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リンク先の産経新聞の記事の見出しが「サマータイムに賛成57%」とあるので,どうしてそんな結果になるのかと,当該内閣府の調査を調べてみました。
地球温暖化対策に関する世論調査 [cao.go.jp]から,調査の概要 [cao.go.jp]を見ると,全国の成人3,000人を対象とした層化2段無作為抽出という設計は悪くないのですが,(1)有効回収率が60%で,回収できなかった人の中には475人の「拒否」が含まれているので,仮にこの人たちが全員「反対」か「どちらかといえば反対」だったとしたら,1025人の「賛成」または「どちらかといえば賛成」の人たちの割合は1025/1805ではなく,1025/(1805+475)となって約45%となること,(2)回収率は若年層で低く,とくに20代男性は1/3,30代,40代の男性も約半分しか答えていないので,全国民の意見というよりは高齢者と女性の意見をより強く反映している可能性が高いこと,の2点がわかります。
それでも賛成する人が妙に多いなあと思ってさらに調査票 [cao.go.jp]をみてみると,サマータイム関連の質問をする前に(【資料2】を提示して,調査対象者によく読んでもらってから,以下の質問を行う。)となっていて謎が解けました。この【資料2】(調査票の一番下についています)が,サマータイムの利点を強調し,欠点を一言しか書いていないというものなのです。世論誘導の意図が明らかです。面接調査でこんなことをされたら,回答が偏るのが当たり前です。こんな世論調査は金の無駄遣いなのでやめてほしいと思います。
それでも賛成する人が妙に多いなあと思ってさらに調査票をみてみると,サマータイム関連の質問をする前に(【資料2】を提示して,調査対象者によく読んでもらってから,以下の質問を行う。)となっていて謎が解けました。この【資料2】(調査票の一番下についています)が,サマータイムの利点を強調し,欠点を一言しか書いていないというものなのです。
また内閣府はこんなでたらめな調査してるのか...。
『インターネットの規制はどこまで必要? [srad.jp]』でも同じことをやっていました [srad.jp]( PDFファイル [cao.go.jp])。先に読ませる、(予断を与える)資料を調査票の最後に載せている点が、少し狡猾になりましたね。
ちゃんと設計した調査において回収率があまり高くない場合の「拒否」者の存在は,母集団の想定ができないアンケートでサイレント・マジョリティを勝手にもちだすのとは意味が全く違います。
もっとも,「拒否」の中にもいろいろな理由があるので,本来は拒否の理由を調べて偏りの原因にならないかを確認するべきですが,その情報は発表されていないので(見つけられなかっただけかもしれませんが),内閣府が行うと明示した「地球温暖化政策に関する世論調査」を拒否した人の中には,政策に対していろいろな意味で批判的な人が多いんじゃないか,賛成よりは反対が多いんじゃないかと推測するのは,それなりに合理的な仮定だと思います。
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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」
内閣府の調査における偏り (スコア:5, 参考になる)
リンク先の産経新聞の記事の見出しが「サマータイムに賛成57%」とあるので,どうしてそんな結果になるのかと,当該内閣府の調査を調べてみました。
地球温暖化対策に関する世論調査 [cao.go.jp]から,調査の概要 [cao.go.jp]を見ると,全国の成人3,000人を対象とした層化2段無作為抽出という設計は悪くないのですが,(1)有効回収率が60%で,回収できなかった人の中には475人の「拒否」が含まれているので,仮にこの人たちが全員「反対」か「どちらかといえば反対」だったとしたら,1025人の「賛成」または「どちらかといえば賛成」の人たちの割合は1025/1805ではなく,1025/(1805+475)となって約45%となること,(2)回収率は若年層で低く,とくに20代男性は1/3,30代,40代の男性も約半分しか答えていないので,全国民の意見というよりは高齢者と女性の意見をより強く反映している可能性が高いこと,の2点がわかります。
それでも賛成する人が妙に多いなあと思ってさらに調査票 [cao.go.jp]をみてみると,サマータイム関連の質問をする前に(【資料2】を提示して,調査対象者によく読んでもらってから,以下の質問を行う。)となっていて謎が解けました。この【資料2】(調査票の一番下についています)が,サマータイムの利点を強調し,欠点を一言しか書いていないというものなのです。世論誘導の意図が明らかです。面接調査でこんなことをされたら,回答が偏るのが当たり前です。こんな世論調査は金の無駄遣いなのでやめてほしいと思います。
Minato NAKAZAWA, Ph.D. Demographer, Human Ecologist
Re:内閣府の調査における偏り (スコア:1)
また内閣府はこんなでたらめな調査してるのか...。
『インターネットの規制はどこまで必要? [srad.jp]』でも同じことをやっていました [srad.jp]( PDFファイル [cao.go.jp])。先に読ませる、(予断を与える)資料を調査票の最後に載せている点が、少し狡猾になりましたね。
Re:内閣府の調査における偏り (スコア:1)
さらに言えば、サマータイムの質問よりも先に、環境税についての【資料1】と質問があります。
これがさらに曲者です。「環境を守るための増税に賛成ですか? 反対ですか? (大半の人は反対と答える。)
そうですよね。じゃあ代わりに、サマータイム導入というのはどうですか? これなら懐も痛まず、
環境保護にもなりますよ。」
調査手法として悪質過ぎます。こんな調査結果をぬけぬけと公表した内閣府には、ペナルティとして、
今後2年間はいっさいの社会調査を禁止する、くらいが適切な処分だと思います。
Re: (スコア:0)
賛成理由(リンク先csv) [cao.go.jp]を見ると、両年代での違いはないようですが、反対理由(リンク先csv) [cao.go.jp]のほうでは差が有るようです。
特に差が大きいのが、「外が明るいと退社時間になっても帰りにくくなり、残業が増える恐れがあるから」という項目です(20代 24.4%、30代 41.6%)。
この残業に対する意識の差が、両年代の賛成と反対の割合の差に影響しているような感じがします。
この違いはど
Re: (スコア:0)
>(1)有効回収率が60%で,回収できなかった人の中には475人の「拒否」が含まれているので,
>仮にこの人たちが全員「反対」か「どちらかといえば反対」だったとしたら,
>1025人の「賛成」または「どちらかといえば賛成」の人たちの割合は1025/1805ではなく,
>1025/(1805+475)となって約45%となること,
この意見は
Re:内閣府の調査における偏り (スコア:1)
ちゃんと設計した調査において回収率があまり高くない場合の「拒否」者の存在は,母集団の想定ができないアンケートでサイレント・マジョリティを勝手にもちだすのとは意味が全く違います。
もっとも,「拒否」の中にもいろいろな理由があるので,本来は拒否の理由を調べて偏りの原因にならないかを確認するべきですが,その情報は発表されていないので(見つけられなかっただけかもしれませんが),内閣府が行うと明示した「地球温暖化政策に関する世論調査」を拒否した人の中には,政策に対していろいろな意味で批判的な人が多いんじゃないか,賛成よりは反対が多いんじゃないかと推測するのは,それなりに合理的な仮定だと思います。
Minato NAKAZAWA, Ph.D. Demographer, Human Ecologist
Re: (スコア:0)
>賛成よりは反対が多いんじゃないかと推測するのは,それなりに合理的な仮定だと思います。
【賛成よりは反対が多い】のが「それなり」でしかないと思うのですか?
だったら
>>仮にこの人たちが全員「反対」か「どちらかといえば反対」だったとしたら
この仮定はないですね。
「拒否」は除外するほうがよっぽどフェアです。