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この条約に「市民として」希望をかたってしまうような 誤ったイメージを持ってしまう人には、 是非とも 条約の実際の文(確定版の仮訳(現在は途中まで) [meiji.ac.jp]と 25版の仮訳(全訳) [meiji.ac.jp]。 中間にあたる WG最終版である27版の翻訳は JISAから購入できる [jisa.or.jp])を読んでほしい。
この条約に沿うなら、 クラッキングツール、チャイルドポルノ、著作権侵害コンテンツ、 そういったところに「リンクをはるだけ」で、 そういったものを「利用可能にした」ということで 罪に問われることになる。 また、刑事手続上も、 通信傍受手続きが「コンテンツの傍受」と 「トラフィックデータのリアルタイム収集」に分けられ、 前者もあきらかに日本の盗聴法に比べて拡大されたものを 想定しているが、 後者にいたっては対象犯罪の限定がない。 さらに、「応急保全」という措置がある。 これは、投網をかけるようなやり方で、 十分な嫌疑のない段階であらかじめコンテンツやログを サーバ管理者に「保全」させ、最大90日の保管を 義務づけるものだ。 そして、あとに嫌疑が固まってきた段階で、 押収する、というのが基本になるのだが、 トラフィックデータ(ログ)については、 「応急開示」という制度があり、 十分な嫌疑がない段階でも「疑わしい挙動」を追いかける ために、応急保全したログを提出させる、ということになっている。 「応急保全」「応急開示」といった手段は、その性質上、 極めて広範囲のサーバ上の大量のコンテンツやログに対して行われる可能性があると考えるべき。
さらにこの「応急保全」「応急開示」の問題には 続きがある。 この条約では国際的な捜査協力についても定めているんだけど、応急保全とトラフィックの応急開示については、 「双罰性」が要求されない。 つまり、自分の国では犯罪でない行為についての容疑でも、 こういった手続きを強制されることになる。 応急保全したデータの押収には双罰性が要求されている(が、緩い)けれども、 トラフィックの応急開示についてはそれすらない。
「30カ国もの違う法律、違う宗教、違う社会体系を持った国々」、 でも、捜査機関にしてみれば、 市民権への配慮というのは二次的なものだと割り切ってしまえば、 「お互いに悪いと思う連中をとっつかまえる」ということについては共通の利益が見出せる、 だからお互いに乗り入れて協力してしまえ、 というのがこの条約だ。 そしてこの条約のつくる未来は 計算機システムを使う「市民」は 権利よりもなによりも前に、任意の締結国の捜査機関の たえまない電子的監視に常に協力させられてしまう、 そういう未来だ。 そんな未来が「希望」に満ちたものでありえるだろうか? いや、そんなことはない。そこにあるのは絶望だ。 君はBig Brotherのもとでも平気かもしれないが、俺は違う。
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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell
不安と希望。 (スコア:1)
縄張り争いや主導権争いがおきないか。
最終的な決定にはちゃんとした技術者の意見が生かされるのか。
「守られる」側としては心配になりますね。
世界の目がインターネットと言うサイバー空間に向けられたからこそ生まれた、大規模でかつ国際的なサイバー犯罪条約が世界に役立って欲しいと思います。
希望などこの条約にはない。あるのは絶望だ。 (スコア:2)
この条約に「市民として」希望をかたってしまうような 誤ったイメージを持ってしまう人には、 是非とも 条約の実際の文(確定版の仮訳(現在は途中まで) [meiji.ac.jp]と 25版の仮訳(全訳) [meiji.ac.jp]。 中間にあたる WG最終版である27版の翻訳は JISAから購入できる [jisa.or.jp])を読んでほしい。
この条約に沿うなら、 クラッキングツール、チャイルドポルノ、著作権侵害コンテンツ、 そういったところに「リンクをはるだけ」で、 そういったものを「利用可能にした」ということで 罪に問われることになる。 また、刑事手続上も、 通信傍受手続きが「コンテンツの傍受」と 「トラフィックデータのリアルタイム収集」に分けられ、 前者もあきらかに日本の盗聴法に比べて拡大されたものを 想定しているが、 後者にいたっては対象犯罪の限定がない。 さらに、「応急保全」という措置がある。 これは、投網をかけるようなやり方で、 十分な嫌疑のない段階であらかじめコンテンツやログを サーバ管理者に「保全」させ、最大90日の保管を 義務づけるものだ。 そして、あとに嫌疑が固まってきた段階で、 押収する、というのが基本になるのだが、 トラフィックデータ(ログ)については、 「応急開示」という制度があり、 十分な嫌疑がない段階でも「疑わしい挙動」を追いかける ために、応急保全したログを提出させる、ということになっている。 「応急保全」「応急開示」といった手段は、その性質上、 極めて広範囲のサーバ上の大量のコンテンツやログに対して行われる可能性があると考えるべき。
さらにこの「応急保全」「応急開示」の問題には 続きがある。 この条約では国際的な捜査協力についても定めているんだけど、応急保全とトラフィックの応急開示については、 「双罰性」が要求されない。 つまり、自分の国では犯罪でない行為についての容疑でも、 こういった手続きを強制されることになる。 応急保全したデータの押収には双罰性が要求されている(が、緩い)けれども、 トラフィックの応急開示についてはそれすらない。
「30カ国もの違う法律、違う宗教、違う社会体系を持った国々」、 でも、捜査機関にしてみれば、 市民権への配慮というのは二次的なものだと割り切ってしまえば、 「お互いに悪いと思う連中をとっつかまえる」ということについては共通の利益が見出せる、 だからお互いに乗り入れて協力してしまえ、 というのがこの条約だ。 そしてこの条約のつくる未来は 計算機システムを使う「市民」は 権利よりもなによりも前に、任意の締結国の捜査機関の たえまない電子的監視に常に協力させられてしまう、 そういう未来だ。 そんな未来が「希望」に満ちたものでありえるだろうか? いや、そんなことはない。そこにあるのは絶望だ。 君はBig Brotherのもとでも平気かもしれないが、俺は違う。