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一々コメント付けようとしたけど、投稿制限で個別に付ける余裕がないので単独で書くけど
・まず、裁判所の役割として、被告の所在を探し出して住所等を確定させるべきというのは筋違い。それは原告の役割。裁判所は原告が指定した被告の住所等に訴状を送付すれば足りるので、それ以上に実際その住所等に被告が現住するかなど調査するべき義務はない。そうなると、今回みたいに被告と無関係の住所に送付されて裁判が開始されて被告敗訴で確定した場合の後処理が問題となるけれど、そもそも被告に裁判に関与する機会が与えられていなかったのだから、控訴の追完(通常と違って期間経過後も可能な控訴)や再審の訴えで判決を取り消すことになる。このケースでは請求異議訴訟(「判決の執行力を排除する訴え」)を起こしたようだ。
・住所等含めて申立内容を確認しないという指摘も筋違い。申立内容に齟齬がないかは訴状審査の段階で行うべき話ではなくて、本案審査の段階での話。訴状審査では被告の情報がきちんと埋まっているか、申立の趣旨や理由がそれなりにもっともらしく書かれているか程度しか審査しない。たとえば、申立理由に「不満なので裁判起こしました」としか書いてなかったら訴状は受理されない。その程度。ましてやURLの違いなんて一々チェックするわけがない。
・基本的に民事事件というのは原告と被告の言い分を両方聞いて調整するのが役割なので、刑事事件みたいに真実の究明なんてことに目標を置いていない。たとえそれが原告の作り出した虚実であっても被告がそれで納得するのだったらそれとして認定するのが裁判所の役割。なので、原告が主張した事実に被告が有効な反論をしないのだったら、たとえそれが真実と異なっていたとしてもその通りに確定する。それ以上に裁判所が首を突っ込んで「いや、真実は違うところにあるのではないか」という疑問を差し挟むことはしない。これが当事者主義という民事事件の大原則。原則というからには当然例外もある。境界確定訴訟とかその辺は調べてください。
・したがって、裁判所がよく調べもせずに差押えまでした責任が云々という話もおかしくて、そもそもそのような責任は裁判所にはないので、この簡裁の「現時点で手続き上の問題は確認されていない」というのはその通り。責任がないのだから、被告側の弁護士が追及しないのも当たり前のこと。
・原告に詐欺罪や公文書偽造罪が成立するかだけど、詐欺罪はいわゆる訴訟詐欺の典型例なので成立する可能性が高い。公文書偽造罪は、訴状自体が公文書(公務所または公務員が作成すべき文書)ではないから成立しない。では私文書偽造罪かと言うと、作成名義人はあくまで原告となっていて、名義を偽るわけでもないので、これも成立しない。なんかおかしいんじゃないかと思うかも知れないけど、訴状をでっち上げた行為は詐欺罪で評価し尽くされているので、それで構わないという発想がされている。それで、こちらは被告側が起こす刑事事件なので、賠償は別に民事事件として起こさないといけない。それが被告側がすでに起こしている「精神的な苦痛を受けたとして男性に慰謝料などを求め、大分地裁に提訴」というもので、これはおそらく不法行為による損害賠償責任を追及しているのだろう。
・それから、送達に関して、本件の「付郵便送達」のことを簡易書留や一般書留の間違いじゃないかと訝る意見があるけど、通常の送達は特別送達という郵便(分類上は一般書留の特殊形態)を使って行われていて、対面でないと受け渡しができない。そうなると、訴状さえ受け取らなければ裁判は始まらないだろうと高を括って居留守使う被告が出てくるので、そうした場合に対応する手段がこの付郵便送達。これが日本独自の特殊な制度なのかについては知らないけれど、たしかに米国 [itlaw.jp]では類似の制度はないようだ。
総じて裁判所の役割に対する期待が高すぎる印象を受けたけど、裁判所ってそんなに高所からあれこれと調べてくれるわけじゃない。以前、相手方が特定できそうになくて非常に苦労した経験があるが、スラド住民だとたとえば請負先の働いている苗字くらいしか知らない派遣社員にとてもひどい目に遭わされて、訴訟起こしたいんだけど派遣期間が切れたら職場への送達もできないし、派遣元企業に送達しようにも苗字だけでは裁判所が受け付けてくれないなんて事態は容易に想定できる。じゃあというので、請負先に名前まで開示するように求めてもトラブルには巻き込まれたくないとか個人情報は開示できないと拒まれたりして取得できなかったりする。もうそうなるとけっこうお手上げなんだよな。よく、「裁判起こせばいい」って軽く言うけれど、街中で遭遇したトラブルはもとより、職場においてだってある程度恒常的な人間関係でなければ裁判なんて起こすのすら困難であるというのは日頃から認識しておいたほうがいいと思う。
