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挙げられている2種類はどちらも核爆発型推進ですが, 最初に試作された原子力ロケットエンジンは黒鉛減速型原子炉に水素ガスを冷却・推進剤として用いたKIWI(出力70MW, 最大炉心温度2683K)で, 1959年のことです.
その後1960年代を通して, こうした固体炉心・高温ガス冷却/推進タイプのエンジンの研究 [fas.org]が進められていました. しかし原理的に炉心の耐熱温度を超える推進剤温度は得られないため, 従来の化学反応による推進と大きな差はなく, 現時点での研究価値は無いと判断されて中止となりました. 「2001年宇宙の旅」のディスカバリ号なんかはこのタイプですね.
その後, 固体炉心を持たない形式として爆発型推進が唱えられたのが1970年代, 開放端を持つことから本質的にロケット推進に向くとされていたミラー型核融合炉エンジンがトカマク並に現実味を帯びてきたのが1990年代以降ってところでしょうか.
ただ現時点で原子力推進と言った場合, 原子力はあくまでも発電用で, 推進機構には電気式(いわゆるイオンエンジン)が使われると考えて良いと思います.
…が、そもそも、質量20トンもの宇宙船を小惑星にランデブーさせるのがめっちゃ大変で、大推力・高効率の、今は存在しないエンジンが別途必要ですね。
>イオンエンジン それが理想のロケットエンジンとは限らない、と一席ぶちたくてしょうがない野田司令の心中を察してみたりしますが、確かに比推力はすごいですね。 推力はといえば、フルパワーで2gくらい。掌に1円玉を2枚置いてみましたが、微々たるものです。「ものは経験だ、かすかに重さを感じる程度のα線を浴びてみないか?」と言われたら引きますけど、遮蔽は容易でしょう。使い捨てタイプなら。
錘(推進剤とかをかねるとはいえ)を持っていって引力で引っ張るよりは、むしろ、イオンエンジンの噴射を吹き付けて押した方が効率的かも。
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普通のやつらの下を行け -- バッドノウハウ専門家
タグボートで曳航する感じ? (スコア:3, 参考になる)
ちょっとググってみました。するとポピュラーサイエンスでほぼ同じ記事 [popsci.com]を見つけました。
「振り子状にデザインされた原子力駆動の宇宙船を、その最重部が小惑星に近接した状態に配置することで
大きな重力を生み出す」という事らしい。要するに重量物を二個用意(一方は勝手に用意されるわけですが)
してその間に発生する引力をもってトラクタービームに替えようって事なんでしょうか?
提案者の宇宙飛行士エドワード・ルー氏は「700フィート(約215m)位の小惑星なら20トンの
原子力宇宙船があればOK」と言っておられるようです。
(英語はからきしダメなんで、間違いがありましたら/.j翻訳部の皆様のツッコミをよろしく)
ところで原子力駆動っていうと、真っ先に思い浮かぶのがオリオン方式 [wikipedia.org]と
ダイダロス方式 [wikipedia.org](どっちも古!)なんですが他にどんな方式があるのか?
と思ったら、Wikipediaに出てました、原子力推進。 [wikipedia.org]
現状でこの中で実用になっているものはあるんでしょうか?部分的 [wikipedia.org]あるいは
包括的 [wikipedia.org]核実験禁止条約との絡みもあるでしょうし。
(航空宇宙軍史ファンとしてはダイダロス式の方が魅力的、ボソボソ)
Re:タグボートで曳航する感じ? (スコア:2, 参考になる)
挙げられている2種類はどちらも核爆発型推進ですが, 最初に試作された原子力ロケットエンジンは黒鉛減速型原子炉に水素ガスを冷却・推進剤として用いたKIWI(出力70MW, 最大炉心温度2683K)で, 1959年のことです.
その後1960年代を通して, こうした固体炉心・高温ガス冷却/推進タイプのエンジンの研究 [fas.org]が進められていました. しかし原理的に炉心の耐熱温度を超える推進剤温度は得られないため, 従来の化学反応による推進と大きな差はなく, 現時点での研究価値は無いと判断されて中止となりました. 「2001年宇宙の旅」のディスカバリ号なんかはこのタイプですね.
その後, 固体炉心を持たない形式として爆発型推進が唱えられたのが1970年代, 開放端を持つことから本質的にロケット推進に向くとされていたミラー型核融合炉エンジンがトカマク並に現実味を帯びてきたのが1990年代以降ってところでしょうか.
ただ現時点で原子力推進と言った場合, 原子力はあくまでも発電用で, 推進機構には電気式(いわゆるイオンエンジン)が使われると考えて良いと思います.
Re:タグボートで曳航する感じ? (スコア:0)
Re:タグボートで曳航する感じ? (スコア:0)
てきとーに計算してみる (スコア:1)
×ーーー* ●
×:ホバリング用推進装置 *:錘 ●:小惑星
…って感じでしょうかね?
