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アメリカは、ドイツ等に比べると再生可能エネルギーの普及が遅れています。少数の遅れている例(それも普及初期段階の例)だけを取り上げて全体を論じるのは、詭弁です。何よりそのアメリカですら、今結構なペースで普及を進めています。
先に、進んでいるドイツの例を挙げておきます。・電力に占める再生可能エネルギーの割合は1998年時点では5%未満でしたが、2010年時点で17%まで増えてます [erneuerbare-energien.de]。毎年数千億円かけてますが、それに匹敵する化石燃料コストを節約してます。加えてその数倍の経済効果が得られていて、雇用も増加しています。・2050年までの長期計画 [www.bmu.de]
脱原発を希望されるなら、ドイツ並に、それなりの額と数十年(彼らですら、これまでの20年+まだあと10年かける予定)の期間をかける覚悟でお願いします。
日本人の悪い所として、こういう災厄が発生すると集団ヒステリーのごとく急進的というかパラノイア的に暴走する所がありますから。 日本の場合、ドイツと比べて、風力資源の少なさや地形の問題、人口密度の高さや大エネルギー消費地である巨大都市が存在する等の都市構造の違い、地下資源の少なさなどがありますので、分散型電源を考慮していない上周波数が統一されていない電力網などなど、ドイツより厳しいコスト面の見通しと別の国になったと評されるぐらいの沢山の変革を覚悟する必要があるでしょう。そしてそれを混乱なく進めるにはおっしゃるとおり数十年の時間と莫大なコストがかかるでしょうから、脱原発をするにしても最低でも既存のものと建設中のものは完成させて寿命までは使い倒すことになるでしょう。 特に東京のような巨大都市は、その都市インフラ(特に高層ビルや地下関連)を維持するためには、沢山のエネルギーを必要としますし、加えてそのような都市は巨大な郊外を抱えて、通勤移動に莫大なエネルギーを使っている事が今春の計画停電で明らかになりました。 そして自然エネルギーの類は分散型電源で密度も低いので、東京一極集中是正など分散型の国家への移行と同時に、各都市のスケールでは人口の増加で広がりすぎた郊外とインフラの整理(ついでにそこを発電用地に?)して低エネルギー消費社会への移行も必要ですし、どうやって移住を促すのかが問題になります。(まさかポル・ポト時代のカンボジアみたいに強制移住というわけにはいかないでしょうし) ちなみにドイツはベルリン都市圏人口が500万人で総人口8175万人、日本は東京都市圏が3500万人で総人口1億2500万人ですので、ドイツの方が国としての分散化が進んでいます。(国土面積は日本の方がやや広いですが山がちな島国であることを考えると、可住面積は大陸にあるドイツの方が広いでしょう) あと産業も今までの巨大工場での製造業(と関連する産業)中心から、観光や金融、コンテンツ関連など物作りとの関連の低い産業のウェイトを上げていく必要があります。その過程では、失業や職業訓練などのコストも発生しますし、当該産業に所属している人は生活かかっていますから死に物狂いで抵抗するでしょう。(特に日本の雇用慣行では) それと、これらを真面目にやると、雇用や食糧(外貨が必要)、物理的な土地の制約から、たぶん人口は長期的にはある程度減らす方向で考えなければならくなるでしょうから、日本版一人っ子政策みたいなものも必要になるかもしれません。 しかも、かなり慎重にやらないと経済の混乱に加え、今いる人口を支えられなくなって、移民を放出する事態となるリスクも心配です。(特に工業系の人が中心かも?)