> 基本的に民事事件というのは原告と被告の言い分を両方聞いて調整するのが役割なので、刑事事件みたいに真実の究明なんてことに目標を置いていない。たとえそれが原告の作り出した虚実であっても被告がそれで納得するのだったらそれとして認定するのが裁判所の役割。
でも今回の件って、そもそも被告は裁判が起きている事自体知らないし、裁判所は被告の言い分を聞いていないし、被告はまったく納得していないじゃない。
その話はそこより前半に書いてあるじゃん…。
どれだけ噛み砕いて説明されてもたった1行の見当違いなレスにプラスモデ付くのが今のスラドの限界
つまりモデに期待を高く持ってはいかんと
「日本人の5割くらいは5行以上の長文読んで意味を取ることができない」https://togetter.com/li/1651304 [togetter.com]
これってさ、日本人以外なら5割以上は5行以上の長文読んで意味を取ることができるってこと?まあ、ただのヘイトスピーチの類だと思うけどさ。
この件はシステムのバグによって本来の民事訴訟の役割がうまく機能しなかったといえるケースなので、「基本的に両者の意見を聞いて調整するのが役割」であることは間違ってないよ。
うん、だから、片方しか法廷に存在していない場合の対処の仕方も予め決まっていて、いわゆる「欠席裁判」のようなことになると欠席した側は原則として相手側の言い分を認めたとみなされる。でも、そう決めてしまうと、今回の件みたいに、欠席した側に非がないような場合にまで参加できなかった側が不測の損害を被ることがあるので、そうした事態にも対処できるように事後的に救済措置が講じられているわけです。
一言で書くと「裁判所はそこまで悪意のある訴訟には対応しておらず、詐欺罪として警察の領分になる」と理解した。
法律関係で不用意に「悪意」って書くと意図しない意味に捉えられるから気をつけたほうがいいってどっかで聞いた。
取り消すのに執行力を排除する訴えを起こして手間かけるしかないのがなんとも…。女性の言い分を鵜呑みにするわけにはいかないって考えると仕方ないことなのかなぁ。
控訴の追完(通常と違って期間経過後も可能な控訴)や再審の訴えで判決を取り消すことになる。このケースでは請求異議訴訟(「判決の執行力を排除する訴え」)を起こしたようだ。
とか書いているけど最後には
「裁判起こせばいい」って軽く言うけれど、街中で遭遇したトラブルはもとより、職場においてだってある程度恒常的な人間関係でなければ裁判なんて起こすのすら困難であるというのは日頃から認識しておいたほうがいいと思う。
と言っている時点で矛盾している
裁判起こすのはかんたんじゃないんだから原告の嘘八百で被告にされた被害者はよほどじゃないと泣き寝入りするだろ
原告の個人情報は訴状に晒しているでしょ? 訴訟の手間暇は取られるけど、再審や反訴にあたって相手方を特定する労力は雲泥の違いがあるから矛盾はしていないじゃないかな。
これも「矛盾」って言うの???なんか「矛盾」って言葉、奥が深いな・・
「困難だがそうするしかない」の何が矛盾なんだ?「困難」じゃなくて「不可能」なら矛盾かもしれんが。
>これが日本独自の特殊な制度なのかについては知らないけれど、たしかに米国 [itlaw.jp]では類似の制度はないようだ。
その資料に載っている「釘止め送達」「便宜送達」でカバーされているように思う。要するに「ここに届けりゃ目に留まるでしょ」で済ませるわけだから。※資料中に一部、「釘止め送違」と誤記されている箇所がある
つまりそんな期待できないような裁判所に差し押さえなんて強権を持たせちゃいけないってことか
法の規定がそうであるとしても下手すると倒産等の取り返しのつかない結果を招くことさえある欠陥なのだから改定が必要だね。
その昔「CompJapan被害者の会」(確かジオシティーズだったのでもうない)のサイトが「特別送達の郵便を受取拒否されたのでもうどうしようもない」で終わっるのを見て、そんなこと可能なの? たとえ受取拒否しても送達したとみなされて裁判始められちゃうんじゃないの? って当時から思ってたんだけど実際どうなの? 原告が無知だっただけ? 実は犯人の家族なんか見つけられていなくてサイト自体が創作実話だったとか?
