いえ、米国は「(連邦構成)国家」(states) の連合体による連邦国家ですから、「国道」で正解です (^^)。(もちろん、state を現実には州と訳しているので、一応「州道」で正しいのですが。)米国は EU の国家間の融合度を少し強めたものです。幕末に state を「州」なんて訳してしまうから訳がわからなくなってしまったのです。
英語の state は一義的に、日本国やドイツ、フランス等の主権を有する「国家」という意味で、その転用として、連邦国家の支国である「州」という意味があるのですが、日本では何でも米国を基準として考えるため、日本では state というと「州」という訳語しか思いつかないという状況になっているのだと思われます。
と言うわけで語源的には米国の state は日本語の「州」で間違いはなかったのは事実なのですが、果たして、それをどの程度今の日本人が認識しているかと言えば、極めて心もとないと...。
アメリカ人が、自分たちはアメリカ人だと言う意識が「カリフォルニア人」だという意識よりも本当に強いかどうかはさておいて(何しろ Apple 製品は Made in U.S.A. ではなく Designed in California と刻印されていますからね)、仮にそうだとしても(たぶん、そうです)それには簡単な理由があります。なぜならば、米国の州は国民国家ではないからです。元々(ヨーロッパのように)カリフォルニア民族とかテキサス民族という民族別の国民国家があった訳ではありません。米国は、米国に移民してきて、米国に忠誠を誓った者は全て米国人だという擬制の国家です。米国移民は全て主体的に自分の意思でアメリカ人になるために米国に渡ってきました。だから、元々フロリダ人だとか、カリフォルニア人だと言う意識よりも、(自分が選択した)「アメリカ人だ」という意識が強いのです。
高速道路かな? (スコア:2)
アメリカで一般的にHighwayと言えば、日本の国道にあたるのでは?
高速道路にあたるのは、Freewayじゃないかな
Re: (スコア:1)
しまった!
State Highwayって書いてるから、州道か
日本の県道にあたるのかな?
Re:高速道路かな? (スコア:2)
Re:高速道路かな? (スコア:1)
実体としては,日本の高速道路に近い感じですが.
Re:高速道路かな? (スコア:1)
国道に相当するU.S. Routes [wikipedia.org]ってのもあるんですね.
Re: (スコア:0)
でも「州」って日本では「くに」でしょ?
適訳じゃないの?
わけが分からない理由を詳しく
Re:高速道路かな? (スコア:1)
紀州とか甲州すね
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9E [wikipedia.org]
当時としては妥当だし、現在も注意すれば問題ない位かしらん?
M-FalconSky (暑いか寒い)
Re:高速道路かな? (スコア:1)
でも「州」って日本では「くに」でしょ?
適訳じゃないの?
ええ、幕末の日本語では適訳だったと思います。当時の日本は現行の近代制度に比較すると連邦国家で「藩」や「州」は連邦を構成する支国と見なせましたから。
ところが、その後明治になり、日本が近代化するにあたって、どんどん用語が新しくなって行ったんですね。意味も変わって行った。その結果、現代日本人には「州」というのは何となく「県の大きいもの」みたいなイメージになってしまっていて、「(ある程度制限を課せられた)主権国家」(連邦を構成する支国)という性格が曖昧になってしまっているということです。
英語の state は一義的に、日本国やドイツ、フランス等の主権を有する「国家」という意味で、その転用として、連邦国家の支国である「州」という意味があるのですが、日本では何でも米国を基準として考えるため、日本では state というと「州」という訳語しか思いつかないという状況になっているのだと思われます。
と言うわけで語源的には米国の state は日本語の「州」で間違いはなかったのは事実なのですが、果たして、それをどの程度今の日本人が認識しているかと言えば、極めて心もとないと...。
Re: (スコア:0)
>「県の大きいもの」みたいなイメージになってしまっていて、
自分でいってるじゃん、「なってしまっていて」
イメージの変化で国の呼称を変えられたらたまらんわ。
Re: (スコア:0)
イメージの変化で国の呼称を変えられたらたまらんわ。
残念ながら国の(日本語による)呼称なんて、日本では頻繁に変っていますよ。外務省の外国の国名表記なんてのも一般に普及しているのと違いますし(しかし、それが日本国の公式の外国の呼称なんです)、それもどんどん変っています。「チェコ」なんて、この前まで外務省のホームページでは「チェッコ」でした。「象牙海岸」はいつの間にか「コートジボアール」になっていたし、「オマーン土侯国」はいつの間にか「オマーン首長国」になっていました。「ソビエト連邦」も以前は「ソビエト同盟」でした。「白ロ
Re: (スコア:0)
親コメは「州」の意味の変化について言ってるのに見事なまでの話題そらし
Re: (スコア:0)
どっかの政党が、本気で道州制&地方分権導入したら、日本でも理解が深まるのかもですな。
だがしかし、もしホントにそうなったとしても、各所からの横槍でグダグダになるんでしょうけどねw
でもって、横槍入れる連中が、本気で自分の行いが正しいことだと信じていて、なおさらタチが悪いと。
Re: (スコア:0)
> 米国は EU の国家間の融合度を少し強めたものです。
それはさすがに違うでしょ。
制度上もそうだけど、なにより本人たちの意識の持ち方が全然違います。
