mukk_hosoの日記: 欠陥住宅の会
<欠陥住宅の会>代表が”100年生きる家”公開 北海道
市民団体「欠陥住宅を考える会」代表の黒田七重さん(80)が「100年間、生きる家」を北海道北広島市に新築し、公開している。欠陥住宅に苦しんだ経験から同会を創設して25年。80歳になってようやく手にした25年越しの“理想の家”だ。リフォーム詐欺、耐震データ偽造など、住宅問題は後を絶たない。黒田さんは「家選びの教材として自宅を見にきてほしい」と呼びかけている。
窓の多い三角屋根のこぢんまりした家。木造平屋約60平方メートル。柱やはりには、道産材のカラマツ、トドマツなどを使い、木のぬくもりが伝わる。それが黒田さんの新居だ。
81年に同市に購入した一戸建ては、壁がはがれ、床が落ち込んだ。建築業者を訴え、手抜き工事を認めさせたが、建て替え費用は賠償させられなかった。「欠陥住宅の被害は、資産価値を失うだけではない。精神被害なんです」と黒田さんは言う。
被害者の会として発足した同会には現在、約80人が所属する。月に一度の勉強会のほか、欠陥住宅相談も受け付ける。結露、雨漏り、シックハウス……。数え切れない被害者の悲鳴を聞いた。黒田さんは「業者に建築を一任してはだめ。勉強して悪いところは指摘しないといけない」と強調する。
「高断熱・高気密の暖かい家」といった住宅広告に踊るあいまいな宣伝文句を否定し、具体的に数値化した「温熱環境性能保証」を提唱する。室内から暖かい空気をどれだけ逃がさないかを示す気密性能は、1平方メートルあたり0・7平方センチに設定。熱損失係数や換気なども細かな数値を設けた。いずれも建築業者と契約を結ぶ際の目安になる。
黒田さんは新居の壁に、室内外の空気を通さない「ポリフィルム」をすき間なく張り、室内の気密を高めた。窓の床下に暖房器具を入れ、結露の発生を防ぐ仕組みをつくった。「温熱環境保証を順守した気密性の高い構造が、家の健康を維持するには不可欠」と黒田さんは話す。
新居は同市栄町2。毎週日曜午後1~5時に公開している。希望者は事前予約が必要。問い合わせは同会事務局(011・372・4179)。【水戸健一】
(毎日新聞) - 3月11日17時12分更新