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア
いろいろ勘違いしている人 (スコア:5, 参考になる)
一々コメント付けようとしたけど、投稿制限で個別に付ける余裕がないので単独で書くけど
・まず、裁判所の役割として、被告の所在を探し出して住所等を確定させるべきというのは筋違い。それは原告の役割。裁判所は原告が指定した被告の住所等に訴状を送付すれば足りるので、それ以上に実際その住所等に被告が現住するかなど調査するべき義務はない。そうなると、今回みたいに被告と無関係の住所に送付されて裁判が開始されて被告敗訴で確定した場合の後処理が問題となるけれど、そもそも被告に裁判に関与する機会が与えられていなかったのだから、控訴の追完(通常と違って期間経過後も可能な控訴)や再審の訴えで判決を取り消すことになる。このケースでは請求異議訴訟(「判決の執行力を排除する訴え」)を起こしたようだ。
・住所等含めて申立内容を確認しないという指摘も筋違い。申立内容に齟齬がないかは訴状審査の段階で行うべき話ではなくて、本案審査の段階での話。訴状審査では被告の情報がきちんと埋まっているか、申立の趣旨や理由がそれなりにもっともらしく書かれているか程度しか審査しない。たとえば、申立理由に「不満なので裁判起こしました」としか書いてなかったら訴状は受理されない。その程度。ましてやURLの違いなんて一々チェックするわけがない。
・基本的に民事事件というのは原告と被告の言い分を両方聞いて調整するのが役割なので、刑事事件みたいに真実の究明なんてことに目標を置いていない。たとえそれが原告の作り出した虚実であっても被告がそれで納得するのだったらそれとして認定するのが裁判所の役割。なので、原告が主張した事実に被告が有効な反論をしないのだったら、たとえそれが真実と異なっていたとしてもその通りに確定する。それ以上に裁判所が首を突っ込んで「いや、真実は違うところにあるのではないか」という疑問を差し挟むことはしない。これが当事者主義という民事事件の大原則。原則というからには当然例外もある。境界確定訴訟とかその辺は調べてください。
・したがって、裁判所がよく調べもせずに差押えまでした責任が云々という話もおかしくて、そもそもそのような責任は裁判所にはないので、この簡裁の「現時点で手続き上の問題は確認されていない」というのはその通り。責任がないのだから、被告側の弁護士が追及しないのも当たり前のこと。
・原告に詐欺罪や公文書偽造罪が成立するかだけど、詐欺罪はいわゆる訴訟詐欺の典型例なので成立する可能性が高い。公文書偽造罪は、訴状自体が公文書(公務所または公務員が作成すべき文書)ではないから成立しない。では私文書偽造罪かと言うと、作成名義人はあくまで原告となっていて、名義を偽るわけでもないので、これも成立しない。なんかおかしいんじゃないかと思うかも知れないけど、訴状をでっち上げた行為は詐欺罪で評価し尽くされているので、それで構わないという発想がされている。それで、こちらは被告側が起こす刑事事件なので、賠償は別に民事事件として起こさないといけない。それが被告側がすでに起こしている「精神的な苦痛を受けたとして男性に慰謝料などを求め、大分地裁に提訴」というもので、これはおそらく不法行為による損害賠償責任を追及しているのだろう。
・それから、送達に関して、本件の「付郵便送達」のことを簡易書留や一般書留の間違いじゃないかと訝る意見があるけど、通常の送達は特別送達という郵便(分類上は一般書留の特殊形態)を使って行われていて、対面でないと受け渡しができない。そうなると、訴状さえ受け取らなければ裁判は始まらないだろうと高を括って居留守使う被告が出てくるので、そうした場合に対応する手段がこの付郵便送達。これが日本独自の特殊な制度なのかについては知らないけれど、たしかに米国 [itlaw.jp]では類似の制度はないようだ。
総じて裁判所の役割に対する期待が高すぎる印象を受けたけど、裁判所ってそんなに高所からあれこれと調べてくれるわけじゃない。
以前、相手方が特定できそうになくて非常に苦労した経験があるが、スラド住民だとたとえば請負先の働いている苗字くらいしか知らない派遣社員にとてもひどい目に遭わされて、訴訟起こしたいんだけど派遣期間が切れたら職場への送達もできないし、派遣元企業に送達しようにも苗字だけでは裁判所が受け付けてくれないなんて事態は容易に想定できる。じゃあというので、請負先に名前まで開示するように求めてもトラブルには巻き込まれたくないとか個人情報は開示できないと拒まれたりして取得できなかったりする。もうそうなるとけっこうお手上げなんだよな。
よく、「裁判起こせばいい」って軽く言うけれど、街中で遭遇したトラブルはもとより、職場においてだってある程度恒常的な人間関係でなければ裁判なんて起こすのすら困難であるというのは日頃から認識しておいたほうがいいと思う。
Re:いろいろ勘違いしている人 (スコア:1, 興味深い)
> 基本的に民事事件というのは原告と被告の言い分を両方聞いて調整するのが役割なので、刑事事件みたいに真実の究明なんてことに目標を置いていない。たとえそれが原告の作り出した虚実であっても被告がそれで納得するのだったらそれとして認定するのが裁判所の役割。
でも今回の件って、そもそも被告は裁判が起きている事自体知らないし、裁判所は被告の言い分を聞いていないし、被告はまったく納得していないじゃない。
Re: (スコア:0)
その話はそこより前半に書いてあるじゃん…。
Re: (スコア:0)
どれだけ噛み砕いて説明されてもたった1行の見当違いなレスにプラスモデ付くのが今のスラドの限界
Re: (スコア:0)
つまりモデに期待を高く持ってはいかんと
Re: (スコア:0)
「日本人の5割くらいは5行以上の長文読んで意味を取ることができない」
https://togetter.com/li/1651304 [togetter.com]
Re: (スコア:0)
これってさ、日本人以外なら5割以上は5行以上の長文読んで意味を取ることができるってこと?
