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特許制度が現状のままでは良くないという意見は良く聞きますが、じゃあどうすればよいのかという代替案が出て来ないことには先には進まないでしょう。
すっきりすっぱりやめちゃった方がいいと思うんだが、乱暴な意見だよな。やっぱり。
特許制度はアイディアを隠匿せずに公開することで、発明者を保護する点と、一定期間後(15年とか20年とか)は誰でも自由に使えるようにするという人類全体の進歩に対する貢献の二つの目的があります。
元々確かにそういう背景はあったけど、今は無意味になってると思う。
特許制度が始まった頃はインターネットがあったわけでもないんで、情報の流通はとても遅かったわけで、再発明までにかかる時間も、それが世の中に知られるまでの時間もとても長かった。「公開させる」ことにより、その時間が短縮できたわけで、社会に与えるメリットの方がデメリットより大きかった。
ところが、今はインターネットのおかげで、情報の流通が非常に早い。そのおかげで、誰かが発明を隠したところで、世界のどこかの別の人が発明して公開してしまう。「公開させる」ことのメリットがなくなっているんだよね。保護することによる害悪の方が大きくなっている。
それでも、ハードに関しては、いままでに積み上げたデータベースがあるおかげでまだ問題が少ないが、ソフトは違う。ソフトの保護が始まったのは最近なので、何が当たり前の技術で何が新しい技術なのかについての蓄積が少ない。だもんで、「申請したもの勝ち」な状況になっている。
この制度は、もはや、産業の発展のためにかかるコストを引き上げる効果の方が高い。自分が作るソフトが特許にひっかからないかどうかチェックするということ自体、中小の企業にとって安くはないことだ。特許が成立していたら回避する方策も考えなくてはならない。もちろん、昔から公知であった技術であれば無効化できなくもないのだけれど、そのために裁判するとか、裁判しないまでも無効審査のための資料を揃えるなどのコストは馬鹿にならない。
「情報伝達が速くなった」というのは確かに面白い視点だと思うけど、最初に全く洩れなかったら伝わりようがなくないですか?
いや、そうじゃなくて、「なんだかわからん技術を使って、~という機能を実現した製品がある」となったら、世界中の人が、どうやってそれを実現したのか一所懸命考えるでしょ? その時のああでもない、こうでもないとやってる情報の流通が速いことを言ってるんですよ。再発明のコストは最早そんなに大きくないだろうと。
あと発明家のインセンテイブについては、どのように考えているのかについても興味があります。
公開させようと思うから、インセンティブを与える必要があるわけで、公開を前提にしないならそんなもん与える必要ないわけでしょ? 他人には真似できない技術を発明したんなら、そんなもんは公開なんぞせずに隠して製品を作って、作った製品を使ってバンバン儲けりゃいいと思うけどね。でも、いくら隠したところで、どうせ別の誰かが再発明するんだから、そう害はなかろうとそう思うんです。
高度で真似できない発明と、だれでも思いつきそうな陳腐な発明と、同列にして保護するからおかしくなるわけで、区別できんのならいっそ保護もやめてしまった方が害は小さかろうと思うわけですわ。もちろん、極端で乱暴な意見だとは自覚してるけど。
すぐに思いつく解決策としては、ソフトウェアやアルゴリズムに対しては独占使用期間を短くするのが考えられますが、他に何かないでしょうかね。
「車輪の再発明」に人類の時間が奪われることを思うと、長期的にこそ進歩の障害になるのではないかと.
今なら、誰かが発明した車輪のために金を払うぐらいなら、再発明のためにかかるコストを受け入れる方がマシだな。100年前とは事情が違うのよ。
例のSCO/IBM訴訟の件に絡めた話だけど、 特許制度の現状を分析した記事 [zdnet.co.jp]をZDNet Japanに見つけたので、参考までに読んでみてくださいまし。
「車輪の再発明」に人類の時間が奪われることを思うと、長期的にこそ進歩の障害 になるのではないかと. 今なら、誰かが発明した車輪のために金を払うぐらいなら、 再発明のためにかかるコストを受け入れる方がマシだ
「車輪の再発明」に人類の時間が奪われることを思うと、長期的にこそ進歩の障害 になるのではないかと.
