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y_tambeのコメント: よくあることながら (スコア 5, すばらしい洞察) 68

× 40万 G の重力にも耐えて生存する生命体が発見される
○ 細菌は40万Gの重力にも耐える
○ 細菌には40万Gの重力にも耐える種がいることが発見される

せっかくタレコミ時点では、意味が正しく通るタイトルがついてるのに、なんで校正でわざわざ台無しにするかなぁ…

#「反校正」とでも呼ぶか。
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y_tambeのコメント: Re:アメリカ人はカフェインが嫌いだなぁ (スコア 1) 56

すみません、訂正 m(_ _)m
>加熱/加圧状態で水抽出を行う必要があるし
スイスウォーター式ではこの必要はなかったです。
#これが必要なのは、超臨界二酸化炭素抽出の方でした。
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y_tambeのコメント: Re:アメリカ人はカフェインが嫌いだなぁ (スコア 1) 56

>ドイツから輸入ってのは、原産国->デカフェ処理->ドイツ->日本ってことだよね?

違います。原産国->ドイツ->脱カフェイン処理->日本です。
脱カフェイン処理は焙煎の直前の工程で行われます。生豆の生産国の中で脱カフェイン処理まで行っている国は、ほとんどなかったはずです……というか、少なくとも生産工程の「ライン上」にあるところはないはず。そもそも、世界的にもデカフェ処理行うプラントは数少ないので。もちろんネスレなどの大手ロースターは自社工場で持ってますが、日本の場合はそもそもデカフェの需要がすごく少ないため、大手ロースターでも持ってるところがなかったかと…。
というのは、いくら「簡単な設備で可能」だからと言っても、スイスウォーター式(水抽出法)で脱カフェイン処理をきちんと行う(しかもヨーロッパ基準値まで減らす)ためには、加熱/加圧状態で水抽出を行う必要があるし、カフェインなどを抽出した水からカフェインだけを取り除いた後、その水を再循環させるなど、それなりのプラント設備が必要なため。

一応、生産国の中では、メキシコに脱カフェイン処理を引き受ける工場があるようですが、これもメキシコ産の豆をデカフェにするというより、グアテマラなど中南米産のコーヒーをメキシコで処理してアメリカに売る、という感じです。
塩化メチレン、いわゆる「ケミカル」による脱カフェイン処理くらいなら、もっと簡単かつ安価できるのですが、品質的に劣るのと、安全面への不安から避ける人が多いです。ベトナムにこの方式の脱カフェイン工場が一カ所あって、それがアジアで唯一のプラントですが…元々、ベトナムは品質面で劣るロブスタがメインなので。

>卸もやっているから、仕入れられるのかな。
僕がこの話を聞いたのも、40年くらい前から世界中の生産地に直接買い付けに行って、いわゆる「卸」までやってる自家焙煎店です(いわゆる「大御所中の大御所」だし、判る人には判るだろうが、一応名前は伏せておく)。輸送と加工の分、どうしても原価が上がるので、客の要望があれば作るけど、そこそこの値になる上、それでも採算が取れない…と、そういう話をここ数年のうちに何度か聞いてます。
聞いた感じだと、「原産国->ドイツ->脱カフェイン処理->焙煎」という形で使っているところと交渉して、脱カフェイン処理した生豆を回してもらっているようでしたが、ひょっとしたら、自分のところで仕入れた生豆を使うため「原産国->日本->ドイツ->脱カフェイン処理->日本->焙煎」という形にしてるかもしれないです。
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y_tambeのコメント: Re:コーヒーリキュール (スコア 1) 56

あ、失礼。後半分は話が別方向に進んでました。

「エビデンスがあるのか」という、前半の部分についていえば、去年、この調査が始まった頃、ストーリーが出たときにもコメントを付けたのですが、カフェイン+アルコールでもプラセボ+アルコールでも、アルコールによる効果に違いが見られなかったという論文や、エナジードリンクを飲んでもアルコールの体内濃度変化に影響しなかったという論文が出てることによります。
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y_tambeのコメント: Re:アメリカ人はカフェインが嫌いだなぁ (スコア 1) 56