まあ、ただのヘイトスピーチの類だと思うけどさ。
Re: (スコア:0)
この件はシステムのバグによって本来の民事訴訟の役割がうまく機能しなかったといえるケースなので、「基本的に両者の意見を聞いて調整するのが役割」であることは間違ってないよ。
Re: (スコア:0)
うん、だから、片方しか法廷に存在していない場合の対処の仕方も予め決まっていて、いわゆる「欠席裁判」のようなことになると欠席した側は原則として相手側の言い分を認めたとみなされる。でも、そう決めてしまうと、今回の件みたいに、欠席した側に非がないような場合にまで参加できなかった側が不測の損害を被ることがあるので、そうした事態にも対処できるように事後的に救済措置が講じられているわけです。
Re:いろいろ勘違いしている人 (スコア:1)
一言で書くと「裁判所はそこまで悪意のある訴訟には対応しておらず、詐欺罪として警察の領分になる」と理解した。
Re: (スコア:0)
法律関係で不用意に「悪意」って書くと意図しない意味に捉えられるから気をつけたほうがいいってどっかで聞いた。
Re: (スコア:0)
取り消すのに執行力を排除する訴えを起こして手間かけるしかないのがなんとも…。
女性の言い分を鵜呑みにするわけにはいかないって考えると仕方ないことなのかなぁ。
Re: (スコア:0)
控訴の追完(通常と違って期間経過後も可能な控訴)や再審の訴えで判決を取り消すことになる。このケースでは請求異議訴訟(「判決の執行力を排除する訴え」)を起こしたようだ。
とか書いているけど最後には
「裁判起こせばいい」って軽く言うけれど、街中で遭遇したトラブルはもとより、職場においてだってある程度恒常的な人間関係でなければ裁判なんて起こすのすら困難であるというのは日頃から認識しておいたほうがいいと思う。
と言っている時点で矛盾している
裁判起こすのはかんたんじゃないんだから原告の嘘八百で被告にされた被害者はよほどじゃないと泣き寝入りするだろ
Re: (スコア:0)
原告の個人情報は訴状に晒しているでしょ? 訴訟の手間暇は取られるけど、再審や反訴にあたって相手方を特定する労力は雲泥の違いがあるから矛盾はしていないじゃないかな。
Re: (スコア:0)
これも「矛盾」って言うの???
なんか「矛盾」って言葉、奥が深いな・・
Re: (スコア:0)
「困難だがそうするしかない」の何が矛盾なんだ?
「困難」じゃなくて「不可能」なら矛盾かもしれんが。
Re: (スコア:0)
>これが日本独自の特殊な制度なのかについては知らないけれど、たしかに米国 [itlaw.jp]では類似の制度はないようだ。
その資料に載っている「釘止め送達」「便宜送達」でカバーされているように思う。
要するに「ここに届けりゃ目に留まるでしょ」で済ませるわけだから。
※資料中に一部、「釘止め送違」と誤記されている箇所がある
Re: (スコア:0)
つまりそんな期待できないような裁判所に差し押さえなんて強権を持たせちゃいけないってことか
Re: (スコア:0)
法の規定がそうであるとしても下手すると倒産等の取り返しのつかない結果を招くことさえある欠陥なのだから改定が必要だね。
Re: (スコア:0)
その昔「CompJapan被害者の会」(確かジオシティーズだったのでもうない)のサイトが「特別送達の郵便を受取拒否されたのでもうどうしようもない」で終わっるのを見て、そんなこと可能なの? たとえ受取拒否しても送達したとみなされて裁判始められちゃうんじゃないの? って当時から思ってたんだけど実際どうなの? 原告が無知だっただけ? 実は犯人の家族なんか見つけられていなくてサイト自体が創作実話だったとか?