Compatibility Settings are optional settings used to preserve visual fidelity of documents created in earlier word processing applications.
It is important to note that all compatibility settings are optional in nature - applications may freely ignore all behaviors described within this section and these settings should not be added unless compatibility is specifically needed in one or more cases. The compatibility settings are provided for backward compatibility with documents created in legacy applications. As such, a number of the settings reference specific applications and specific versions of those applications. This is solely for backward compatibility reasons, and any of those settings are ignorable.
このように明らかな MS Word 互換要素は7つです。個人的には思ったよりも少ないなあと感じました。しかし気になるのはこれらの項目全てに次の注意書きがあることです。
[Guidance: To faithfully replicate this behavior, applications must imitate the behavior of that application, which involves many possible behaviors and cannot be faithfully placed into narrative for this Office Open XML Standard. If applications wish to match this behavior, they must utilize and duplicate the output of those applications. It is recommended that applications not intentionally replicate this behavior as it was deprecated due to issues with its output, and is maintained only for compatibility with existing documents from that application. end guidance]
正直に真実を書こうと努めた結果なのだろうとは思いますが、これではどうして良いのか分かりません。WordPerfect 互換要素に関してはともかく MS Word 互換要素に関してはこれが規格である以上きっちりとした詳細を明らかにしてくれないのは不合理ではないかと思います。特に問題になると思われるのは、詳細な説明も具体例もない以下の6要素です。
従ってこれらの互換要素に関する詳細を明らかにさえしてくれれば MS Word 互換性に関する問題はあまり心配しなくて良いのではないかと思います。これら6要素の詳細を明らかにするのはそう難しい話ではないと思いますので、既に改善されたかこれから改善されるのではないでしょうか(と私は期待しています)。よって MS Word の互換性部分の問題だけをもってオープンではないと批判するのはやや大袈裟なように感じました。
ただし他の部分を読んでみれば、3.14.4 ddeLink (DDE Connection) とかあるのを見て、どうするんだろうなぁと思うわけです。excelに関連する部分に問題があったりしないんでしょうか。また何かしらwindows依存の部分があれば他OSで実装やデータの取扱が困難になるかも知れません。不安要素は MS Word の互換性以外のところにこそたくさんありそうな気がします。むしろそういう点に注目して問題視していかないといけないのではないかと感じます。OLEObjectとかどうなるんでしょう。全部読んだわけではないので分かりませんが、オープンでない可能性は残されているような印象は受けました(特にDrawingMLが混沌としているので心配です)。
ただし、過去のMS Wordの動作との互換性だけの点に絞って言うのなら(他の部分の詳細はまだ読んでないので分かりません)、噂で聞いていたのよりはこれを改善するのは難しくないだろうな、という印象を持っています。個人的には MS Word 互換性の部分だけをもってオープンでないと決めつけるのも今後修正が加わることを考えれば時期尚早だと思いますし、だからといって他の部分も含めた全ての問題点が次回までに解決されるのが困難である可能性も否定できないと思います。まずは問題点がどこにあるのかが明らかにならないと具体論をもってオープンであるのかないのかを判断出来ないでしょう。
本当にオープンならいいんですけどね (スコア:1)
Re:本当にオープンならいいんですけどね (スコア:5, 参考になる)
Re:本当にオープンならいいんですけどね (スコア:1)
Ecmaのページ [ecma-international.org]から拾ってきて検索してみました。「Word95と同じ挙動をすること」とか書いてある部分は
に書かれてるわけですが…
互換性を維持する以上、Word95と同じ挙動にすること、っていうのは妥当に聞こえます。
一応、引用しておきます。
