by
Anonymous Coward
on 2012年02月26日 16時18分
(#2106472)
ところで、その記事には
Because the injuries precluded him from playing professional baseball, Taniguchi was forced to breach his baseball contract. In an attempt to recover his lost wages, he sued Kan Pacific for negligence, ultimately losing when the court granted Kan Pacific summary judgment. Adding insult to injury, the court awarded Kan Pacific costs incurred for translating Taniguchi’s baseball contract, as well as other documents, from Japanese to English.
ひどい (スコア:2, 参考になる)
つまり翻訳費を除けば260ドルだけでいいわけで、そりゃ控訴しますわな
Re: (スコア:0)
裁判費用がそんなに安いのは良いことっていう気もしますが。
Re:ひどい (スコア:2)
念のため補足しますと、敗訴側に負担させられる事務関連費用が5,517ドルで、その内問題となっている翻訳費用が5,257ドルというだけで、弁護士費用等は含まれていません。
ホテル側としても、勝手に訴えてきたから自己防衛として証拠資料を集めて翻訳して、何とか勝訴したにもかかわらず、(弁護士費用のみならず)その翻訳費用は自己負担ということになったら納得できないでしょうね。
この判決次第で、アメリカの裁判における非常に重要なディスカバリー(証拠開示)手続きをどう行うかにも影響しうるということで、それなりに注目されているようです(リンク先は一例)。
http://www.insidecounsel.com/2011/10/06/litigation-lost-in-translation [insidecounsel.com]
Re:ひどい (スコア:2, 興味深い)
ところで、その記事には
Because the injuries precluded him from playing professional baseball, Taniguchi was forced to breach his baseball contract. In an attempt to recover his lost wages, he sued Kan Pacific for negligence, ultimately losing when the court granted Kan Pacific summary judgment. Adding insult to injury, the court awarded Kan Pacific costs incurred for translating Taniguchi’s baseball contract, as well as other documents, from Japanese to English.
「この怪我でプロ野球選手としてプレイできなくなり、年棒を棒に振ることになったため、その失われた年棒を埋め合わせようとKan Pacificを訴えたが負けた」「翻訳したのは野球の契約書などの書類だ」とあるけど、Wikipedia [wikipedia.org]によれば谷口功一選手は2002年で選手をやめているし、WSJ日本版の記事によれば翻訳したのは谷口氏の医療記録だと言うことになっている。
どういうことだろう。
Re:ひどい (スコア:1)
「この怪我でプロ野球選手としてプレイできなくなり、年棒を棒に振ることになったため、その失われた年棒を埋め合わせようとKan Pacificを訴えた」ものの、Kan Pacific側が野球の契約書により既にプロ野球選手としての契約が切れていることを示して勝訴したという流れではないでしょうか。
裁判の争点としてはそちらが主要なものの、翻訳に掛かった費用としては医療記録がメインなのではないでしょうか。
ディスカバリー(証拠開示)は怖い (スコア:0)
>この判決次第で、アメリカの裁判における非常に重要なディスカバリー(証拠開示)手続きをどう行うかにも影響しうるということで、それなりに注目されているようです
アメリカの裁判のディスカバリー(証拠開示)の手続きは怖い
下手に証拠隠蔽しようとしても次々にディスカバリーの要求があって、どうやっても隠しきれない状況に追い込まれて後々非常にヤバくなる
~という話を昔々当時の有名訴訟にも関わった特許部の人から聞いたことがある
その訴訟の時は設計部門から一切合切の文書を特許部に運び込んで開示すべき資料の選別作業をしたもんだから、設計部門は業務停止状態に追い込まれたとか.......
言われてみれば確かに日本から提出した資料の翻訳ってずいぶんと金がかかったはずだ
というわけで、今回の一件は日米の企業間の訴訟問題にも影響するものなのでしょうか?
Re:ディスカバリー(証拠開示)は怖い (スコア:1)
というわけで、今回の一件は日米の企業間の訴訟問題にも影響するものなのでしょうか?
判決次第では影響すると思います。
例えば、(アメリカでの特許について)パテントトロールにアメリカで訴訟を起こされた場合、日本で発明したものであれば様々な技術資料を英訳して提出する必要があるかと思います。
これまでは勝訴すればその翻訳費用は敗訴側に負担させられていたものの、谷口事件の判決によっては勝訴しても翻訳費用が回収できない恐れがでてきます。
適法に取得した特許を防衛するだけで、弁護士費用が掛かり、技術部門や知財・法務部門の労力も大きく割かれるのみならず、翻訳費用も更に負担する必要が出てきたら大変でしょうね。