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カナダは原油価格が高騰した事、技術の向上によって、従来は採掘しても採算も合わず採掘で酷い環境汚染をもたらすことから見向きもされなかったオイルサンドの採掘が行われるようになって、それが莫大な利益をもたらしてます。ただ、オイルサンドの採掘は莫大なエネルギーを食う上に、酷い大気汚染をもたらす [worldwatch-japan.org]ため、オイルサンドの採掘を続けている限り温室効果ガスの削減なんてできっこないです。
他の国が加盟してないから等といってますが、たとえ他の国が入った枠組みがあっても他の適当な理由を見つけて参加しなかったでしょうね。本音と建前を使い分けてます。
同じく油田で儲けているノルウェーは京都議定書を批准してるじゃん、と突っ込もうと思ったら彼らはCO2排出量 90年比 1%の増加 [team-6.jp]が認められてるのね
原油とオイルサンドの採掘は採掘工程、採掘に必要なエネルギーがぜんぜん違うことにも注目するべきです。日立総合計画研究所 [hitachi-hri.com]によると、1バレル辺りの温室効果ガス排出量は、原油の場合の役28.6キロに対し、オイルサンドの場合88.5キロと役3倍に及びます。おまけにオイルサンドは「オイル」といってますがその実態はコールタールと言うか、アスファルトに近いような常温では固まっているようなものであり精製後の残留物……つまりそこからよく利用される液状の原油生成物を作成した後に残るゴミは原油より多くて、原油とはまた違った有害物質を含んでいるそうです。
カナダのアルバータ州の2005年の文書 [altanet.or.jp]によるとオイルサンド採掘に対する対価(ロイヤリティ)は総売上の10%、2009年の予想だが同じくアルバータ州の資料によると、オイルサンドの採掘量予想は2010年で一日約220万バレル、原油先物指標の2010年の平均では約1バレル80ドル強であり、80ドルとして計算すると、カナダは日本円にして2010年は、非常に大雑把な計算ですが、年間約5000億円のロイヤリティを得ていることにまります。
一方カナダ政府の発表では、二酸化炭素の排出抑制にかかるコストは約1兆円とのことですがこれは期間が明らかにされていません。年間だったらとても採算は合わないでしょうが、例えば議定書の期間内総額ということであれば大した額ではないと言えます。(アルバータ州の資料によると、採掘技術の向上は著しく、今後増産によって大幅に温室効果ガスの排出は抑えられるという話ですし)
まぁこれをどうみるか……ですが……。これを
「世界がグローバル化しているなか、ひとつの重要な戦略物質である原油を犠牲にしてまで行うことはできない。そんなことをすれば経済が破綻し、温室効果ガスを削減するどころの話ではなくなってしまう」
という考え方もありますし、
「自国が生産することによって発生する、本来は自ら負担すべきコストを世界に転化している。環境破壊によって発生するコストが1兆円というならば、本来はそのぶんを含んだ価格にするべきだ。それで採算が合わないのであればそもそも商売として成立していない」
と考えることもできます。ここらへんは議論が分かれるところでしょう。
ただ、カナダの経済、特に失業率ですが、2010年には約8%に達し、その後2011年になって若干減少傾向にありますが未だ7%台後半と厳しい状況が続いています。人間霞を食って生きていけないということを考えると、地球温暖化防止のための金を払っているよりもまずは足元の失業者を減らす、という判断は、そう責められるものでもない、とも思います。
言えるのは、カナダ政府はよく国内事情を考えて、外交を行なっているということでしょうか。未来のことよりまず自らの足元を見て、ということで割り切るのは、ひとつの道ではあると思います。ただそれが将来、どんな悪影響を及ぼすか、それが原因を発生させた人が、その被害を直接負うわけではない可能性が高いとか、色々とありますが。
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン
本音と建前 (スコア:4, 興味深い)
カナダは原油価格が高騰した事、技術の向上によって、従来は採掘しても採算も合わず採掘で酷い環境汚染をもたらすことから見向きもされなかったオイルサンドの採掘が行われるようになって、それが莫大な利益をもたらしてます。
ただ、オイルサンドの採掘は莫大なエネルギーを食う上に、酷い大気汚染をもたらす [worldwatch-japan.org]ため、オイルサンドの採掘を続けている限り温室効果ガスの削減なんてできっこないです。
他の国が加盟してないから等といってますが、たとえ他の国が入った枠組みがあっても他の適当な理由を見つけて参加しなかったでしょうね。
本音と建前を使い分けてます。
Re:本音と建前 (スコア:2)
同じく油田で儲けているノルウェーは京都議定書を批准してるじゃん、と突っ込もうと思ったら
彼らはCO2排出量 90年比 1%の増加 [team-6.jp]が認められてるのね
Re:本音と建前 (スコア:3, 参考になる)
原油とオイルサンドの採掘は採掘工程、採掘に必要なエネルギーがぜんぜん違うことにも注目するべきです。
日立総合計画研究所 [hitachi-hri.com]によると、1バレル辺りの温室効果ガス排出量は、原油の場合の役28.6キロに対し、オイルサンドの場合88.5キロと役3倍に及びます。
おまけにオイルサンドは「オイル」といってますがその実態はコールタールと言うか、アスファルトに近いような常温では固まっているようなものであり精製後の残留物……つまりそこからよく利用される液状の原油生成物を作成した後に残るゴミは原油より多くて、原油とはまた違った有害物質を含んでいるそうです。
カナダのアルバータ州の2005年の文書 [altanet.or.jp]によるとオイルサンド採掘に対する対価(ロイヤリティ)は総売上の10%、2009年の予想だが同じくアルバータ州の資料によると、オイルサンドの採掘量予想は2010年で一日約220万バレル、原油先物指標の2010年の平均では約1バレル80ドル強であり、80ドルとして計算すると、カナダは日本円にして2010年は、非常に大雑把な計算ですが、年間約5000億円のロイヤリティを得ていることにまります。
一方カナダ政府の発表では、二酸化炭素の排出抑制にかかるコストは約1兆円とのことですがこれは期間が明らかにされていません。
年間だったらとても採算は合わないでしょうが、例えば議定書の期間内総額ということであれば大した額ではないと言えます。(アルバータ州の資料によると、採掘技術の向上は著しく、今後増産によって大幅に温室効果ガスの排出は抑えられるという話ですし)
まぁこれをどうみるか……ですが……。
これを
「世界がグローバル化しているなか、ひとつの重要な戦略物質である原油を犠牲にしてまで行うことはできない。そんなことをすれば経済が破綻し、温室効果ガスを削減するどころの話ではなくなってしまう」
という考え方もありますし、
「自国が生産することによって発生する、本来は自ら負担すべきコストを世界に転化している。環境破壊によって発生するコストが1兆円というならば、本来はそのぶんを含んだ価格にするべきだ。それで採算が合わないのであればそもそも商売として成立していない」
と考えることもできます。ここらへんは議論が分かれるところでしょう。
ただ、カナダの経済、特に失業率ですが、2010年には約8%に達し、その後2011年になって若干減少傾向にありますが未だ7%台後半と厳しい状況が続いています。
人間霞を食って生きていけないということを考えると、地球温暖化防止のための金を払っているよりもまずは足元の失業者を減らす、という判断は、そう責められるものでもない、とも思います。
言えるのは、カナダ政府はよく国内事情を考えて、外交を行なっているということでしょうか。
未来のことよりまず自らの足元を見て、ということで割り切るのは、ひとつの道ではあると思います。
ただそれが将来、どんな悪影響を及ぼすか、それが原因を発生させた人が、その被害を直接負うわけではない可能性が高いとか、色々とありますが。