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djb が言ったとされているその意見自体が FUD でしかない、というのが何よりも大きなポイントかもしれません。
IPv6 は IPv4 互換/射影アドレスを利用して、出入り口が用意されていれば IPv4 ネットワークへの乗り入れが可能な設計になっています。リンク先の文章はこの点が反映されていないため、現実に即していないというのが実際です。IPv6 over IPv4 といったトンネリングに関しては書かれているのですが、6to4 ゲートウェイの存在が完全に欠落しています。
もっとも IPv4 互換/射影アドレスは、所詮 IPv4 のアドレスがそのまま利用されるため、IPv4 グローバルアドレスが枯渇した場合に問題が出てくる可能性はありますが。(::aaa.bbb.ccc.ddd/::ffff:aaa.bbb.ccc.ddd と、IPv4 アドレスをそのまま利用するため)
djb が指摘したその時期にもあったものなのですが、全く触れていない点が、djb は単に IPv6 が嫌いなんでしょとしか見えない点なのですよね。
# djb にはとりあえず、現状の spam の蔓延に即した qmail の更新を IPv6 対応の前にさっさとやってくれ、という感じなのですが。今の qmail は spammer にとって格好の餌食すぎ。
現在の移行メカニズムでは、IPv4互換アドレスは使用されません。RFC 4291 [ietf.org]で非推奨になりました。6to4ゲートウェイでできることは、グローバルIPv4アドレスにIPv6アドレスを割り当てて、IPv6ネットワークに接続することだけです。
IPv4射影アドレスは、v4/v6デュアルスタックのホスト上でv4アドレスをv6アドレスのように扱うためのものです。射影アドレスを用いるとIPv6向けに書かれたアプリケーションでIPv4も使うことができますが、デュアルスタックが前提なので、IPv6 onlyのホストからIPv4ホストに接続できるようになるわけではありません。
結局のところ、IPv4 onlyホストとIPv6 onlyホストがお互いに接続できないという問題は解決されていません。残念ながらdjbの指摘は未だに的を得ていると思います。
もちろんIPv6 onlyなホストである必要はありません。現在の移行メカニズムはv4/v6デュアルスタックが前提となっています。しかし、それこそがdjbの指摘する問題なわけです。#1135941 [srad.jp]にもリンクが貼ってある「覚悟はできてますか? - トンでもなく高価なIPv6 [unixuser.org]」から概要を引用します。
概要: 増えつづける IPv4 の需要に対処するために提案された IPv6 は IPv4 とは互換性がなく、その代用品にはならない。しかし人々は依然として IPv4 のサービスを必要とする。したがってたとえ IPv6 が普及しても、その普及率が 100% になるまでは IPv4 の需要は減少しない。そのためサービスを提供する側はつねに IPv4 をサポートする必要にせまられ、IPv6 のメリットはいつまでたっても見えてこない。結果としてインターネット全体の IPv6 の導入には予想以上の時間とコストがかかり、普及までには長い忍耐が必要となる。
まあ世の中には気合いで人柱になって、NATPTなどを駆使してIPv6 onlyの世界を先取りしている人たちもいますが… (KDDI研究所 オフィスに導入して分かったIPv6利用の課題(前編) [ipv6style.jp])
それから移行の難しさで言えば、もっぱら企業内LANで使われていて、企業システムの更新と同時に移行できるNetBEUI・IPX・AppleTalkと、世界規模のインターネットで使われているIPv4では比較になりません。
とは言っても、ルーターもOSもソフトウェアもぼちぼちIPv6に対応してきているのだから、ISPやWeb上のサービスを提供する企業もそろそろコストを負担してIPv6に対応してもいいんじゃないかとは思います。
ここ 1、2 年ほど状況を追えていないので、誤っている (古い) 方ですね。 orz こちらについては、RFC の方などを読み直した上で、他の情報も追いかけて情報を更新しようと思います。