ところが、パッケージを見てみると売っているのはネスレやクライスなど、どれも海外製だったりするのですよ…

脱カフェイン処理自体は、そんなに*大した*工業設備でなくてもいけるのですが、国内で作っているところはほとんどない、と思われます。知り合いの自家焙煎屋さんとかでも、お客さんから「カフェインレスを売ってないの?」と言われて、脱カフェインの生豆を扱っているところを探したけど結局見つからず、ドイツから輸入するはめになったとか。
276307 comment

y_tambeのコメント: Re:アメリカ人はカフェインが嫌いだなぁ (スコア 3, 参考になる) 56

「アメリカ人」というより、カフェイン忌避は、モルモン教の影響が大きいかと。コーヒーだけでなく、紅茶、茶、タバコ、アルコールなどのいわゆる「刺激物」が、健康に悪影響を与えるという理由で、戒律で原則禁止してます。
#ただしコーラはOKという主張もあるそうで、よく判らない。

コーヒー/カフェインと健康の研究でも、比較的初期(1980年代以前)に、モルモン教系の病院で行われ、「コーヒー/カフェインは有害だ」と主張されたものが結構あります。ただし後に他の研究グループの追試の結果から、ほとんどは否定、あるいは当初主張されていたほど大きな悪影響ではないことが判明しているのが大半です。この辺りの研究結果を受けて、近年は、モルモン教の医師の中にも「有害だという解釈は見直すべきではないか」という慎重派も現れているそうで、「モルモン教」とひとくくりに論じることができない状況にはなってるようです。

ただし、これに加えて、いわゆる「自然で安全な食品」崇拝だとか、フードファディズムだとか、いろんな背景が加わってるので、アメリカの「カフェイン批判」も一枚板ではなく、結構ごちゃごちゃしてはいるようです。

それにまぁ、イスラム世界からヨーロッパにコーヒーが紹介されたときにも「健康に有害だ」という風説がかなり飛び交いました。なので、アメリカに限った話ともいえないですし。またさらに、その背景を辿れば「イスラムの飲み物」に対するキリスト教側の反発(コーヒー=異教徒の飲み物)というのもあるかもしれません。実際、だからこそ中世ヨーロッパで、クレメンス8世が、コーヒーに洗礼を施して「キリスト教徒の飲み物」にした、なんていう歴史的なエピソードも生まれたわけです。
276297 comment

y_tambeのコメント: Re:コーヒーリキュール (スコア 3, すばらしい洞察) 56

これ「参考になる」がついてますけど、本当にエビデンスありますか?

というか、この辺りは実はきちんとした医学的根拠があるかというと、まだ微妙だったはずです。だから「専門家はカフェインが飲酒の酔いを自覚するいくつかの感覚をマスクする可能性について懸念を表明した。 」(強調は引用者による)とかいう表現になってます。

今回の一連の報道について言えば「カフェインは『安全でない食品添加物』」という部分だけ、一人歩きしなければいいのだけど、という部分を懸念してます。や、まぁ確かにカフェインの大量摂取には健康上問題があることは確かだし、食品に「添加」する場合には安全量を超えた添加も可能になってしまうため、上限規制を設けることは妥当だと思います。

ただし、この「アルコール+カフェイン」の組み合わせのケースでクリティカルなのは、実はアルコールの毒性なわけで。むしろ「アルコールの変な飲み方をしない」ということが前提となる総論として存在し、その中の各論の一つに「カフェインとの組み合わせにより『歯止めが効かなくなる』恐れ」を議論する、というのが本筋なんだろうと考えます。

多くの国で合法的とされている嗜好品の中で、アルコールは「常識的に可能な摂取量でも、死に至る急性毒性」「肝硬変などの直接的な病原因子になる慢性毒性」「肉体依存・精神依存の両面を持つ強い依存性」の三拍子が揃った、かなり危険なモノなわけでして…。それが合法化されているのはひとえに、社会的・文化的・歴史的に許容されてきたから、としか言いようがないんです。
ただし、イギリスでこのことを指摘した、David Nuttは英国薬物誤用助言委員会(ACMD)の議長職を解任され、彼の後を追って何人もの委員が辞任する事態になったわけで。このアメリカのケースでも、「問題の根本は、アルコールの方だろうが!」という、David Nuttと同様の「真っ当な意見」は、多分通らないのだろうな、と悲観してみたり。
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y_tambeのコメント: Re:通説を覆すというか (スコア 1) 52

なるほど、早計でした m(_ _)m

そういう風に考えた上で読みなおすと、確かに「間違いではない文章」を書いてるように読めますね。記者の方が、ちゃんと判った上で「あえてそういう風に書いている記事」の可能性が高いかもしれません。
271698 comment

y_tambeのコメント: Re:通説を覆すというか (スコア 5, おもしろおかしい) 52

例えば、10年以上前の論文ですが、アリジゴク(antlion)の排泄物について研究した論文というのも、とっくに出てるようです。

もちろん、この小学生が「独自に発見」して、真実にたどり着いたことには価値があります。記事を読んだところ、その小学生もいろんな人に訊いてはみて、誰もそれに答えてくれなかった、ということらしいけど、それは「本当に詳しい人に訊くことが出来なかった」というだけで、「知ってる人(科学者)はとっくに知ってた」事象なわけで。

