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電子の大きさって、分子の大きさだと思うけど。
ものの大きさを「存在確率」で言わなければならないのは、電子や原子だけではありません。極端な話、人間や地球についても、その構成粒子の「存在確率」を議論することが可能で、存在確率がゼロになるところ、を以って「大きさ」を定義すると、電子も人間も地球も、大きさは無限大になってしまいます。
つまり、電子や原子だけが特別なのではありません。それなら、日常的な物体については「大きさ」が定義できるのはなぜか、というところを考え、その方法あるいはそれに準じた方法を電子や原子に適用できないか、ということを考える必要があります。
日常的な物体について、「大きさ」が定義できるのは、それが、非常に多数の粒子 (原子、分子、電子、など) からできているからです。それぞれの粒子の「大きさ」が仮に決まらないとしても、その粒子の「平均位置」は決まりますし、たくさんの粒子の「平均位置」同士の間の距離も定義できます。それが、ものの大きさです。
粒子の存在確率を何%のところで切って「大きさ」と定義するか、という問題は、日常的な物体についても存在します。が、それを90%にしても99.9999%にしても、それによって生じる大きさの差が、粒子の「平均位置」同士の間の距離の和よりもはるかに小さいので、問題にならないだけです。
こう考えると、分子は大きさが定義できます。その構成粒子たる原子の平均位置やその間の距離がきちんと測定できますから。原子はちょっと苦しくて、原子核と電子という構成粒子があり、その距離も定義できますが、電子の存在確率の広がりによって生じる差が、原子の大きさにかなり影響するようになります。原子核はぼくはよく知らないですが、素粒子によって構成されているので、その間の距離というのはたぶん定義できるのでしょう。陽子や中性子もクォークを構成粒子としますが、その間の距離を定義できるかどうかは知りません。
問題は電子で、電子は内部構造が知られていません。つまり、いまの科学知識のうえでは、電子は電子であり、構成粒子に分解することができません。そのようなものについては、日常的なものの大きさを定義する方法によっては、大きさを定義することはまったくできません。
電子の「存在確率」ですが、これは電子ひとつだけを持ってきても定義できません。いろんな条件をあたえてやらないといけません。要するに境界条件を与えてシュレディンガー方程式を解いてやらないといけないのですが、まったくなにもない空間、という条件だと、その空間全体に等しい確率で広がってしまいますので、あえて大きさを定義すれば「無限大」としか言いようがなくなってしまいます。
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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家
電子の大きさ ? (スコア:0)
電子の大きさって、分子の大きさだと思うけど。
それならば (スコア:0)
電子軌道の大きさと言ってもいいのでしょうけど、
そもそも電子軌道たってあくまで存在確率の問題ですし。
(といっても私も門外漢ですので、その道の方フォロー
存在確率と「大きさ」 (スコア:2, 興味深い)
ものの大きさを「存在確率」で言わなければならないのは、電子や原子だけではありません。極端な話、人間や地球についても、その構成粒子の「存在確率」を議論することが可能で、存在確率がゼロになるところ、を以って「大きさ」を定義すると、電子も人間も地球も、大きさは無限大になってしまいます。
つまり、電子や原子だけが特別なのではありません。それなら、日常的な物体については「大きさ」が定義できるのはなぜか、というところを考え、その方法あるいはそれに準じた方法を電子や原子に適用できないか、ということを考える必要があります。
日常的な物体について、「大きさ」が定義できるのは、それが、非常に多数の粒子 (原子、分子、電子、など) からできているからです。それぞれの粒子の「大きさ」が仮に決まらないとしても、その粒子の「平均位置」は決まりますし、たくさんの粒子の「平均位置」同士の間の距離も定義できます。それが、ものの大きさです。
粒子の存在確率を何%のところで切って「大きさ」と定義するか、という問題は、日常的な物体についても存在します。が、それを90%にしても99.9999%にしても、それによって生じる大きさの差が、粒子の「平均位置」同士の間の距離の和よりもはるかに小さいので、問題にならないだけです。
こう考えると、分子は大きさが定義できます。その構成粒子たる原子の平均位置やその間の距離がきちんと測定できますから。原子はちょっと苦しくて、原子核と電子という構成粒子があり、その距離も定義できますが、電子の存在確率の広がりによって生じる差が、原子の大きさにかなり影響するようになります。原子核はぼくはよく知らないですが、素粒子によって構成されているので、その間の距離というのはたぶん定義できるのでしょう。陽子や中性子もクォークを構成粒子としますが、その間の距離を定義できるかどうかは知りません。
問題は電子で、電子は内部構造が知られていません。つまり、いまの科学知識のうえでは、電子は電子であり、構成粒子に分解することができません。そのようなものについては、日常的なものの大きさを定義する方法によっては、大きさを定義することはまったくできません。
電子の「存在確率」ですが、これは電子ひとつだけを持ってきても定義できません。いろんな条件をあたえてやらないといけません。要するに境界条件を与えてシュレディンガー方程式を解いてやらないといけないのですが、まったくなにもない空間、という条件だと、その空間全体に等しい確率で広がってしまいますので、あえて大きさを定義すれば「無限大」としか言いようがなくなってしまいます。