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佐川も「飛脚特定信書便」てのを許可を得てやってるはずなのですが。
ダイレクトメールを、その(料金がムダに高い)サービスを使わずメール便として送った(から違法)ということでしょうか。
そういうことですね (今回問題になった信書便物がダイレクトメールかどうかは知りませんが)。
佐川急便が許可を受けている特定信書便事業の種類は、 (1) 長さ、幅、厚さの合計が 90 センチメートルを超えるか重量が 4 キログラムを超える信書便物の送達と (2) 1 通あたりのサービス料金が 1,000 円を超える信書便の 2 種類です。 (特定信書便事業を定義している信書便法第 1 条第 7 項 [e-gov.go.jp]での番号に合わせてだと思いますが、佐川急便では (1) を「飛脚特定信書便 1 号」、 (2) を「飛脚特定信書便 3 号」と呼んでいます。参考: 飛脚特定信書便 [sagawa-exp.co.jp]。) なので、届ける信書が (1) の条件を満たさない場合、 1 通 1,000 円以下で引き受けてはいけないことになります。
ちなみに、このルールのせいで、配達してほしい信書便物が大きいか重い方が、小さくて軽い場合より安くなる場合があるようです。飛脚特定信書便料金表 (PDF) [sagawa-exp.co.jp] を見ると、 (1) の条件を満たすサイズ区分 100 の信書便物を同一地帯内で 501 通以上送る場合、割引があって 1 通あたり 882 円で送れることになりますが、 (1) の条件を満たしていない場合は飛脚特定信書便 3 号になるので、 1 通あたり 1,010 円を下限とすると料金表にあります。変なの。
へえ。こんな法律があったんだ。一律信書は民間(日本郵便以外という意味)はダメとばっかり思ってました。けどこんなにあからさまに他社を排斥する条文もめずらしいのではないでしょうか。要は、「余計な手間を掛けず量が見込めるメインのターゲットはうち(日本郵便)がやるから他は手を出すな」ってことなわけで。
一律信書は民間(日本郵便以外という意味)はダメとばっかり思ってました。
昔はそうでした。 2003 年 4 月に信書便法が施行され、許可を受ければ民間でも信書便事業 [soumu.go.jp]ができるようになりました。
要は、「余計な手間を掛けず量が見込めるメインのターゲットはうち(日本郵便)がやるから他は手を出すな」ってことなわけで。
えっと、それは合っている面もありますが、重要なところで少し違います。少なくとも建前としては。
信書便事業には一般信書便事業と特定信書便事業があります。一般信書便事業の許可を取れば民間でも郵便と同じような小型軽量安価の信書便を取り扱うことができます。ただし、一般信書便事業の許可を得るためには、全国均一料金で、 25 グラム以下の信書便物の料金が 80 円以下、全国で原則毎日 1 通からの引き受け・配達をすることなどの条件があり、現在許可を得ている一般信書便事業者はありません [soumu.go.jp]。
一般信書便事業は、日本郵便が独占的に行う郵便の業務と競合する事業です。郵便法 [e-gov.go.jp]により、日本郵便にはユニバーサルサービス [wikipedia.org]を提供する義務があり、採算性の悪い田舎の郵便サービスを値上げしたり廃止したりする自由がありません。この状態で一般信書便事業への民間参入を無条件に認めれば、日本郵便の経営が行き詰まり、田舎では今と同じ郵便サービスを今のような料金で受けることができなくなることがほぼ確実です。なので、ユニバーサルサービスを提供できる事業者しか一般信書便事業に参入してはいけない、というルールを設けているのです。仮にそういう事業者があれば、日本郵便と民間事業者の間の競争になり、仮に日本郵便が競争に負けて潰れても民間事業者が郵便と同等のユニバーサルサービスを提供してくれるのですから、国としては問題がないことになります。
なので、一般信書便事業への参入に際して規定されている厳しい条件は、実態としては日本郵便を保護しているかもしれませんが、建前としては小型軽量安価な信書便物の配達というユニバーサルサービスを保護しているのであって、品質の高い安価で非差別的な配達サービスが実現されるなら誰がそのサービスを提供しても良いというのが一般信書便事業制度のスタンスです。
という点を理解した上でなら、「いや、自由競争こそが正義で、郵便サービスをユニバーサルサービスとして提供しようというのがそもそもの間違いである」という意見もありうると思います。なお、念のために書いておくと、僕はこのコメントで一般信書便事業に高いハードルが設けられている意図を説明しているだけで、それが良いことか悪いことかについては意見を述べていません。
