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どこぞの資産家が自分の身体の予備としてクローンを準備しそうでやだな。お約束なシチュエーションだが。
クローン人間の商業・産業化としては手塚治虫の作品が有名だが、Jean Michel Truongの"禁断のクローン人間" [amazon.co.jp]って作品もかなり強烈だ。 いずれも「人間とそうでないモノとの境界がクローンの存在によって侵された世界」がテーマとなっている。
人間は原子力を手にして滅びかけたが、今回クローン技術を手にしたことで世界はどう変わるのだろう・・・
お約束にたいするツッコミはせめて火の鳥ぐらい読んでからして欲しかった(禁断のクローン人間読めとは言わんから)。
この手のネタではクローン人間にわざと人間との違いを設けることで「人間ではないモノとしてのクローン人間」が商業的に成立した世界を描いている。 「人種差別が人道に対する罪」であることに異論はないが、これらの思考実験はそれを越えた状況を想定していることに気付いて欲しい。
再生工学の現場では皮膚の培養に始まり、外耳、鼻といった単純なものから、より複雑な臓器の再生へと研究が進んでいる。 [aist.go.jp] 一方でクローン技術が確立されれば、更にヒトDNA解析の成果から特定の器官だけをクローン再生することも可能だろう。 拒絶反応を抑えて臓器移植用に使う為、人間の遺伝子を埋め込んだブタも実用段階に近づいてる。 そして、そういった技術の延長線上に最初から大脳を持たない移植用臓器としてのクローン人体の生育も十分考えられる。
さて、このクローン人体に人権はあるのだろうか?
もし「知性を担う大脳を持たない以上、その様なクローンに人権はない」と考えたなら・・・ 禁断のクローン人間を探して読んで欲しい。ひとつの、そして幾度となく繰り返されてきた悲劇がそこにある。
現実の臓器移植では臓器の提供を待っている人が臓器を提供する人よりも圧倒的に多い以上、将来的なクローニング技術はこのような方向にすすむのではないでしょうか。
基本的には同意見だけど、その方向へ進むためには臓器などの体の一部のみをクローニングする技術が確立されないと難しいでしょう。移植適合性の問題を完全に解消できると思うので、純技術的には極めて意義のあることだとは思いますが。
少なくともオリジナルとは別人格の人間をもう一人作ったところで不妊で悩む夫婦に子どもができるという以外のメリットは見いだせません。
これについては全く同意。記憶や意識が継承されない以上、同一の人間が再生する訳ではないですから。
将来、「機械義足は脳機能を故意に与えられなかったロボット(の人権無視)である」 という主張が出現するんだろうなあ…
もし「知性を担う大脳を持たない以上、その様なクローンに人権はない」と考えたなら・・・ 禁断のクローン人間を探して読んで欲しい。
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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」
人類の性(さが) (スコア:5, 参考になる)
クローン人間が登場してしまうのは時間の問題だと個人的に
思っていました.
生物の中にも「単為発生」できる種がいます.例えばこう
捉えてみてはいかがでしょう.人も自然が産んだものであれば,
その人が産んだ技術も自然が産んだものであり,その力によって
人が単為発生してしまったのであれば,それも自然の道理の一部
ではないか,と.
「いや,これは明らかに人為的なもので,拡大解釈だ!」と
怒られそうですが,そうとも言えます.
結局,常に民主的な世界を維持し,批判能力が機能し続けなけ
ればならないというところに帰着せざるを得ないと思います.
警察に盗聴法が認められるとそれを行使したくなる,国が
核兵器を持つとそれを使いたくなる,などなど,組織も人が
構成する生き物であって,それを抑えるためにはその組織に拮抗
する批判能力をもった機構が必要になります.
実際,日本には原爆が不幸にして行使され,世界中が核の
恐ろしさを学び,戦争ツールとしては残っているものの,大戦
以降は行使されずに何とかここまできていますし,今後も
批判能力を持ち続ける限りは,何とかなることでしょう.
幸いにしてインターネットという,民主主義的批判能力を
大きくバックアップしてくれるツールを,私たち一般市民は
手に入れました.常にインターネット上で批判能力を働かせて
置くことにより,革命的技術の行使方向や組織の暴走を防ぐことが
可能となり,優れた技術を行使したい側としたくない側の均衡が
取れ,最終的にその技術が万人へ幸福をもたらす方向へ収束する
ことが可能になるかと思います.