仮に、重心間の距離を150mで保つようにホバリング(小惑星の直径が200m強なら、錘は小惑星表面から20m位?)するとして、高校物理レベルで計算すると、加速度は
G*20000kg/(150m)^2 - Google 検索 [google.com]
5.9 × 10^-11 m/s^2
で、それによる位置の変位---仮にのべ10年間での---は
G*20000kg/(150m)^2 * (10years)^2 /2 - Google 検索 [google.com]
3000 km
案外いけるような、これじゃ足りないような。
(てきとーな計算なので、間違ってたら突っ込んでください)
小惑星からの距離を保つための推進には、はやぶさのイオンエンジンを原子力電池で駆動するだけでまかなえそうです。
…が、そもそも、質量20トンもの宇宙船を小惑星にランデブーさせるのがめっちゃ大変で、大推力・高効率の、今は存在しないエンジンが別途必要ですね。
>(航空宇宙軍史ファンとしてはダイダロス式の方が魅力的、ボソボソ)
航空宇宙軍の世界だと、数千トンの輸送船でさえ0.1Gで中間点まで延々加速できるので、その程度の仕事はへでも無いのでしょうなぁ。
Re:てきとーに計算してみる (スコア:1)
「地球近傍の小惑星(例えば、Aten群)の小惑星に20トンをランデブーさせる」だけであれば、はやぶさ(0.5トン)の
スケールアップでいけるのではないでしょうか。
問題はその後で、従来の手法(直接、小惑星に船体を接触させるような)ではランデブーとは別の難しさがあって、
これは従来の技術の延長ではなかなか厳しいと思います。おそらく、なにか異質の技術が必要でしょう。
今回の重力で牽引する方法は、そのあたりがクリアされるというところが大きいのではないでしょうか。
質量さえ運べば、確実に結果は出ますから。
ただ、錘とは別に、10~数十年動き続けるイオンエンジンと推進剤が必要という問題はありますね。
# 錘は使いまわしで、推進剤は数年ごとに補充とか…。ただし、これはちょっと新しい技術になってしまう。
Re:てきとーに計算してみる (スコア:0)
小惑星の軌道を変えるには、それと反対方向に向かって何かが
飛んで行かないといけないんだけど・・・電気推進のキセノン
ガスではいくらあっても足りないのでは?
#大質量の物を小惑星の軌道に接する軌道にタイミングよく乗せて
#スイングバイさせ、小惑星を減速偏向。大質量物体は加速偏向して
#地球に戻ってこない軌道へ、というのが狙いなのでは?
Re:てきとーに計算してみる (スコア:1)
10年加速し続けるのに必要な推進剤の事を忘れていました。(^^;
#1112683 [srad.jp]で挙げられている、質量2100万トンの小惑星アポフィスの場合…。
推進剤の節約を最優先として、噴射速度90km/sというμ10HIsp(開発中) [isas.ac.jp]レベルのエンジンにに登場してもらうとしましょう。(とりあえず、エネルギー源は考えないことにします)
まとまった系として、5.9 × 10^-11 m/s^2の加速度とすると…、推進剤の消費は
G*20000kg/(150m)^2*2.1e10kg/(90km/s) - Google 検索 [google.com]
1.38 × 10^-5 kg/s
で、10年分で
G*20000kg/(150m)^2*2.1e10kg/(90km/s)*10years - Google 検索 [google.com]
4.4トン ?! 時間と共に錘が少々軽くなりますが、意外に少ないです。
#どっかで何かミスってるかも
錘(推進剤とかをかねるとはいえ)を持っていって引力で引っ張るよりは、むしろ、イオンエンジンの噴射を吹き付けて押した方が効率的かも。吹き付ける位置等で微妙な制御もできるでしょうし。
ただし、万有引力で引っ張るのにはタネも仕掛けも必要ないですけど、押すのには仕掛けやエネルギーやぶち当てる質量が必要で、それらを考慮するとお得じゃないかも。
ネタ元:
野尻ボードの野尻抱介さんの発言より [virtualave.net]
>#大質量の物を小惑星の軌道に接する軌道にタイミングよく乗せて
>#スイングバイさせ、小惑星を減速偏向。
ちょっとした物体を交錯する軌道に乗せても、スイングバイは無理かと。「大質量の物」が質量数億トンのマイクロブラックホールとかでもない限りは。
歩いている側を10トントラックがすれ違っても、万有引力で引かれるのは体感できないです。
Re:てきとーに計算してみる (スコア:1)
そういうことをやろうとしたら、小惑星の形状が問題になるんですよね。個々の小惑星ごとにカスタマイズした制御が必要になる。
重力方式なら、小惑星の重心と質量さえ分かれば形状は問わないので、汎用性が高くて便利な気がします。
Re:タグボートで曳航する感じ? (スコア:0)
Re:タグボートで曳航する感じ? (スコア:1)
核爆弾よりはマシ? (スコア:0)
2029年までに、となるとかなり難しいけど、ヴァルキリーこしらえて、
徹底的に砲撃加えて、ガス化させちゃうとか。
近傍なら影響ないかも。
数百mクラスだとどうかな?
という訳で、大出力レーザーと、高精度赤外線センサー、射撃管制システムの
開発に着手しましょう。