アカウント名:
パスワード:
4-5年前に、精原細胞を培養し続けると万能細胞様の細胞になるっていう論文がでてました。Scienceだったかな?忘れましたが。 その時は万能細胞のマーカだけで追い掛けていて、完全じゃないけど見込みありそうって話でした。 abst.読んでないので判りませんが、そのあたりの問題が改善されたっていうのと、最近のiPS細胞絡みでさっさと出さないと一流誌に載せられないという政治的問題で出てきた話なんでしょうか。
#現役を離れて久しいので、識者の意見を伺いたいです
mGS細胞の場合、ゲノムインプリンティングの状態が精子型のものになったままになってるというのが謎な部分で…何で、正常な卵子やESとは違うインプリンティングパターンなのに、そこから正常な個体発生が可能なのかがよく判ってないみたいです。
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人
ようやく (スコア:2, 参考になる)
4-5年前に、精原細胞を培養し続けると万能細胞様の細胞になるっていう論文がでてました。Scienceだったかな?忘れましたが。
その時は万能細胞のマーカだけで追い掛けていて、完全じゃないけど見込みありそうって話でした。
abst.読んでないので判りませんが、そのあたりの問題が改善されたっていうのと、最近のiPS細胞絡みでさっさと出さないと一流誌に載せられないという政治的問題で出てきた話なんでしょうか。
#現役を離れて久しいので、識者の意見を伺いたいです
Re:ようやく (スコア:5, 参考になる)
#正直、専門外だし、追いきれてない部分が圧倒的に多いので、識者からの突っ込み希望。
多能性幹細胞としては、ES細胞がもっとも有名かつ実績がありますが、これを実際にヒトでの幹細胞治療に用いようとする場合、倫理的な問題だけではなく、治療上の問題があります。ES細胞も元々は「他の人のもの」なので、臓器移植と同じく適合性の問題が出てくる。
そこで解決策として、いろんなタイプのES細胞を作ることでカバーしようとか、今あるES細胞を遺伝子操作して、その人にあったES細胞を作ろうという考え方もあるんだけど、ESを作ったり遺伝子操作することには倫理的問題がつきまとってくるし、何よりそれだけ沢山の種類のものが出来たとして、実際に問題が起きるかどうかは(輸血の際、血液型の一致だけじゃ判らないのと同じで)治療に使ってみないと判らない、というのじゃ困る、と。
だからやっぱりなんとかして、治療を受けようとする患者と同じ細胞(同じ遺伝子を持った細胞)で幹細胞治療をしようという試みが何通りか存在してます。
まぁ、やはりいちばんの有望株はiPSなんだけど、もしかしたらiPSに大きな問題点が見つかって、使い物にならなくなるというリスクもないとは言えないわけで。そう考えると、今回のmGS細胞を含めて、いくつかの選択肢があるということも重要になってくるかと。
Re:ようやく (スコア:3, 参考になる)
乗り遅れたのでほんの少しだけ補足を. 正確にはインプリンティングは精子型とESの中間のような感じですね.
論文のFig.4dに詳しいですが,oct4はESにとても近いメチル化パターンですが,nanogは半分だけESのようなパターンです.
この図はとても面白くて,確かにもとの精原幹細胞に比べればずっとESに近い遺伝子発現なのですが,個々の遺伝子では精原幹細胞の特徴を色濃く残していることが分かります.(iPSはほとんどESと区別がつかなかいほど似ています)
生殖系列の細胞では(そしてそれらだけが)ES細胞と同様にOct4を発現しているということは知られていたので,今回の内容はヒトでの結果という以外にそれほど驚きはないのですが,ESと同様に万能性を持っている細胞が,その元となった細胞の特徴をこれだけ残していても万能性を有していられるというのが興味深いです.
実は私の個人的な仕事の範囲で,こういった,万能性と由来の記憶の両立という,同じような傾向が見られているので,なるほどなと思わされる部分が多いです.
kaho