ここで,一太郎,花子が「課題の解決に不可欠」でないこと(すなわち,一太郎,花子を入れなくても winhlp32.exe によって松下の特許に記載された「物」が生産されていること)や Windows の API =「日本国内において広く一般に流通しているもの」という考えは,証拠資料の提出がないため認められませんでした.
--
なお,API関数とは,一般に,アプリケーションソフトから基本ソフト,すなわちオペレーティング・システム(OS)の機能を呼び出すためのもの(Application Program Interface)をいうことは,当裁判所に顕著であるところ,仮に,控訴人の主張するように,控訴人製品に含まれているAPI関数がソフトウエア開発のために広く公開されているものであるとしても,そのことから直ちに,控訴人製品自体が特許法101条2号所定の間接侵害の対象から除外されている「日本国内において広く一般に流通しているもの」に該当することになるわけではないことも明らかである。
--
「特許発明の間接侵害」が痛いかも。。。 (スコア:1)
4つ争点があって
(1)特許で記述されている内容と問題の機能が同一で特許侵害が成立するか否か
--> 特許侵害が成立する。
(2)広く使われているMS Windows の API を使うことが「特許発明の間接侵害」になるか否か?
--> 「特許発明の間接侵害」が成立する。
(3)特許自体が当時既知の技術から容易に導かれるもので進歩性がないから特許自体が無効か否か?
--> 特許自
マクロの基本は検索置換(by y.mikome)
Re:「特許発明の間接侵害」が痛いかも。。。 (スコア:1, 興味深い)
> --> 「特許発明の間接侵害」が成立する。
「間接侵害」について誤解を招く文章ですね.
今回の間接侵害というのは,松下の特許は「物」に関するもので,一太郎,花子などの「ソフトウェア」が特許権を直接侵害することはないけれど,一太郎,花子をパソコンにインストールすることで松下の特許に記載された「物」が生産されてしまうため特許権を間接侵害してしまう,といったものです.
判決文より引用.
--
平成14年法律第24号により改正(平成15年1月1日施行)された特許法101条は,間接侵害について規定しており,同改正により新設された同条2号は,「特許が物の発明についてされている場合において,その物の生産に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であってその発明による課題の解決に不可欠なものにつき,その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら,業として,その生産,譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為」を特許権等の侵害であるとみなしており,同じく新設の同条4号は,特許が方法の発明についてされている場合について,同旨を規定している。
--
ここで,一太郎,花子が「課題の解決に不可欠」でないこと(すなわち,一太郎,花子を入れなくても winhlp32.exe によって松下の特許に記載された「物」が生産されていること)や Windows の API =「日本国内において広く一般に流通しているもの」という考えは,証拠資料の提出がないため認められませんでした.
--
確かに,証拠(乙16)によれば,別紙イ号物件目録ないしロ号物件目録記載の機能は,マイクロソフト社のWindowsというオペレーティングシステムのうち「Winhlp32.exe」等の実行ファイルの有する機能を利用しているものと認められる。しかしながら,控訴人製品をインストールしたパソコンにおいて,前記機能が実現されていることが認められるものの,控訴人製品をインストールしていないパソコンにおいても同様の機能が実現されていることを認めるに足りる証拠がない本件においては,前記各目録記載の機能は,控訴人製品をインストールしたパソコンにおいて初めて実現される,言い換えると,控訴人製品のプログラムと「Winhlp32.exe」等の実行ファイルが一体となって初めて実現されるというべきであるから,控訴人製品は,本件第1,第2発明による課題の解決に不可欠なものというべきである。
--
--
なお,API関数とは,一般に,アプリケーションソフトから基本ソフト,すなわちオペレーティング・システム(OS)の機能を呼び出すためのもの(Application Program Interface)をいうことは,当裁判所に顕著であるところ,仮に,控訴人の主張するように,控訴人製品に含まれているAPI関数がソフトウエア開発のために広く公開されているものであるとしても,そのことから直ちに,控訴人製品自体が特許法101条2号所定の間接侵害の対象から除外されている「日本国内において広く一般に流通しているもの」に該当することになるわけではないことも明らかである。
--