現在はクローン技術に関しては過渡期で,様々な変動が起こる
時期です.きっと人類にとって「ちょうど良い」ところに落ち着く
ことでしょう.
常に見張っている必要がありますけど(笑).
optimized for /.
Re:人類の性(さが) (スコア:2, 興味深い)
思っていました.
僕もそう思っていました。
これだけ世にある技術が進んでしまえば
いつかどこかで誰かが法を犯してまでもやるでしょう。
時間の問題です。
科学者が狂っているとか僕には言えません。
僕も技術が好きな人間として、それが出来るんであれば
興味を持つしやってみたいと思うから。
もちろんそれが人類への驚異とか神への冒涜だとかいう人が
いるのもわかるんだけど。というかなにが冒涜なのかも
納得してないんだけどね。電話で話すのは冒涜じゃないのか
飛行機で飛ぶのは驚異じゃないのか、と。
(どちらも驚異ではあるんでしょうが、止めようとするやつは
ほどんどいないしね)
#とか書くとこういう人間がいるから駄目なんだ、とか言われるのかな
むしろ今回は妊娠が目的みたいなものがあって公開してくれたから
良かったけど、密かにクローンを育て10歳とかになってから
「これはクローンです」とか、どっかの学会で発表されたら
そっちの方が恐いっすね。どこかの国家で育てていそうで。
Re:人類の性(さが) (スコア:2, 参考になる)
どこぞの資産家が自分の身体の予備としてクローンを準備しそうでやだな。お約束なシチュエーションだが。
クローン人間の商業・産業化としては手塚治虫の作品が有名だが、Jean Michel Truongの"禁断のクローン人間" [amazon.co.jp]って作品もかなり強烈だ。 いずれも「人間とそうでないモノとの境界がクローンの存在によって侵された世界」がテーマとなっている。
人間は原子力を手にして滅びかけたが、今回クローン技術を手にしたことで世界はどう変わるのだろう・・・
Re:人類の性(さが) (スコア:1)
思うんだけど、それって、クローンの問題というよりも殺人の問題なんじゃないなあ。
単に、(クローンの)人を殺す「理由」が増えてしまっただけで、さ。
で、どんな理由があろうが(死刑廃止論はともかく)、人が人を殺しちゃいけないってのは同じこと。
で、そうであるからこそ、「人」の定義を捻じまげることに腐心しはじめる連中が、出現すると思う(^^;。
数百年むかしの白人は(よほどの知識人でも)マヂで黒人を「人にあらず」と見なすことで
奴隷制度を自分たちのなかで正当化してたそうですね。
そういうのはやっぱり、人道に対する罪であるはずなんだよな。
肌の色が黒かろうが、遺伝子がパクリ(ぉ)だろうが、
そういうことで人の価値が決まるわけじゃない。
・・・取り敢えず、 (スコア:1)
お約束にたいするツッコミはせめて火の鳥ぐらい読んでからして欲しかった(禁断のクローン人間読めとは言わんから)。
この手のネタではクローン人間にわざと人間との違いを設けることで「人間ではないモノとしてのクローン人間」が商業的に成立した世界を描いている。 「人種差別が人道に対する罪」であることに異論はないが、これらの思考実験はそれを越えた状況を想定していることに気付いて欲しい。
再生工学の現場では皮膚の培養に始まり、外耳、鼻といった単純なものから、より複雑な臓器の再生へと研究が進んでいる。 [aist.go.jp] 一方でクローン技術が確立されれば、更にヒトDNA解析の成果から特定の器官だけをクローン再生することも可能だろう。 拒絶反応を抑えて臓器移植用に使う為、人間の遺伝子を埋め込んだブタも実用段階に近づいてる。 そして、そういった技術の延長線上に最初から大脳を持たない移植用臓器としてのクローン人体の生育も十分考えられる。
さて、このクローン人体に人権はあるのだろうか?
もし「知性を担う大脳を持たない以上、その様なクローンに人権はない」と考えたなら・・・ 禁断のクローン人間を探して読んで欲しい。ひとつの、そして幾度となく繰り返されてきた悲劇がそこにある。
Re:・・・取り敢えず、 (スコア:1)
すみません、挙げられている作品を呼んでいないですが(いや、半日で100コメントにならんとする話題にノるために読みにいってると終わっちゃうよう)
そういうクローン人体の成長ってどうなっているんでしょうか?