アメリカ人は、自分たちはアメリカ人だと思ってますから。
アメリカの利益よりも州の利益を優先させる考え方を持ってる人はあまりいないでしょう。
(独立以前ならともかく)。
一方、EUは、自国の利益よりもEUの利益を優先させる考え方は少数でしょうね。
幕末の日本は微妙ですね。「自分たちは~~藩人だ」という意識から、
「自分たちは日本人だ」という意識を持ち始めた変化の時期ですから。
Re:高速道路かな? (スコア:1)
現在の EU の統合をさらに進めた形がかつてのオーストリア=ハンガリー二重君主国 (Impĕrĭum Austrō-Hungāricum / Österreichisch-Ungarische Monarchie / Osztrák–Magyar Monarchia) でしょうね。(君主が皇帝であるオーストリア帝国と君主が国王であるハンガリー王国の国家連合だったので、「帝国」ではなく「君主国」と呼ぶのが正しい。実際、原語でも君主国。)実はオーストリア=ハンガリー二重君主国は現在の EU の1つのモデルでもありますし、欧州統合や EU を推進したリヒャルト・ニコラウス・栄次郎・クーデンホーフ=カレルギー(青山栄次郎)伯爵やオットー・フォン・ハプスブルク大公もオーストリア=ハンガリー二重君主国出身者でした。オーストリア=ハンガリー二重君主国の政体をさらに推し進めて行ったものが米国やドイツのような連邦国家です。
ここでお話しているのは、あくまでも国家形態の問題であって、国民の民族意識の問題ではありません。
アメリカ人は、自分たちはアメリカ人だと思ってますから。
ヨーロッパ人も「ヨーロッパ人」意識は持っています。アジアのアジア人意識よりも強固です。アジアにアジア人意識が乏しいのは元々のアジアという概念がヨーロッパ人に作られたものであり、ヨーロッパ以外は全てアジアだったからです。そのため、人種も、文化も言語も宗教も全く違う諸民族が「アジア人」とひと括りにされてしまっているのです。元々同じアジアに住んでいると言う自覚がなかったのですから、アジア人意識とか連帯感が芽生えるはずがない。その点、ヨーロッパ人は人種的にも文化的にも言語的にも(一部例外がありますが)、宗教的にも同じなので、元々「ヨーロッパ人意識」が強く形成されていたのです。
アメリカ人が、自分たちはアメリカ人だと言う意識が「カリフォルニア人」だという意識よりも本当に強いかどうかはさておいて(何しろ Apple 製品は Made in U.S.A. ではなく Designed in California と刻印されていますからね)、仮にそうだとしても(たぶん、そうです)それには簡単な理由があります。なぜならば、米国の州は国民国家ではないからです。元々(ヨーロッパのように)カリフォルニア民族とかテキサス民族という民族別の国民国家があった訳ではありません。米国は、米国に移民してきて、米国に忠誠を誓った者は全て米国人だという擬制の国家です。米国移民は全て主体的に自分の意思でアメリカ人になるために米国に渡ってきました。だから、元々フロリダ人だとか、カリフォルニア人だと言う意識よりも、(自分が選択した)「アメリカ人だ」という意識が強いのです。
その点、元々国民国家が中心である欧州では、国家ごとの民族意識が強いのは当然です。これは米国(契約で米国人となる)とは違い、「血」ですから、理屈ではなく強い絆で繋がれています。
これは日本人だって同じで、どんな愛国者であっても、圧倒的多数の日本人にとっては、同じ日本人だと言う絆よりも、家族の絆の方が強いでしょう?
日本では「欧米」とひと括りにするのが一般的ですが、実は伝統社会である欧州と同じ伝統社会である日本の方が共通項が多かったりします。米国は欧州的なものを否定する人々が作った国家ですから、意外と欧州人とはメンタリティーも違う。だから、米国人を元に「西洋人はこうだ」と考えると、とんでもない見当違いとなる。(欧州人は意外と「あうんの呼吸」の以心伝心と、義理と人情の文化です。)
で、そのような国家を構成する国民の民族意識の違いを国家形態の問題と混同するべきではありません。行政的には複数の国家が連合する時にどのような統合形態を取るかというレベルの話にすべきだと思います。
構成国家の統合度の順で言えば、
「独立国家共同体 (CIS)」→「EU」→「オーストリア=ハンガリー二重君主国 (K.u.K.)」→「英国」→「米国」→「ドイツ」等の欧州の連邦諸邦
といった感じでしょうか?(日本では英国はゲルマン人のイングランド王国とケルト人のスコットランド王国、ケルト人のウェールズ公国の同君連合国家だという認識はあまりないようです。)
欧州統合がこのまま順調に進めば、フランス人だとかドイツ人だと言った民族意識よりもヨーロッパ人だと言う意識の方が強まることになると思います。(それが果たして良いことなのかどうかはわかりませんが。)不幸にも内戦状態になった旧ユーゴスラヴィアでも国勢調査の時に民族籍 (nationality) を訊ねられて、自分の本来の民族名を答えず、「ユーゴスラヴィア人」と記入した国民が国勢調査の度に増えて行っていました。1971年には総人口の 1.3 % が、1981年には 5.4 % が自分はユーゴスラヴィア人だと名乗っていました。10年でこれだけ増えたのですから、平和な EU でも同程度の速度で自分をヨーロッパ人だと見なす人々が増えている可能性は十分あります。私は欧州合衆国が実現するかどうかの可能性は8分2分だと見ています。
幕末の日本は微妙ですね。「自分たちは〜〜藩人だ」という意識から、 「自分たちは日本人だ」という意識を持ち始めた変化の時期ですから。
現在の欧州はまさに幕末の日本の状況と似ていると考えています。