記事では、まるで「専門家が辿りついてなかったことを、小学生が発見した」とでも言わんばかりですが、専門家たちも、その真実にとっくにたどり着いていたわけです。「真実に辿り着いてなかった」のは、「専門家たちはそれをすでに知っていた」という真実にたどり着けなかった(調べなかったのか、調べきれなかったは判りませんが)新聞記者の方だったというのは、皮肉なものです。
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y_tambeのコメント: Re:喘息の治療薬に配合したら (スコア 2, 参考になる) 35

by y_tambe (#1849556) ネタ元: 舌だけじゃない、肺も苦味を感じることが出来る
1849556
ここにぶら下げます。

今回の報告のキモは、一つには、気道平滑筋にも苦味受容体(TAS2Rs)が発現しているということを明らかにした点です。
一般に、味覚受容体は舌(味蕾)にだけあると思われがちですが、味蕾のその約3分の1(2200個程度)は舌以外の口腔内に(分布しており、のどの奥の方(咽頭から喉頭にかけてや、気道と食道の境目付近の喉頭蓋と呼ばれる部分)にまで発現していることが知られてました。これらの味蕾からも知覚神経を介して中枢神経系につながっており、なんらかの形で「味」の知覚に寄与しているのだろうと考えられてました。

一方、味蕾を構成する味細胞以外の細胞、特に消化管の細胞の一部などでは味覚受容体が発現することも知られていましたが、これらの細胞は味神経につながっている訳ではないので、味覚とは無関係ではあるものの、味物質がこれらの細胞に何らかの作用を生じる可能性が指摘されてます。苦味(甘味、うま味)受容体は、「Gタンパク質共役受容体 GPCR」に分類されるものであり、苦味物質が結合すると、受容体の細胞内領域に結合しているGタンパク質にシグナルが伝わり、それがさまざまな細胞応答につながります。味細胞の場合は、その細胞応答の一つが「味覚神経細胞にシグナルを送る」ことだというわけです。したがって、味細胞以外の場合には、何らかの別の作用が見られても不思議はない、と。今回の報告は、そういった消化管以外の、呼吸器系に関与する細胞でもTAS2Rsが発現していることを発見し、さらに平滑筋弛緩作用があることを発見してるわけです。

最初、ニュースだけを読んだときに気になったのは、これが「本当に苦味受容体を介した作用なのか」という部分でした。というのは、苦味物質の中には、TAS2Rsを介さずに苦味を生じさせると言われているものもあるからです(カフェインもその一つです)。
ただし、この論文では(1)実際に気道平滑筋でTAS2Rsの発現があること、(2)さまざまな種類の苦味物質(特定のTAS2Rと反応することが判っているもの)で同じ作用が見られること、を実験的に証明しているので、「苦味受容体を介して気道平滑筋の弛緩が起きる」と言うことは可能だと思います。
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y_tambeのコメント: Re:喘息の治療薬に配合したら (スコア 2, 興味深い) 35

by y_tambe (#1849138) ネタ元: 舌だけじゃない、肺も苦味を感じることが出来る
1849138
んーと、細かくツッコむのもなんですが…
  1. カフェインは揮発しないので湯気には来ません。水蒸気(湿度)を保つ効果と、ひょっとしたらコーヒーなどの香りが何らかの作用をするかもしているのかもしれません。ただし香りについては、まだそういった研究はないんじゃないかと思います。
  2. 「飲んだ」ときの効果は、カフェインの作用である可能性が高いと思います。
    カフェイン、テオフィリン、テオブロミンなどのメチルキサンチン類には、気道平滑筋弛緩作用(気管支拡張作用)があることが知られてます。中でも、テオフィリンはこの作用が強く、抗喘息薬として使われることがあります。ただしテオフィリンは割と副作用も多くて、使いどころが難しい部分があります。この作用は、(特に発展途上国などの)小児の無呼吸症に対しても有効なのですが、小児に対する安全性はカフェインの方が高い、ということで、WHOが推奨する医薬品リストの中にはカフェインの方が載っています(根拠になってるコクランレビューの要旨)。
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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー

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