贔屓しすぎというほど love なつもりはないのですが、対応 (移行ではなく) するために必要なコストが「とんでもなく高い」という程高いものであるという点が理解できないというのが実際です。とんでもなく高いことにしたいのね、としか思えません。
ISP 側がサービスインの予定が無いというのは、きっちり検証して目処が立つまでは無理というのは理解できるのですが、実験サービスの予定すらないというのが最大の問題に思えます。IPv6 のメリットが見えないから導入の予定は無い、というのが ISP から先のユーザの話であればまだ理解できなくもないのです。提供 ISP がほとんどありませんから。
あと 4、5 年程度で IPv4 の新規割り当て分が無くなるという、石油より分かりやすい形で有限と分かっている資源が枯渇しつつある状況で安穏と「まぁ、なんとかなるだろう」と実験環境すら構築せずにいたら、学習もできなければ、運用経験を積むことすらもできないわけですが、それすら進行していないというのが怖いですね。
一番気になるのは「一部の機器が IPv6 対応」とすら回答していないのが 13/22 という、おそろしく高い状況です。ここ 2 年以内に機器交換なり新規導入があれば、機器自体は IPv6 に対応している可能性が低くないはずなのですが、それすら行われていないのか、と。
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
普及してませんねー (スコア:0)
IPV6も使ってる、が一人。
ちょっと触ったことぐらいある、という回答は皆無に近かった。
残りすべてが、「なにそれ?おいしいの?」
ずっと前から、グローバルなIPV4アドレスがあれば登録なしで使える(RFC3056)ようになってるのに。
アドホックだけど。
# 一発メモ妄想中
Re:普及してませんねー (スコア:0)
表記の仕方も全然違うから意味わかんないし
混乱の元でしかないよ今のところ
Re:普及してませんねー (スコア:5, すばらしい洞察)
素ではIPv4とIPv6に互換性がないのが普及を妨げている最大の原因かと。
まずは仕様ありきで、普及・置換させる方法やユーザビリティの実装を
後回しにしたツケが回ってきてるだけかと。
使われている技術を置き換えようというのなら、使いやすいようにしないと
誰も見向きしない。いいものさえ作れば普及するなんてのは理屈屋の幻想。
技術は使われてナンボってのを露呈してるね。
Re:普及してませんねー (スコア:1, 参考になる)
> 誰も見向きしない。いいものさえ作れば普及するなんてのは理屈屋の幻想。
> 技術は使われてナンボってのを露呈してるね。
↑は2001年時点ですでに Daniel J. Bernstein(djb) 氏によって指摘されていた
ことですね。(参考 [unixuser.org])
その頃から一向に状況は変わっていないんですな。
Re:普及してませんねー (スコア:1, 興味深い)
djb が言ったとされているその意見自体が FUD でしかない、というのが何よりも大きなポイントかもしれません。
IPv6 は IPv4 互換/射影アドレスを利用して、出入り口が用意されていれば IPv4 ネットワークへの乗り入れが可能な設計になっています。リンク先の文章はこの点が反映されていないため、現実に即していないというのが実際です。IPv6 over IPv4 といったトンネリングに関しては書かれているのですが、6to4 ゲートウェイの存在が完全に欠落しています。
もっとも IPv4 互換/射影アドレスは、所詮 IPv4 のアドレスがそのまま利用されるため、IPv4 グローバルアドレスが枯渇した場合に問題が出てくる可能性はありますが。(::aaa.bbb.ccc.ddd/::ffff:aaa.bbb.ccc.ddd と、IPv4 アドレスをそのまま利用するため)
djb が指摘したその時期にもあったものなのですが、全く触れていない点が、djb は単に IPv6 が嫌いなんでしょとしか見えない点なのですよね。
# djb にはとりあえず、現状の spam の蔓延に即した qmail の更新を IPv6 対応の前にさっさとやってくれ、という感じなのですが。今の qmail は spammer にとって格好の餌食すぎ。
IPv4互換/射影アドレスについて (スコア:4, 参考になる)