今回の全量買い取りだって、2年ぐらい前から利害関係者や識者が何十回も集まって相談して、ようやく法案になったものです。
昨日NHKで取り上げていたドイツも、やはりチェルノブイリの事故を受けて利害関係者が何度も話し合い、さらに原発を止めることでどうしても発生するデメリット(ドイツの電気代は先進国では一番高いし、実際に電力を多く消費する産業はドイツから逃げるケースが発生したそうです)を公にして国民に周知して、それにより不利益(失業とか)を受ける人へのケア(失業手当や職業訓練など)をしっかりやったうえで脱原発に踏みきっています。日本みたいな感情論や夢想的な脱原発派とは、覚悟がまるで違います。 最後は日本がどちらの地獄を選ぶかでしょう。 #とにかく福島の事故以来急増している急進的だったり夢想的な脱原発(原発は嫌だけど電気は欲しい、なんとかなるでしょ)は、利権と関わりのない原発推進派にも、真面目な脱原発派にも迷惑です。
お返事ありがとうございます。
>ドイツも (..中略..) 日本みたいな感情論や夢想的な脱原発派とは、覚悟がまるで違います。
そこまで踏まえた上でのご意見でしたか、失礼しました。全面的に同意します。
日本が抱える問題は、原発や再生可能エネルギーに対する知識以前に、エネルギー・経済・環境がいかに相互に影響し合うか、それが自分たちの生活に影響するのか、という基礎知識の不足にあるように思います。嘆いててもしょうがないので、日本でもこれから把握してもらうしか無いんですけど。
# こういう時こそ政治が…と思うのだけど、却って混乱させて下さってますね。
明日にも起こりうる次の災害で現在の原発が事故らない保障が無く、再事故には耐えられない以上、無理でも止めるしかないじゃない?首相以外は幸運をアテにしてるようだけど、そういう時に限って裏目が出るパターンだな。
もちろん、止めただけじゃ危険が続く事は分かってる。安全にするのが先か災害が先か、全てが懸かった競争だ。一歩の遅れが致命的。だれも認識しないなんて、まだ安全ボケが続いてるんだな~。
> 日本人の悪い所として、こういう災厄が発生すると集団ヒステリーのごとく急進的というかパラノイア的に暴走する所がありますから。
どうして日本だけだと思いました?
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犯人は巨人ファンでA型で眼鏡をかけている -- あるハッカー
やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:5, すばらしい洞察)
そうなると、やはり砂漠もなく耕作放棄地全部作付けしても食料の自給すらままならない(バイオマスを栽培するにも水+肥料+農地は必要)、地形や気象も厳しくバラエティーに富む日本ではさらに難しいでしょう。
とはいえ、日本は石油も食料も何かの産業で稼いだ外貨で買わなければならず、天然資源も乏しく、CO2削減要求を跳ね返したり産油国にちょっかいを出す国際発言力や軍事力もない以上、アメリカみたいに無節操に価格上昇傾向の化石燃料にも頼れませんし、ヨーロッパみたいに電力の輸入もできません。
そしてこのアメリカでの結果は日本に対して、今までの経済を維持するために原発を推進するのか、激痛レベルの改革(産業構造や都市構造、国家のあり方など)と国家規模の縮小(人口の削減や広がりすぎた郊外やインフラの整理)の選択という「進むも地獄引くも地獄」な選択を突きつけている記事のような気がします。
Re: (スコア:5, 参考になる)
アメリカは、ドイツ等に比べると再生可能エネルギーの普及が遅れています。
少数の遅れている例(それも普及初期段階の例)だけを取り上げて全体を論じるのは、詭弁です。何よりそのアメリカですら、今結構なペースで普及を進めています。
先に、進んでいるドイツの例を挙げておきます。
・電力に占める再生可能エネルギーの割合は1998年時点では5%未満でしたが、2010年時点で17%まで増えてます [erneuerbare-energien.de]。毎年数千億円かけてますが、それに匹敵する化石燃料コストを節約してます。加えてその数倍の経済効果が得られていて、雇用も増加しています。
・2050年までの長期計画 [www.bmu.de]
もし原発を止めたいなら (スコア:3, すばらしい洞察)
日本人の悪い所として、こういう災厄が発生すると集団ヒステリーのごとく急進的というかパラノイア的に暴走する所がありますから。
日本の場合、ドイツと比べて、風力資源の少なさや地形の問題、人口密度の高さや大エネルギー消費地である巨大都市が存在する等の都市構造の違い、地下資源の少なさなどがありますので、分散型電源を考慮していない上周波数が統一されていない電力網などなど、ドイツより厳しいコスト面の見通しと別の国になったと評されるぐらいの沢山の変革を覚悟する必要があるでしょう。そしてそれを混乱なく進めるにはおっしゃるとおり数十年の時間と莫大なコストがかかるでしょうから、脱原発をするにしても最低でも既存のものと建設中のものは完成させて寿命までは使い倒すことになるでしょう。
