博士論文英語必須、だったっけか。#どっちにせよ日本語で書いてくる馬鹿者は許さんって人が当然多かったけど。
工学系研究科だと、査読つきの学術雑誌に3報アクセプトにならないと博士号が出ない、ってのがあった。学術雑誌は多分英文誌じゃないとダメだったと……。 工学系は指導教員が主査で、指導教員の要求するレベルを満たせ、という意味合いもあったなぁ。 予備審査で突っ込みまくっていろいろ直させて、本審査はシャンシャンに近い状態で通す方式。どうにもならんのは予備審査で叩くから、本審査までたどり着かない。本審査にたどり着いても投降論文が足りないと、アクセプトの通知が来るまで審査結果の合格判定が出ない。
自分達が一番、て態度でいるのは医学系。予備審査無し一発勝負の審査で、平気で落としまくる。指導教授が定年の時に修了する院生でも容赦せずに落とす。症例が少ない、から、論文の体をなしてない、まできっちり却下してくれますね。
制度が変わってなければ、指導教員が審査にノータッチなのが理学系と医学系だったはず。だから、指導教員と揉めた場合でもこの2つの研究科なら何とかなるけど、工学系だと厳しいかも。
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業界の常識 (スコア:3, すばらしい洞察)
誰からも注目されないそこらの学位論文が、誰からも注目されないそこらの文献を盗用したって、誰も気づかない.
いわゆるピア・レビューの厳しい目にさらされるのは注目すべき内容の論文だけであって、ほとんどの論文は投稿時の査読に通ってしまえば学術的な内容はピア・レビューの対象にすらならずに他の文献から一度も引用されることなく「消えていく」と考えてください.
Re:業界の常識 (スコア:1)
確かに内容がおかしいのは気づきやすいけど、盗用は気づきにくいとは思う。
盗用を疑いながら査読したという経験はそういえばない…。
よっぽど著名な論文でたまたま自分で直接精読していたとか、自分や仲間のだったとかでもない限り。
最初から盗用してないかをチェックする目的で査読しているのでもないときに
盗用に気づくきっかけは特徴的な言い回しとかだったりするような気もするので、
査読者にとって外国語の場合は気づきにくいかもしれないというのもある。
Re: (スコア:0)
博士課程の間に書いた論文が、査読のある論文誌に何回以上掲載されるとか、他の大学の人の文献から何回以上引用されなければならないとか、そういう博士論文の審査に入るための条件とか、東大にはないのでしょうか。
Re:業界の常識 (スコア:2, 興味深い)
>論文の内容を公開して一定期間クレームを待ち異議がなければ通る、という制度にすればいいのに。
歴史的に,論文誌は公開討論の場でもありますので,クレームがある場合は別途論文(もしくは雑誌によってはショートコメント)として投稿すると載っけて議論しあったりする場合もよくあります.実際,面白い系に関する研究などでは後から肯定派・否定派入り乱れて大論戦になることもありますし.そういう意味では,論文掲載という行為そのものが公開してクレーム待ちの状態,といえるかも知れません.盗用とかそういうのとは違う観点ですが.
#まあ物理系とかでのarXivとかもありますけどね.
じゃあ盗用にかんしても,公開という手段で防げるかというと,そもそも有象無象のものまで含めると論文誌がやたら多い(例えば物性・材料科学関連に分野を限ったとしても数十以上,おそらく100や200は関連する論文誌があります.20誌ぐらいは読んでますけど,それ以上はきついですねぇ)ため,マイナーな論文誌などでは読者数が非常に限られます.有名どころの論文誌から盗用したり,有名どころに盗用したものを載せるとばれる確率は高くなりますが,得てしてそういうことをやる場合はマイナーな論文から盗ってきてマイナーな論文誌に投稿すると思われますので,公開してもそもそも(盗用元も盗用先も)ほとんど読んでいる人がいなくて気づかれない,となる気がしてなりません.
Re:業界の常識 (スコア:1, 参考になる)
昔読んだ科学における欺瞞や論文盗用に関する本
「背信の科学者たち」、化学同人
の中で医学・薬学系の事例がいくつか紹介されていて、職を得るための経歴詐称の一つとして非常にマイナーな論文誌に盗用元の論文とは微妙に異なるタイトルをつけて盗作論文をマイナーな論文誌に投稿・出版した例もありました. 医学・薬学系には印刷費用を負担すればほぼ無条件に(?)投稿を受け付けてくれる有料論文誌というか雑誌があるというのは驚き.
上記の本はすでに絶版のようですが、出版元は理化学系の専門出版社なので理学部や化学系の学科のある大学図書館なら蔵書に入っているかも.
Re: (スコア:0)
Googleブックサーチが昔の論文誌まで検索できるようになったりしたら
その手の人はみんな失業するんじゃないですかね。
APIが公開されたら誰か意地悪な暇人がパクリを検出しまくって
大変なことになったりして。
Re: (スコア:0)
> 「背信の科学者たち」、化学同人
> [...]
> 上記の本はすでに絶版のようですが、出版元は理化学系の専門出版社なので
> 理学部や化学系の学科のある大学図書館なら蔵書に入っているかも.