* お話の設定じゃなくって、現実に利用可能な促成技術について知りたいんですが。
いや、60歳の資産家氏が事故で怪我をして3年もののクローンの脚をつけた、とかだと変じゃないか、とふと思ったんですけどが。
# ある程度資産ができないとクローンを用意できないとするとしてですがね。
普通に育てるんだったら15年くらいはかかりますよね?
資産家が、プロスポーツ選手だったりしたら、年数だけの問題じゃない気も(まぁ、引退したあとの話になっちゃうだろうからいいのか)。
クローニングの実用化 (スコア:1)
現実の臓器移植では臓器の提供を待っている人が臓器を提供する人よりも圧倒的に多い以上、将来的なクローニング技術はこのような方向にすすむのではないでしょうか。
少なくともオリジナルとは別人格の人間をもう一人作ったところで不妊で悩む夫婦に子どもができるという以外のメリットは見いだせません。
# クローンに資産を継承させるとしても相続税か贈与税は発生しますし。
y4su0
Re:クローニングの実用化 (スコア:1)
基本的には同意見だけど、その方向へ進むためには臓器などの体の一部のみをクローニングする技術が確立されないと難しいでしょう。移植適合性の問題を完全に解消できると思うので、純技術的には極めて意義のあることだとは思いますが。
これについては全く同意。記憶や意識が継承されない以上、同一の人間が再生する訳ではないですから。
Re:・・・取り敢えず、 (スコア:1)
>繰り返されてきた悲劇がそこにある。
どんな悲劇だったんだっけか?
つまり、知性を持っているクローン君が自ら感じた悲劇なのか、
それともそうでないクローンに接っすることで周囲が感じた悲劇(つまり他人の悲劇)なのか、が。
悲劇って、その2パターンしか有りえないのでは?
で、だとすると、
>最初から大脳を持たない移植用臓器としてのクローン人体
これって、どこがどういう悲劇なのか?を考えないとなるまい。
いや、それもまた悲劇だというなら悲劇なんだろうが、
少なくとも、大脳が有るクローンの悲劇とは別問題であるはずで、
その2つの問題を混同すればするほど、悲劇とやらに我々は対処(?)しにくくなる、のではないかという気がする。
いや、俺もね、「きもちわるい(だろうな)」とは、思うんだけどね…。
でもそれって悲劇かどうかとは別な話だし。
>禁断のクローン人間を探して
それってそういうタイトルの話なんですか?
だとしたら、そのタイトルに既に濃厚に、価値判断が仕込まれているわけで、
それを読んで影響される(^^;ことを期待するのはつまり、
ある一方の意見に賛成「しろ」と言っているに等しいわけです(^^;。
いや、なんでもかんでも公平にやれ、とは言わないけどね。
よだん:
どうせ手塚の名を出すなら、「人権」という語そのものの狭さをも、今のうちに案じて(思考実験して)おいたほうが良いかもです。
「人」に限定した権利だと考えるからヤヤこしくなるわけで。
え?ロボット人権宣言?ええとええと…
将来、「機械義足は脳機能を故意に与えられなかったロボット(の人権無視)である」
という主張が出現するんだろうなあ…
Re:・・・取り敢えず、 (スコア:1)
>その2つの問題を混同すればするほど、悲劇とやらに我々は対処(?)しにくくなる、のではないかという気がする。
はげしく同意。
どちらも「ヒトに近い(又は等しい)者に人権が与えられない」ゆえの悲劇なのだろうけれど、
その発生の段階で妨害を受けた者と社会的行動においてのみ妨害を受ける者では、
少なくとも「社会に属している我々」にとっては違う問題となり得ると思います。
片や、責任が生産者と受益者に(気分的に)限定される差別、片や責任が「社会に参加している者達」に直接かかってくる差別。
どっちも禁止だから同じ問題という人は例外ですが・・、
責任を感じないから同じ問題という人は論外です・・・。
>どうせ手塚の名を出すなら、「人権」という語そのものの狭さをも、今のうちに案じて(思考実験して)おいたほうが良いかもです。
>「人」に限定した権利だと考えるからヤヤこしくなるわけで。