今なら、誰かが発明した車輪のために金を払うぐらいなら、 再発明のためにかかるコストを受け入れる方がマシだ
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー
制度の疲弊 (スコア:4, すばらしい洞察)
上に成り立っているんだから、むやみに保護するのはいかがな
ものかと思っているのは漏れだけでしょうか?
いや、弱者保護は必要だとは思います。けれど、弱者を保護
Re:制度の疲弊 (スコア:2, 参考になる)
特許制度はアイディアを隠匿せずに公開することで、発明者を保護する点と、一定期間後(15年とか20年とか)は誰でも自由に使えるようにするという人類全体の進歩に対する貢献の二つの目的があります。
ソフトウェア特許を完全に無効にしてしまうと、アルゴリズムを知られまいと実行バイナリにスクランブルをかけたり、そもそもバイナリを公開せずにWebサービス等のみで公開するような場合が増えてくるでしょう。
単純なソフトウェア特許の場合は内容を知らなくても問題はないでしょう。でも、mp3のエンコード等、高効率・高速で動作するアルゴリズムを誰かが発明し、発明者がそれを公開しない場合、第三者は効率の悪い従来手法を用い続けるか、発明者にその使用(高度に暗号化された実行環境でしか動作しないバイナリをもらうか、コードも出したく無い場合はWebサービス経由で使用)をお願いするしかなく、長い目で見れば人類の進歩の障害となります。
すぐに思いつく解決策としては、ソフトウェアやアルゴリズムに対しては独占使用期間を短くするのが考えられますが、他に何かないでしょうかね。
Re:制度の疲弊 (スコア:3, すばらしい洞察)
すっきりすっぱりやめちゃった方がいいと思うんだが、乱暴な意見だよな。やっぱり。
元々確かにそういう背景はあったけど、今は無意味になってると思う。
特許制度が始まった頃はインターネットがあったわけでもないんで、情報の流通はとても遅かったわけで、再発明までにかかる時間も、それが世の中に知られるまでの時間もとても長かった。「公開させる」ことにより、その時間が短縮できたわけで、社会に与えるメリットの方がデメリットより大きかった。
ところが、今はインターネットのおかげで、情報の流通が非常に早い。そのおかげで、誰かが発明を隠したところで、世界のどこかの別の人が発明して公開してしまう。「公開させる」ことのメリットがなくなっているんだよね。保護することによる害悪の方が大きくなっている。
それでも、ハードに関しては、いままでに積み上げたデータベースがあるおかげでまだ問題が少ないが、ソフトは違う。ソフトの保護が始まったのは最近なので、何が当たり前の技術で何が新しい技術なのかについての蓄積が少ない。だもんで、「申請したもの勝ち」な状況になっている。
この制度は、もはや、産業の発展のためにかかるコストを引き上げる効果の方が高い。自分が作るソフトが特許にひっかからないかどうかチェックするということ自体、中小の企業にとって安くはないことだ。特許が成立していたら回避する方策も考えなくてはならない。もちろん、昔から公知であった技術であれば無効化できなくもないのだけれど、そのために裁判するとか、裁判しないまでも無効審査のための資料を揃えるなどのコストは馬鹿にならない。
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
>ところが、今はインターネットのおかげで、情報の流通が非常
>に早い。そのおかげで、誰かが発明を隠したところで、世界の
>どこかの別の人が発明して公開してしまう。「公開させる」こ
>とのメリットがなくなっているんだよね。保護することによる
>害悪の方が大きくなっている。
Re:制度の疲弊 (スコア:1)
いや、そうじゃなくて、「なんだかわからん技術を使って、~という機能を実現した製品がある」となったら、世界中の人が、どうやってそれを実現したのか一所懸命考えるでしょ? その時のああでもない、こうでもないとやってる情報の流通が速いことを言ってるんですよ。再発明のコストは最早そんなに大きくないだろうと。
公開させようと思うから、インセンティブを与える必要があるわけで、公開を前提にしないならそんなもん与える必要ないわけでしょ? 他人には真似できない技術を発明したんなら、そんなもんは公開なんぞせずに隠して製品を作って、作った製品を使ってバンバン儲けりゃいいと思うけどね。でも、いくら隠したところで、どうせ別の誰かが再発明するんだから、そう害はなかろうとそう思うんです。
高度で真似できない発明と、だれでも思いつきそうな陳腐な発明と、同列にして保護するからおかしくなるわけで、区別できんのならいっそ保護もやめてしまった方が害は小さかろうと思うわけですわ。もちろん、極端で乱暴な意見だとは自覚してるけど。
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
前の意見は特許を取ることを前提とした比較なのだから、全く漏れなかったらという前提は当てはまらないんじゃない?