近所の図書館で調べてみました。
『背信の科学者たち』、W.Broad、N.Wade著 牧野賢治訳(化学同人、1988年)
こちらは絶版のようですが、講談社ブルーバックスから改訂版が出版されていました。
Re:業界の常識 (スコア:1)
今の状態でもD論とっかかりから半年くらいかかるのにそれがさらにクレーム待ち期間半年とかなると時間的に厳し過ぎる(現状、課程3年+終了後2-3年以内がD取得の制限時間だけどギリギリになることは多い)んじゃないかなー。といって課程の期間を延ばすのも学費負担的に相当きついし…(減収が原因で学費払えなくて今年度から社会人博士の課程を休学中)。
あと、形式的な条件はおそらく東大にもあるだろう(ディテールは少しづつ違うけど名大と東工大と九大では耳にした)けど「すばらしい業績」ならばという例外許容の規則もおそらくあるので盗用に気が付かなければそこらへんで通ったんじゃないかと推測。
Re: (スコア:0)
>査読のある論文誌に何回以上掲載されるとか
この条件は大抵の大学で存在する。
#地方大学は知らんけど
>他の大学の人の文献から何回以上引用されなければならないとか
これは正直厳しい。
ある程度順調にいっても、投稿から掲載まで半年、それを誰かが読んで、なおかつこれはちょうどいい/面白いと思って引いてくれそうな人に当たるのが半年以上、その人達が論文を書いて投稿するのが半年、それが掲載されるのがさらに半年後、とかなるんで、論文投稿時から最初に引かれるまで2年とかかかったりする。となると博士課程中に実験をやって結果を出して……って期間も考えると、課程在学中に引用されるかどうかは微妙な場合も。
#凄く競争が激しくて関係するグループからばんばん論文が出る分野とか、かなり注目される成果なら別だけど。
Re: (スコア:0)
つまり、博士課程を終えるタイミングで学位を与えるのではなく、ある程度の年数が経って学外からの評価が出揃ってから博士号を与えればいいんですよ。
学界で成功した称号としての博士号から研究職の運免許的な博士号のイメージへの変化 (スコア:1)
ネタ(or 皮肉)にマジレスって気がしないでもないが、本気にする人がいても困るので…。
#1728594 [srad.jp]の意見は博士号を人の募集の条件を始め各種募集の条件にしないならあり得る。なんとなればそれは単に昔の状況に戻るだけだから。
文科省が海外並みに博士を増やすと意気込んで、大学に量産しろと発破かけた結果、今の状況になった。結果、助教(助手)の募集ですら今や博士号が条件になっている。この状況で「学外からの評価が出揃ってから」というのはムチャだろう。
(ついでに言えば、このように計画経済的に増産した博士の就職のことを考えてなかったので、需要が増加してないのに供給が増加することになって以前から問題になっていたオーバー・ドクター問題が深刻化した…という労働市場への副作用もある。そういう計画経済的な失敗を糊塗するべく昨今の文科省はことあるごとに「博士修了者の資質」(スキルや人格)の問題に問題をスリ替える傾向がある。今回の事件が文科省の保身にいいように利用されないように祈るしかない。)
Re: (スコア:0)
東大法学部のことかーーーーーっ!!!!
#東大法学部は、その教授でも博士号もらえているとは限りません
Re: (スコア:0)
残念ながら、それが無いのが東大。日本で唯一といってもいいのでは?
自分たちが日本で一番だから、2番手以下の学会の評価を待つまでもないという論理。
日本人で高校から来た人ならば、大抵は頭の良さはずば抜けているから、そんな今の基準で世に出ても
すぐ業績をためて活躍する。もちろん、だめな人も中にはいるけど。
外人だとさらに今回のようなことがある。
Re: (スコア:0)
>残念ながら、それが無いのが東大。
今はあったはず。何年か前に規定を変えた覚えがある……ってんで書類を引っ張り出すと、例えば学生に配布したものに
>理学系研究科では博士学位論文を申請する際はその内容を学術誌に公表することを要求
とか
>2008年度以降博士課程入学者に関しては、論文提出時に国際誌に第一著者として受理された論文を一編以上有すること
って記述がある。
他の学部とかは知らんけど。
#昔は、英文誌の既報があれば博士論文が日本語でOK、無ければ博士論文英語必須、だったっけか。
#どっちにせよ日本語で書いてくる馬鹿者は許さんって人が当然多かったけど。
Re:業界の常識 (スコア:2)
工学系研究科だと、査読つきの学術雑誌に3報アクセプトにならないと博士号が出ない、ってのがあった。
学術雑誌は多分英文誌じゃないとダメだったと……。
工学系は指導教員が主査で、指導教員の要求するレベルを満たせ、という意味合いもあったなぁ。
予備審査で突っ込みまくっていろいろ直させて、本審査はシャンシャンに近い状態で通す方式。
どうにもならんのは予備審査で叩くから、本審査までたどり着かない。本審査にたどり着いても
投降論文が足りないと、アクセプトの通知が来るまで審査結果の合格判定が出ない。
自分達が一番、て態度でいるのは医学系。予備審査無し一発勝負の審査で、平気で落としまくる。
指導教授が定年の時に修了する院生でも容赦せずに落とす。症例が少ない、から、論文の体をなしてない、まで
きっちり却下してくれますね。
制度が変わってなければ、指導教員が審査にノータッチなのが理学系と医学系だったはず。
だから、指導教員と揉めた場合でもこの2つの研究科なら何とかなるけど、工学系だと厳しいかも。
Re:業界の常識 (スコア:2)