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今の宇宙開発は汎用機のような高信頼性高コストで運用されているが、今後は信頼性の低い機体を大量投入した方がマシなのではないだろうか?故障したらアウト、何年も待たされるのではリスクが高すぎる。
> 両方が失敗する確率を当初の0.5以下に抑えるためには、おのおののミッションの失敗確率をsqrt(0.5)=0.7以下に抑える必要があります。
これはいいのですが、ここで失敗確率0.5と0.7を比較するのに、その数値比40%(=(0.7-0.5)/0.5)を使って
> つまりは失敗していい確率を40%程度まで増やすことが許される
と言うのは間違いでしょう。
たとえば、個々の成功率93.3%(失敗率6.7%)のシステムが10個直列で全体のシステムが成り立っている場合、全体の成功率は50%(0.93310≒0.5)になります。
一方、個々のシステムが成功率88.5%(故障率11.5%)なら、全体の成功率が30%になります(0.88510≒0.3)。全体の成功率を50%から30%に下げる場合、個々ののシステム全てについて、6.7%→11.5%で故障率が1.7倍になってもいいことになります。
あるいは、システムのうち9つを故障率6.7%におさえられるなら、残り一つのシステムは故障率45%にできます(0.9339×0.55≒0.5)。6.7%→45%でなんと故障率は6.7倍になってもOK。
って、ここで「1.7倍」「6.7倍」って比較はあまり意味ないですね。故障率という「比率」に対して、さらに「比率同士の比率」を計算すること自体が無意味。問題は、故障率を11.5%から6.7%に下げるのにどれだけコスト増になるのかって話で。
作り方次第で、多数投入が低コストになる場合もありえると思います。でも、数飛ばすよりは、そのコストで多重化した機体を1機飛ばした方が、全体としての成功率は上げやすいと思います。たとえば、はやぶさはイオンエンジンを4本積んでましたけど、3本で十分だからとイオンエンジン3本の低コストな観測機を作ってそれ2機飛ばしても、両方ダメになっただろうな、とか。あるいはリアクションホイールももう一個ぐらい積んでたら楽になっただろうな、とか。
#同型の観測機を多数飛ばすといえば、パイオニア10号・11号やボイジャー1号・2号のタッグが思い出深いです…
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds
今後は (スコア:0)
今の宇宙開発は汎用機のような高信頼性高コストで運用されているが、
今後は信頼性の低い機体を大量投入した方がマシなのではないだろうか?
故障したらアウト、何年も待たされるのではリスクが高すぎる。
Re: (スコア:1, 興味深い)
1台の場合の失敗の確率が0.01と低い場合であれば、sqrt(0.01)=0.1ですから別の算段が成り立つかもしれませんが、失敗率の高い宇宙開発関係の問題は一発勝負にかけるしかないように思えます。
Re:今後は (スコア:1)
> 両方が失敗する確率を当初の0.5以下に抑えるためには、おのおののミッションの失敗確率をsqrt(0.5)=0.7以下に抑える必要があります。
これはいいのですが、ここで失敗確率0.5と0.7を比較するのに、その数値比40%(=(0.7-0.5)/0.5)を使って
> つまりは失敗していい確率を40%程度まで増やすことが許される
と言うのは間違いでしょう。
たとえば、個々の成功率93.3%(失敗率6.7%)のシステムが10個直列で全体のシステムが成り立っている場合、全体の成功率は50%(0.93310≒0.5)になります。
一方、個々のシステムが成功率88.5%(故障率11.5%)なら、全体の成功率が30%になります(0.88510≒0.3)。
全体の成功率を50%から30%に下げる場合、個々ののシステム全てについて、6.7%→11.5%で故障率が1.7倍になってもいいことになります。
あるいは、システムのうち9つを故障率6.7%におさえられるなら、残り一つのシステムは故障率45%にできます(0.9339×0.55≒0.5)。6.7%→45%でなんと故障率は6.7倍になってもOK。
って、ここで「1.7倍」「6.7倍」って比較はあまり意味ないですね。故障率という「比率」に対して、さらに「比率同士の比率」を計算すること自体が無意味。
問題は、故障率を11.5%から6.7%に下げるのにどれだけコスト増になるのかって話で。
作り方次第で、多数投入が低コストになる場合もありえると思います。
でも、数飛ばすよりは、そのコストで多重化した機体を1機飛ばした方が、全体としての成功率は上げやすいと思います。
たとえば、はやぶさはイオンエンジンを4本積んでましたけど、3本で十分だからとイオンエンジン3本の低コストな観測機を作ってそれ2機飛ばしても、両方ダメになっただろうな、とか。
あるいはリアクションホイールももう一個ぐらい積んでたら楽になっただろうな、とか。
#同型の観測機を多数飛ばすといえば、パイオニア10号・11号やボイジャー1号・2号のタッグが思い出深いです…