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被告と参加人の主張が全面的に認められたわけではありません。「名誉毀損に当たらない」という主張は通りませんでした。「名誉毀損に当たるが、違法ではない」というのが裁判所の判断です。詳しくはせっかく判決文が公開されてタレコミからリンクまで張られているのですからそちらをご覧になってください。とくに編集者。
「名誉毀損に当たるが、違法ではない」とはどういうことか、わかりにくいと思うので、簡単に記します。
まず、名誉毀損かどうかは、それが事実であるかどうかといったことに関らず、社会的地位を低下させるかどうかで決まります。例えば、会社で上司について「あいつは不倫している」と叫んだら、その上司が実際に不倫をしていたとしても、名誉棄損になります。これに従って、本判決は次のように判示しています。・マルチはいかがわしい商法だし、実際にみんなそう思ってるから、マルチ商法だと指摘して論評することは名誉棄損。・違法な販売活動を行う傾向のある人物だと指摘して論評することもやっぱり名誉棄損。
しかし、この基準で名誉棄損だからといって、損害賠償を制限無く認めるととんでもないことになります。ですから、判例上、次の4つの条件を満たす場合には違法ではないとされます。1.公共の利益に係わることであること。2.執筆者の目的がもっぱら公益を図ることにあること。3.論評の基礎となっている事実の重要な部分が真実であること(あるいは、真実であると信じたことについて"相当の理由"があること)。4.ちゃんと論評の範囲に留まっていること。本件では、この4点が全て認められ、損害賠償責任が無いと判断されたわけです。
この判決の中でも素晴らしいのは、3.の部分でしょう。少し判決文より引用してみます。
〔宣伝にうたわれている効能には〕何らかの実験的な裏付けがあるわけでもなければ,科学的知見に基づく合理的な推論によって説明可能なものでもない。すなわち,現代社会の経験則(ここには科学的に認められた自然法則が含まれる。)に基づく裁判所の判断としては,そのような事象は起こらないと認めるのが相当である。
要するに、「磁気活水器の効能についていろいろ言ってるけど、常識的に考えてありえないよね。」ってなわけです。
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吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人
全面勝訴だけど (スコア:1, 参考になる)
被告と参加人の主張が全面的に認められたわけではありません。「名誉毀損に当たらない」という主張は通りませんでした。「名誉毀損に当たるが、違法ではない」というのが裁判所の判断です。
詳しくはせっかく判決文が公開されてタレコミからリンクまで張られているのですからそちらをご覧になってください。とくに編集者。
Re:全面勝訴だけど (スコア:5, 参考になる)
「名誉毀損に当たるが、違法ではない」とはどういうことか、わかりにくいと思うので、簡単に記します。
まず、名誉毀損かどうかは、それが事実であるかどうかといったことに関らず、社会的地位を低下させるかどうかで決まります。例えば、会社で上司について「あいつは不倫している」と叫んだら、その上司が実際に不倫をしていたとしても、名誉棄損になります。
これに従って、本判決は次のように判示しています。
・マルチはいかがわしい商法だし、実際にみんなそう思ってるから、マルチ商法だと指摘して論評することは名誉棄損。
・違法な販売活動を行う傾向のある人物だと指摘して論評することもやっぱり名誉棄損。
しかし、この基準で名誉棄損だからといって、損害賠償を制限無く認めるととんでもないことになります。ですから、判例上、次の4つの条件を満たす場合には違法ではないとされます。
1.公共の利益に係わることであること。
2.執筆者の目的がもっぱら公益を図ることにあること。
3.論評の基礎となっている事実の重要な部分が真実であること(あるいは、真実であると信じたことについて"相当の理由"があること)。
4.ちゃんと論評の範囲に留まっていること。
本件では、この4点が全て認められ、損害賠償責任が無いと判断されたわけです。
この判決の中でも素晴らしいのは、3.の部分でしょう。少し判決文より引用してみます。
要するに、「磁気活水器の効能についていろいろ言ってるけど、常識的に考えてありえないよね。」ってなわけです。