現在の移行メカニズムでは、IPv4互換アドレスは使用されません。RFC 4291 [ietf.org]で非推奨になりました。6to4ゲートウェイでできることは、グローバルIPv4アドレスにIPv6アドレスを割り当てて、IPv6ネットワークに接続することだけです。
IPv4射影アドレスは、v4/v6デュアルスタックのホスト上でv4アドレスをv6アドレスのように扱うためのものです。射影アドレスを用いるとIPv6向けに書かれたアプリケーションでIPv4も使うことができますが、デュアルスタックが前提なので、IPv6 onlyのホストからIPv4ホストに接続できるようになるわけではありません。
結局のところ、IPv4 onlyホストとIPv6 onlyホストがお互いに接続できないという問題は解決されていません。残念ながらdjbの指摘は未だに的を得ていると思います。
Re:IPv4互換/射影アドレスについて (スコア:0)
Re:IPv4互換/射影アドレスについて (スコア:1)
もちろんIPv6 onlyなホストである必要はありません。現在の移行メカニズムはv4/v6デュアルスタックが前提となっています。しかし、それこそがdjbの指摘する問題なわけです。#1135941 [srad.jp]にもリンクが貼ってある「覚悟はできてますか? - トンでもなく高価なIPv6 [unixuser.org]」から概要を引用します。
まあ世の中には気合いで人柱になって、NATPTなどを駆使してIPv6 onlyの世界を先取りしている人たちもいますが… (KDDI研究所 オフィスに導入して分かったIPv6利用の課題(前編) [ipv6style.jp])
それから移行の難しさで言えば、もっぱら企業内LANで使われていて、企業システムの更新と同時に移行できるNetBEUI・IPX・AppleTalkと、世界規模のインターネットで使われているIPv4では比較になりません。
とは言っても、ルーターもOSもソフトウェアもぼちぼちIPv6に対応してきているのだから、ISPやWeb上のサービスを提供する企業もそろそろコストを負担してIPv6に対応してもいいんじゃないかとは思います。
Re:普及してませんねー (スコア:1, すばらしい洞察)
問題がある、というように読めますが…
#qmailに関しては全く同意。
Re:普及してませんねー (スコア:1, 興味深い)
技術的にすごいことは分かるんです。
でも、現状と比べて何が良くなるのか、さっぱり分からないんです。
それが、あえてコストをかけてやるべきことなのかどうかが
Re:普及してませんねー (スコア:0)
Re:普及してませんねー (スコア:0)
「IPv6 Loveのあまり贔屓の引き倒し」の何れかのように見受けられます。
#1136031 [srad.jp] や #1136076 [srad.jp] の意見を受けた上での反論を期待します
Re:普及してませんねー (スコア:1)
ここ 1、2 年ほど状況を追えていないので、誤っている (古い) 方ですね。 orz こちらについては、RFC の方などを読み直した上で、他の情報も追いかけて情報を更新しようと思います。
贔屓しすぎというほど love なつもりはないのですが、対応 (移行ではなく) するために必要なコストが「とんでもなく高い」という程高いものであるという点が理解できないというのが実際です。とんでもなく高いことにしたいのね、としか思えません。
ISP 側がサービスインの予定が無いというのは、きっちり検証して目処が立つまでは無理というのは理解できるのですが、実験サービスの予定すらないというのが最大の問題に思えます。IPv6 のメリットが見えないから導入の予定は無い、というのが ISP から先のユーザの話であればまだ理解できなくもないのです。提供 ISP がほとんどありませんから。
あと 4、5 年程度で IPv4 の新規割り当て分が無くなるという、石油より分かりやすい形で有限と分かっている資源が枯渇しつつある状況で安穏と「まぁ、なんとかなるだろう」と実験環境すら構築せずにいたら、学習もできなければ、運用経験を積むことすらもできないわけですが、それすら進行していないというのが怖いですね。
一番気になるのは「一部の機器が IPv6 対応」とすら回答していないのが 13/22 という、おそろしく高い状況です。ここ 2 年以内に機器交換なり新規導入があれば、機器自体は IPv6 に対応している可能性が低くないはずなのですが、それすら行われていないのか、と。