特に東京のような巨大都市は、その都市インフラ(特に高層ビルや地下関連)を維持するためには、沢山のエネルギーを必要としますし、加えてそのような都市は巨大な郊外を抱えて、通勤移動に莫大なエネルギーを使っている事が今春の計画停電で明らかになりました。
そして自然エネルギーの類は分散型電源で密度も低いので、東京一極集中是正など分散型の国家への移行と同時に、各都市のスケールでは人口の増加で広がりすぎた郊外とインフラの整理(ついでにそこを発電用地に?)して低エネルギー消費社会への移行も必要ですし、どうやって移住を促すのかが問題になります。(まさかポル・ポト時代のカンボジアみたいに強制移住というわけにはいかないでしょうし)
ちなみにドイツはベルリン都市圏人口が500万人で総人口8175万人、日本は東京都市圏が3500万人で総人口1億2500万人ですので、ドイツの方が国としての分散化が進んでいます。(国土面積は日本の方がやや広いですが山がちな島国であることを考えると、可住面積は大陸にあるドイツの方が広いでしょう)
あと産業も今までの巨大工場での製造業(と関連する産業)中心から、観光や金融、コンテンツ関連など物作りとの関連の低い産業のウェイトを上げていく必要があります。その過程では、失業や職業訓練などのコストも発生しますし、当該産業に所属している人は生活かかっていますから死に物狂いで抵抗するでしょう。(特に日本の雇用慣行では)
それと、これらを真面目にやると、雇用や食糧(外貨が必要)、物理的な土地の制約から、たぶん人口は長期的にはある程度減らす方向で考えなければならくなるでしょうから、日本版一人っ子政策みたいなものも必要になるかもしれません。
しかも、かなり慎重にやらないと経済の混乱に加え、今いる人口を支えられなくなって、移民を放出する事態となるリスクも心配です。(特に工業系の人が中心かも?)
昨日NHKで取り上げていたドイツも、やはりチェルノブイリの事故を受けて利害関係者が何度も話し合い、さらに原発を止めることでどうしても発生するデメリット(ドイツの電気代は先進国では一番高いし、実際に電力を多く消費する産業はドイツから逃げるケースが発生したそうです)を公にして国民に周知して、それにより不利益(失業とか)を受ける人へのケア(失業手当や職業訓練など)をしっかりやったうえで脱原発に踏みきっています。日本みたいな感情論や夢想的な脱原発派とは、覚悟がまるで違います。
最後は日本がどちらの地獄を選ぶかでしょう。
#とにかく福島の事故以来急増している急進的だったり夢想的な脱原発(原発は嫌だけど電気は欲しい、なんとかなるでしょ)は、利権と関わりのない原発推進派にも、真面目な脱原発派にも迷惑です。
Re:もし原発を止めたいなら (スコア:1)
お返事ありがとうございます。
>ドイツも (..中略..) 日本みたいな感情論や夢想的な脱原発派とは、覚悟がまるで違います。
そこまで踏まえた上でのご意見でしたか、失礼しました。全面的に同意します。
日本が抱える問題は、原発や再生可能エネルギーに対する知識以前に、エネルギー・経済・環境がいかに相互に影響し合うか、それが自分たちの生活に影響するのか、という基礎知識の不足にあるように思います。
嘆いててもしょうがないので、日本でもこれから把握してもらうしか無いんですけど。
# こういう時こそ政治が…と思うのだけど、却って混乱させて下さってますね。
Re:もし原発を止めたいなら (スコア:1)
明日にも起こりうる次の災害で現在の原発が事故らない保障が無く、再事故には耐えられない以上、無理でも止めるしかないじゃない?
首相以外は幸運をアテにしてるようだけど、そういう時に限って裏目が出るパターンだな。
the.ACount
Re: (スコア:0)
今回、福島第一の4~6号機は停止中でしたが、それなりに危険な状態になりましたよね。
Re:もし原発を止めたいなら (スコア:1)
もちろん、止めただけじゃ危険が続く事は分かってる。
安全にするのが先か災害が先か、全てが懸かった競争だ。
一歩の遅れが致命的。
だれも認識しないなんて、まだ安全ボケが続いてるんだな~。
the.ACount
Re: (スコア:0)
ストレステストver0.1をパスしただけで安全宣言を出そうとする政府も心配だよ。
テストなんて三ヶ月ごとにアップデートして、その都度、再評価するようなものであるべきで、
それは原発の運転再開の可否とは別に行われてしかるべきなのに。
ていうか、あんまり役に立たなかった原子力安全委員会の権限を強化するとか、もうね・・・。
Re: (スコア:0)
> 日本人の悪い所として、こういう災厄が発生すると集団ヒステリーのごとく急進的というかパラノイア的に暴走する所がありますから。
どうして日本だけだと思いました?