Re:制度の疲弊 (スコア:2, 興味深い)
しかし、現代の特許制度は、後進国からの製品やサービスの輸出から、先進国の産業を守るための、「合法的な非関税障壁」を実現するという方向に、その目的を移しつつあると考えられます。そしてその観点からすると、比較的価値が低いと思われるような発明にも、広く特許の付与を認める方針のほうが、(たぶん)先進国の一員である日本にとって有利である可能性があります。そう考えると、特許範囲が広がることによって不自由するのも、日本の将来のためには致し方ないかとも思うことがあります。
もっともそれは、先進国が先進国であり、後進国が後進国であるつかの間の時間稼ぎに過ぎないかもしれません。また、そのような方針によって、後進国ばかりか国内の新興勢力の阻害要因ともなり、長い目で見れば逆に国内産業の活力を奪うことに繋がるかもしれません。しかし、短期的に見ると、ソフトウェア業界にしても、後進国の安い賃金の脅威に晒される時はさし迫っているように思われ、国内のIT産業が今ひとつパッとしない状況も鑑みると、長い目で見る余裕があるかどうかが問題です。ご承知の通り、幸か不幸か、日本の企業は特許をすでに山ほど出願しています。
ただ、現在の特許制度は、特許侵害がないかどうか調べる義務を全面的に社会の側に課しているために、著しく法的安定性が害されており、「過失なければ責任なし」の大原則が崩れています。特許公報から該当する特許を見つけ出せなかったことをもって過失とするのは、実態を見ると酷な場合があり、法的な擬制にすぎないともいえます。「権利の上に眠るものは保護されない」の法諺もありますし、権利を行使する場合に権利者になんらかの努力を要求するような制度を導入することは考えられていいのではないでしょうか。
例えば、JISなどの標準を策定するときは、事前に公告期間を設定し、その期間中に申出がなかった発明については、その標準に従った実施については、特許権の行使を認めないというのはどうでしょう。似たような権利調査は現在もされていると思いますが、見過ごした場合に権利者が黙っていると機能しないという問題があります。
さらにこれを進めて、企業が製品を計画する際にその技術的事項を特許庁に登録し、一定期間特許権者から申出がなかったときは、その製品に係る特許権の行使を認めないか、低廉な使用料の請求のみを認める、という制度も考えられますが、これは先ほどの特許制度の目的からすると行き過ぎかもしれません。
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
こういうことをおっしゃる方は多いのですが、これは過てる愛国心では
ないかなぁ、と思います。たかだか20年程度の権益のために、
本来の制度の目的を越えて、制度を利用使用
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
Re:制度の疲弊 (スコア:1)
> 独占使用期間を短くするのが考えられますが、他に何かないでしょ
> うかね。
WTO非加盟の国にパテント・ヘイヴンを作ってオフショアでソフトウェアの開発すると言うのはだめですかね? ユーザが訴えられるからあんまり意味ないか。ならば、ついでにオフショアでWEBサービスも提供するとか。
でも、通信回線なんかで締め付けられて、耐えきれないんだろうな。
Re:制度の疲弊 (スコア:1)
特許権なり著作権なりが問題となるのは、費用に比べて権利が圧倒的に強力だからだと思います。その強さが暴走していると思います。
なんとかする方法としては、すでに述べられている、独占使用期間を、現在の世の中の動きに合わせて短くすることの他に、一定の実施料を払った時の「強制実施権」なども、一つの案でしょう。台湾などでは制度化されているとかいないとか?