逆にこれらを定義せず、Microsoftの独自拡張として実装したら、それはそれで叩かれるんでしょうし。じゃーWord2007はどうやって互換性をたもてと。
Re:本当にオープンならいいんですけどね (スコア:5, 参考になる)
> 一応、引用しておきます。
引用された部分を読むと確かに互換性保持の部分はオプションだから無視しちゃって構わないよと書いてあるようですが、現実的には無視できないのではないでしょうか。MS Office のと見た目違うじゃん、と言われて結局互換性を無視した実装は使われなくなるのではないかと思われます。
しかし結局のところ、その互換性がいかなるものであるのかが規格において明瞭であれば良いわけです。そんなわけですから
> OOXMLの仕様の中には「Word95と同じ挙動をすること」とか書いてある部分が数多くあって本当にオープンじゃないんですもの。
が本当なのかを簡単に調べてみました(ただしECMAの規格書を調べたので、ISOに提出したものがこれよりも改善されている可能性も改悪されている可能性もあると思います)。"emulate word"を検索すると、以下のような該当部が存在します。
ついでにひっかかったWordPerfect互換要素も挙げておきます。
このように明らかな MS Word 互換要素は7つです。個人的には思ったよりも少ないなあと感じました。しかし気になるのはこれらの項目全てに次の注意書きがあることです。
正直に真実を書こうと努めた結果なのだろうとは思いますが、これではどうして良いのか分かりません。WordPerfect 互換要素に関してはともかく MS Word 互換要素に関してはこれが規格である以上きっちりとした詳細を明らかにしてくれないのは不合理ではないかと思います。特に問題になると思われるのは、詳細な説明も具体例もない以下の6要素です。
一方mwSmallCaps要素に関しては具体例が出ておりますので、ある程度の説明は与えられているのではないかと判断します。
従ってこれらの互換要素に関する詳細を明らかにさえしてくれれば MS Word 互換性に関する問題はあまり心配しなくて良いのではないかと思います。これら6要素の詳細を明らかにするのはそう難しい話ではないと思いますので、既に改善されたかこれから改善されるのではないでしょうか(と私は期待しています)。よって MS Word の互換性部分の問題だけをもってオープンではないと批判するのはやや大袈裟なように感じました。
ただし他の部分を読んでみれば、3.14.4 ddeLink (DDE Connection) とかあるのを見て、どうするんだろうなぁと思うわけです。excelに関連する部分に問題があったりしないんでしょうか。また何かしらwindows依存の部分があれば他OSで実装やデータの取扱が困難になるかも知れません。不安要素は MS Word の互換性以外のところにこそたくさんありそうな気がします。むしろそういう点に注目して問題視していかないといけないのではないかと感じます。OLEObjectとかどうなるんでしょう。全部読んだわけではないので分かりませんが、オープンでない可能性は残されているような印象は受けました(特にDrawingMLが混沌としているので心配です)。
最後に規格の一部だけでも読んだ感想ですが、ODFよりもずっと具体的で、読み易いと思いました。しかし注目を浴びるに決まっているWordprocessingMLやSpreadsheetMLはともかく、PresentationMLとかDrawingMLとかVMLはきちんと目が通されるのでしょうか。DrawingMLの3Dのところとか読むと頭がクラクラしそうです。
Re:本当にオープンならいいんですけどね (スコア:0)
それは仕様がオープンかどうかってのとは全然関係が無いと思いますが。
単にそれを使うアプリを作る側が、ユーザーのニーズをどう判断するか、ってだけの話。
Re:本当にオープンならいいんですけどね (スコア:1)
>それは仕様がオープンかどうかってのとは全然関係が無いと思いますが。
>単にそれを使うアプリを作る側が、ユーザーのニーズをどう判断するか、ってだけの話。
その点をもってオープンであるか否かを問題にしたつもりはありませんし、今回の標準化プロセスにおいても問題となっていないだろうと思います(私が読んだ限りでは各国からそうしたコメントは出ていなかったと思います)。しかし規格上互換性部分を無視しても構わないから詳細を明らかにする必要がないという理屈になるわけではなく、規格として提案する以上、互換性を保持したいと望んだ場合にはそれが実装できるだけの情報が明示されるべきではないでしょうか。その点に関して少なくとも問題になると思われるのが既に挙げた6要素です。これを明瞭に定義しない限りは規格全体がオープンであると言い切れないのは確かでしょう。
ただし、過去のMS Wordの動作との互換性だけの点に絞って言うのなら(他の部分の詳細はまだ読んでないので分かりません)、噂で聞いていたのよりはこれを改善するのは難しくないだろうな、という印象を持っています。個人的には MS Word 互換性の部分だけをもってオープンでないと決めつけるのも今後修正が加わることを考えれば時期尚早だと思いますし、だからといって他の部分も含めた全ての問題点が次回までに解決されるのが困難である可能性も否定できないと思います。まずは問題点がどこにあるのかが明らかにならないと具体論をもってオープンであるのかないのかを判断出来ないでしょう。
というか、ODFがあるんだからOOXMLなんて要らないんじゃない、という根本的な問題が解決されていないので、OOXMLに対して技術的な問題点を挙げることに意味があるのかすら本当は良く分かりません。ひょっとしてオープンだろうがオープンでなかろうがどうでもいいのかも、とGoogleの見解を読んで感じました。
Google's Position on OOXML as a Proposed ISO Standard [odfalliance.org](PDFです)