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phasonの日記: ウェハーサイズの単結晶グラフェン作成法 [srad.jp]
今回のストーリーの方は、大量生産は良いですがまともにウェハーとして使えるほどのきれいなものって作れるんですかね。
おそらくは無理かと。原料にグラファイトを使っていますが、グラファイトの時点で2D方向に多結晶であり、多くの欠陥があります。気相法でじっくり単層を合成するよりも、出発物質の時点でダメです。また、剥離した後も、"few-layer"とあるように、完全に単層のグラフェンにならず、数層のものが混じってしまいます。そして。それらを完全に剥離するほどエネルギーをかけたら、単層のグラフェンも粉々になって小さいものしか出来ません。実際に、今回出来たものは100nm程度の破片です。機械的な力を使うことの欠点ですね。ただし、多孔質電極とか導電性フィラーのような用途に使うのであれば問題はないでしょうね。
そもそも、このような「機械的な力でグラファイトから剥離」というのは、論文内でも触れられていますが、超音波などの方法で既知です。グラフェンの大量合成は数年前から機械的・化学的に様々な手法で試みられていますが、今回の方法は「伝統的な超音波乳化機よりも、ミキサーを使ったほうがエネルギーコストが低い」というもので、単にコストの話です。
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普通のやつらの下を行け -- バッドノウハウ専門家
最近のphason氏の日記より (スコア:1)
phasonの日記: ウェハーサイズの単結晶グラフェン作成法 [srad.jp]
今回のストーリーの方は、大量生産は良いですがまともにウェハーとして使えるほどのきれいなものって作れるんですかね。
Re:最近のphason氏の日記より (スコア:5, 参考になる)
おそらくは無理かと。
原料にグラファイトを使っていますが、グラファイトの時点で2D方向に多結晶であり、多くの欠陥があります。
気相法でじっくり単層を合成するよりも、出発物質の時点でダメです。
また、剥離した後も、"few-layer"とあるように、完全に単層のグラフェンにならず、数層のものが混じってしまいます。
そして。それらを完全に剥離するほどエネルギーをかけたら、単層のグラフェンも粉々になって小さいものしか出来ません。
実際に、今回出来たものは100nm程度の破片です。
機械的な力を使うことの欠点ですね。
ただし、多孔質電極とか導電性フィラーのような用途に使うのであれば問題はないでしょうね。
そもそも、このような「機械的な力でグラファイトから剥離」というのは、論文内でも触れられていますが、超音波などの方法で既知です。
グラフェンの大量合成は数年前から機械的・化学的に様々な手法で試みられていますが、
今回の方法は「伝統的な超音波乳化機よりも、ミキサーを使ったほうがエネルギーコストが低い」というもので、単にコストの話です。