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
いったん、特定の処理が可能であるとわかってしまえば、
発明者が人類に超越する天才でないかぎり、同等のアルゴリズムが
遠からず生み出されることになるのではないでしょうか。
短期的には困ることもあるかもしれませんが、
長い目で見た場合には「人類の進
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
みんなが困っている高レベルソフトウェアって
現在どれくらいあるんでしょうか。
その点を、もうちょっと考えてみたいと思いましたが、
資料となるようなものありましたら、Webに限
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
>微妙ではないかと思われます。
「車輪の再発明」に人類の時間が奪われることを思うと、
長期的にこそ進歩の障害になるのではないかと.
Re:制度の疲弊 (スコア:2, すばらしい洞察)
今なら、誰かが発明した車輪のために金を払うぐらいなら、再発明のためにかかるコストを受け入れる方がマシだな。100年前とは事情が違うのよ。
例のSCO/IBM訴訟の件に絡めた話だけど、 特許制度の現状を分析した記事 [zdnet.co.jp]をZDNet Japanに見つけたので、参考までに読んでみてくださいまし。
Re:制度の疲弊 (スコア:1)
「IBMが特許という核兵器をSCOに向けて発射できるという事実は、IBMがこれをほかの誰にでも向けられることを意味している。これはぞっとする話だ」という問題提起から、すぐに「核拡散」=「ソフトウェア特許訴訟合戦が他の事例にも飛び火する」という不安を抱きます。ハードウェアに関するものなら、ある程度備えが出来ている会社は多いですが、ビジネスモデル特許やソフトウェア特許は新たな防御手段を必要とするように思えます。
#SDIかTMDにでも傾注しましょうかね?
Re:制度の疲弊 (スコア:1)
今の技術は「それをモノにする」という過程で得るものがかなりありますからなぁ。
# 「断片でもいいからコードを書け」by my father
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
それに、
> 「車輪の再発明」に人類の時間が奪われることを思うと、
といっても、誰も彼もが隠蔽に走るわけではないですよね。
FSFとかその他のあれこれとかなんかは、これまでだって
再発明を公開してきたわけでしょ? だから、やっぱり
長期的にみれば、特許より隠蔽のほうがマシ(素晴らしいとは
いわないけれど)なんじゃないですか。
特許を廃止しても隠蔽が許されるなら、意義の大きい発明の
incentiveの減少も少なくて済み、くだらん泡沫ソフトウェアに
よって生じる特許をめぐる争いとか、特許を援用した他企業
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
やっぱり隠蔽されると困るものに入るかもしれず、
こういうのは特許によって公表された方がいいのかもしれない、
とも思いますが、一方で、このような数学的な知見に保護が
及ぶのも奇妙な気がします。ソフト
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
Re:制度の疲弊 (スコア:1)
また、これほど情報が流通していれば、ダメな車輪はあっさり淘汰されるでしょう。
仕様が異なることを一概に悪とするのも、また間違いでしょう。利用者は利用形態に合った車輪を使う時代です。
さらに、大量に再発明される程度の車輪が実際に大量発生しても、どれほど長期的に見てもその程度の損を回収するうまい手段など無いでしょう。少なくとも特許はひどい。
総じて、「社会の損」など考えなくても良い時代に来ていると言えます。そうではなく、発見に非常なリソースと情熱と運を注ぎ込む必要がある発明を行った個人を保護しなければならない。
著作権法は、もともと、社会と個人の利益バランスを取る目的で設定されたはずですよね。
もっとも、以前、知人に同じこと(現代に著作権は不要。車輪の再発明は簡単。優位を保ちたければ、発明者は詳細を隠蔽せよ)を言われたときには、自分も素直に受け入れられなかったんですけども。著作権の意義を完全に間違って理解していたし。
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
> 一定期間後(15年とか20年とか)は誰でも自由に使えるようにする
というのをごくナイーブにソフトウェアに適用して、一定期
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
ソフトウェアを構成するプログラムコードは、時計を構成する歯車のようなものと定義できないでしょうか。単純な機
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
行バイナリにスクランブルをかけたり、そもそもバイナリを公開せずにWebサービス
等のみで公開するような場合が増えてくるでしょう
そういうWebサービスそのものが
Re:制度の疲弊 (スコア:0)
現状では、特許契約の相手方やその契約内容(クロスライセンスとか特許使用料など)について公開する義務はまったくない(はず)です。まずはこのあたりから手をつけるのはどうでしょうか?
情報公開は時代の波ですし。
---提案-