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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家
無許可での信書配達 (スコア:2, 参考になる)
佐川も「飛脚特定信書便」てのを許可を得てやってるはずなのですが。
ダイレクトメールを、その(料金がムダに高い)サービスを使わずメール便として送った(から違法)ということでしょうか。
Re:無許可での信書配達 (スコア:5, 参考になる)
そういうことですね (今回問題になった信書便物がダイレクトメールかどうかは知りませんが)。
佐川急便が許可を受けている特定信書便事業の種類は、 (1) 長さ、幅、厚さの合計が 90 センチメートルを超えるか重量が 4 キログラムを超える信書便物の送達と (2) 1 通あたりのサービス料金が 1,000 円を超える信書便の 2 種類です。 (特定信書便事業を定義している信書便法第 1 条第 7 項 [e-gov.go.jp]での番号に合わせてだと思いますが、佐川急便では (1) を「飛脚特定信書便 1 号」、 (2) を「飛脚特定信書便 3 号」と呼んでいます。参考: 飛脚特定信書便 [sagawa-exp.co.jp]。) なので、届ける信書が (1) の条件を満たさない場合、 1 通 1,000 円以下で引き受けてはいけないことになります。
ちなみに、このルールのせいで、配達してほしい信書便物が大きいか重い方が、小さくて軽い場合より安くなる場合があるようです。飛脚特定信書便料金表 (PDF) [sagawa-exp.co.jp] を見ると、 (1) の条件を満たすサイズ区分 100 の信書便物を同一地帯内で 501 通以上送る場合、割引があって 1 通あたり 882 円で送れることになりますが、 (1) の条件を満たしていない場合は飛脚特定信書便 3 号になるので、 1 通あたり 1,010 円を下限とすると料金表にあります。変なの。
Re: (スコア:0)
へえ。こんな法律があったんだ。一律信書は民間(日本郵便以外という意味)はダメとばっかり思ってました。
けどこんなにあからさまに他社を排斥する条文もめずらしいのではないでしょうか。
要は、「余計な手間を掛けず量が見込めるメインのターゲットはうち(日本郵便)がやるから他は手を出すな」ってことなわけで。
Re:無許可での信書配達 (スコア:5, 参考になる)
昔はそうでした。 2003 年 4 月に信書便法が施行され、許可を受ければ民間でも信書便事業 [soumu.go.jp]ができるようになりました。
えっと、それは合っている面もありますが、重要なところで少し違います。少なくとも建前としては。
信書便事業には一般信書便事業と特定信書便事業があります。一般信書便事業の許可を取れば民間でも郵便と同じような小型軽量安価の信書便を取り扱うことができます。ただし、一般信書便事業の許可を得るためには、全国均一料金で、 25 グラム以下の信書便物の料金が 80 円以下、全国で原則毎日 1 通からの引き受け・配達をすることなどの条件があり、現在許可を得ている一般信書便事業者はありません [soumu.go.jp]。
一般信書便事業は、日本郵便が独占的に行う郵便の業務と競合する事業です。郵便法 [e-gov.go.jp]により、日本郵便にはユニバーサルサービス [wikipedia.org]を提供する義務があり、採算性の悪い田舎の郵便サービスを値上げしたり廃止したりする自由がありません。この状態で一般信書便事業への民間参入を無条件に認めれば、日本郵便の経営が行き詰まり、田舎では今と同じ郵便サービスを今のような料金で受けることができなくなることがほぼ確実です。なので、ユニバーサルサービスを提供できる事業者しか一般信書便事業に参入してはいけない、というルールを設けているのです。仮にそういう事業者があれば、日本郵便と民間事業者の間の競争になり、仮に日本郵便が競争に負けて潰れても民間事業者が郵便と同等のユニバーサルサービスを提供してくれるのですから、国としては問題がないことになります。
なので、一般信書便事業への参入に際して規定されている厳しい条件は、実態としては日本郵便を保護しているかもしれませんが、建前としては小型軽量安価な信書便物の配達というユニバーサルサービスを保護しているのであって、品質の高い安価で非差別的な配達サービスが実現されるなら誰がそのサービスを提供しても良いというのが一般信書便事業制度のスタンスです。
という点を理解した上でなら、「いや、自由競争こそが正義で、郵便サービスをユニバーサルサービスとして提供しようというのがそもそもの間違いである」という意見もありうると思います。なお、念のために書いておくと、僕はこのコメントで一般信書便事業に高いハードルが設けられている意図を説明しているだけで、それが良いことか悪いことかについては意見を述べていません。