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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである
むしろハプロタイプブロックの終わりかも (スコア:3, すばらしい洞察)
ところが今回の論文で分かったこと(私見ですが)は、むしろハプロタイプブロックとい
う概念の終わりなのかもしれません。
SNPsは膨大な数があるのですが、それを全て調べることはコスト的にも時間的にも不可能
なので、ブロック単位で代表する1つのSNPをTag SNPとしてとらえれば省力化ができる
という期待が持たれていましたが、既存の方法でハプロタイプブロックを決めようとすると
ブロックが細切れになって省力化にはあまり寄与しないということが分かってしまいました。
そのため小さい単位でのブロック構造を示すことは論文中ではあきらめたような形になり、
より大きな単位での組み替え頻度を表しています。
それは生物学的には重要ですが、病気の原因を探すにはあまり有効でない話で、ハプロタ
イプブロックを決定してSNPsで原因遺伝子発見、という期待は実現されなさそうだという
印象を受けました。
kaho
Re:むしろハプロタイプブロックの終わりかも (スコア:2, 参考になる)
それはさておき、kahoさんのお考えがよくわかりません。
>既存の方法でハプロタイプブロックを決めようと
>するとブロックが細切れになって省力化にはあまり
>寄与しないということが分かってしまいました。
というのは、どのようなことでしょうか。ブロックが予想よりも小さかったということですか。そうとう長いと予想されていたのでしょうか。
アフリカ人は中国日本人よりも、ブロックが短そうですが。
逆に、(ブロックが長いので、と言う意味でしょうか)
>ハプロタイプブロックを決定してSNPsで原因遺伝子
>発見、という期待は実現されなさそうだという印象を
>受けました。
とありますが、もともとSNPsはほぼ、5kbくらいの間隔でわかっているので、ブロックの長さには関係がないように思います。
Re:むしろハプロタイプブロックの終わりかも (スコア:1)
>HapMap Projectの論文ではなくて、別の論文ですね、たぶん。
あ、申し訳ないです。ちょうどNature Podcast [nature.com]で
HapMapの話を聞きながらだったので確認せずにHapMap関連だと思い込んでいました。
以下、私のやっている仕事に関連しているので、あまりにも専門的になってしまい
分かりにくくなってしまったらすみません。
> >既存の方法でハプロタイプブロックを決めようと
> >するとブロックが細切れになって省力化にはあまり
> >寄与しないということが分かってしまいました。
>
>というのは、どのようなことでしょうか。ブロックが予想よりも小さかったということですか。
>そうとう長いと予想されていたのでしょうか。
予想よりもかなり小さかったというのもありますが、これは論文には書かれていないことですが、
もっと問題なのはブロック間の隙間がかなり広くなってしまったということがあります。
ブロック内のSNPはTagSNP一つで解析が省力化されることが期待できますが、ブロックの
隙間のSNPsは確実に連鎖しているSNPsがありませんので全て解読しなければいけません。
ブロックに属するSNPsと属さないSNPsの数の比から考えてどれほど効率的にTagSNPが
決定されたとしても全ゲノム解析をSNPsで行うのは高コストであることは変わらないという
ことが判明した、というのが私が自分で行った計算の結果と考察です。
> とありますが、もともとSNPsはほぼ、5kbくらいの間隔でわかっているので、
> ブロックの長さには関係がないように思います。
上に述べたようにブロックの長さは解析のコストに反比例します。
単独の遺伝子が原因の病気はかなり解析が進みましたが、これからは複数の
遺伝子が関係する病気の解析にターゲットが移っています。
正体の分からない複数の原因遺伝子を見つけるためにSNPs解析を網羅的に行う
ことはHapMapのデータを得てもコスト的に見合わないと考えています。
SNPsを病気の原因遺伝子の解明に用いるとしたら、予め限定した候補遺伝子に
ターゲットを絞って行うか、ヒト集団全体を対象にした関連解析ではなくて血縁関係
を元にした連鎖解析に用いるかするべきではないかと考えます。
kaho
Re:むしろハプロタイプブロックの終わりかも (スコア:0)
調べなければならないSNPsの数が予想よりも多すぎる、ということなのですね、なるほど。
理研のプレスリリース [riken.jp]をみると、中国人日本人の場合、25万のSNPsで全ゲノムの98.5%の領域をカバーすることができることが明らかとなった、とあります。
全ゲノムに1000万くらいあるSNPsのうち、25万をしらべればよいのですから、かなり省略できる、といっても、莫大な数です。ひとつ調べるのに100円だとしても、一人の検体につき2500万円かかるっていうことで、相関分析するのに、何検体必要なのかわかりませんが、20人分として、5億円ですか。実際はもっとずっとかかる、ということですね。
Re:むしろハプロタイプブロックの終わりかも (スコア:0)
Re:むしろハプロタイプブロックの終わりかも (スコア:0)