たしかに、手塚作品では生物すべて兄弟とかロボットの"人権"とかがよく描かれていました。ブッダとか火の鳥とか・・・。
鉄腕アトムもそういう問題を扱っていましたし。
手塚作品には人間は(種として)何を主張できるのか、何を主張すべきなのかを繰り返し問われていたように思います。
>だとしたら、そのタイトルに既に濃厚に、価値判断が仕込まれているわけで、
>それを読んで影響される(^^;ことを期待するのはつまり、
>ある一方の意見に賛成「しろ」と言っているに等しいわけです(^^;。
タイトルに絡むのは流石にどうかと(汗)。
中身もタイトルと同じ強度で主張しているとは限らないですし、
読んだ結果、内容に反発する人も居るかもしれません。
(でも6:4ぐらいの割合でその主張側に寄ってしまう人の方が多い気も)
あと、影響される事を(潜在的にも)期待してはいない、と期待。
Re:・・・取り敢えず、 (スコア:0)
Re:・・・取り敢えず、 (スコア:0)
>まさか。
ネタとしては良く聞きますし、
生体部品を使っていた場合クローンの件とおんなじなのでは。
Re:・・・取り敢えず、 (スコア:0)
Re:・・・取り敢えず、 (スコア:0)
#78947 [srad.jp]の文章から
「"予備"としてのクローンを準備することは、他人を"予備"として使うかわりにクローンを使っているようなものであり、クローンに対する"殺人"であるということは変わらない」
「クローンだから"殺人"にはならないのだ、という主張は人種差別の論理と基本的に変わらないものである」
「殺"人"
Re:人類の性(さが) (スコア:0)
Re:人類の性(さが) (スコア:1)
「入れかえる」、つまりアッチをコッチに持ってくるのと同時に
コッチもアッチに持っていくわけね。
それ以外の面で色々な問題が噴出しそうだけど(^^;、それはともかく、
その意見自体はtrueっすな。
Re:人類の性(さが) (スコア:0)
相手の意志無関係に、それも相手を家畜のように育てて、もとより入れ替える
Re:人類の性(さが) (スコア:1)
「少なくとも殺人にはなりません」という意見にたいして、
「あ。それはそのとおりだな」と答えただけです。
マズい点が「他に」色々有りそうだってのは同意。
つまり殺人以外の色々な罪ね。
Re:人類の性(さが) (スコア:0)
Re:人類の性(さが) (スコア:0)
Re:人類の性(さが) (スコア:0)
Re:人類の性(さが) (スコア:1)
が目につきやすいのだろうけど、生命倫理学的な主要な論点はそこに
はないでしょう。
・クローンによって作られた人間の権利をどう考えるのか?
・第三者の遺伝子を利用したクローンを勝手に作っていいのか、禁止
するとして、それに対する実効的な規制方法はあるのか?
・クローンとして生まれたことを、本人には知らせるか否か
・クローンとして生まれたことを、社会的に開示するか否か
クローンとして生まれてくるであろう人間の権利等々の社会的問題、
アイデンティティ等の人間形成上の問題などが基本的には議論されて
いるはず。
そうした議論を知ってか知らずか、「俺達科学者は好きにやるぜ」的
な態度(少なくとも素人目にはそう見える)が批判されているのでし
ょう。件の科学者は、クローンとして生まれてくる人間がどのような
人生を歩くのか、一度でも真剣に考えたことがあるのか、非常に疑わ
しい。
科学者が狂っているかどうかは議論しても意味がないけれども、少な
くとも、造られる人間に対して同じ人間として思いやる感情は到底な
いように思う。そうでないならば、この科学者はこうした人文・社会
科学的な諸問題に対しても、説得力のある見解を示すべきだ。
(もしあるのなら、誰か教えて欲しい)
今回もそうですが、子供が欲しい親と、やってみたい科学者が結託し
て(こりゃ一種の結託ですよ)、「社会的にどう扱えばいいのかさっ
ぱりわかっていない人間を無責任に生み出している」ようにしか見え
ない。
クローンであろうと何であろうと、生まれてくるのは人間であって、
社会的存在です。クローンに関する議論は、その点を忘れてはならん
と思う。